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商品説明
この想いは、本当のものなのか、彼の持つ「チカラ」なのか。札幌に身を寄せる19歳の少年「ユビ」。彼は、老婦人との奇妙な旅を運命づけられた−。書き下ろし長篇小説。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
東 直己
- 略歴
- 〈東直己〉1956年札幌生まれ。北海道大学文学部哲学科中退。92年「探偵はバーにいる」でデビュー。2001年「残光」で第54回日本推理作家協会賞長編部門を受賞。著書に「熾火」など。
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紙の本
この、なんともいえない瑞々しさの正体は何?探偵小説でもハードボイルドでもない心の旅の物語。
2012/05/18 03:08
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しのはら - この投稿者のレビュー一覧を見る
「スタンレーの犬」には驚いた。
「探偵はバーにいる」と同じ人が書いたとは、とても思えない。
ハードボイルドは嫌いではないし、「探偵・・・」は地元札幌やススキノの詳細な時代風俗に惹かれて読んだのだけれど、私にはちょっと男臭過ぎるように思われた。(ごめんなさい)
でも、「スタンレーの犬」は違った。これは何なのだろう。なんともいえない瑞々しさを感じるのだ。主人公が若いというだけでなく、文章にも、小説全体にも。
映画ならロードムービーというジャンルがあるけれど、小説の場合はなんというのだろう。「探偵小説」でも「ハードボイルド」でもない主人公達の旅の物語とは別に、さまざまな過去のエピソードが錯綜する。「そうそう、小説ってエピソードの積み重ねなんだよなぁ」と今更ながら思い、そして、それらの構成の妙に唸った。
この10年の間に、いったい東直己氏の何がどう変わったのだろう。さかのぼって読んでみなければ、という気にさせられた1冊だった。