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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2005.10
- 出版社: 早川書房
- レーベル: ハヤカワ・ミステリ文庫
- サイズ:16cm/526p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-15-171658-0
紙の本
あの日、少女たちは赤ん坊を殺した (ハヤカワ・ミステリ文庫)
【アンソニー賞最優秀長篇賞】【バリー賞最優秀長篇賞】【「TRC MARC」の商品解説】
あの日、少女たちは赤ん坊を殺した (ハヤカワ・ミステリ文庫)
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紙の本
出てくる女性キャラクターの造詣が深い。
2006/09/27 19:27
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私、この作家今回が初挑戦ですが、普段は、私立探偵テス・モナハンが主人公のシリーズ物を書いているみたいです。
で、本作ですが、フルタイムの作家活動になって二作目でかつ、上記とは別のノンシリーズ物だとか、、。
冒頭に、炎天下の中、乳母車に殆ど置き去りにされた赤ん坊を、二人の少女が良かれと思って、そこから連れ去っていくところから始まります。
その後、二人の少女は、赤ん坊の殺人容疑で逮捕され、7年間施設に収容され、社会復帰してきます。
で、彼女たちが帰ってきたと同時に、謎の児童を連れ去る事件がこの町で多発。
いつも、無事に児童は帰ってくるのですが、最後の一件だけ、、。
というプロットです。
このリップマンという作家さん、私立探偵のシリーズ物の作品は、
よく判りませんが、ストーリー・テラーで、次々色々起こるというより、人間の心理描写、キャラクターの立て方もうまいです。
そして、この現代社会(特にアメリカの)のもっている、問題や、
人間のもつ問題、悩みを、うまく切り取るのが、これまたうまいです。
そう、ミステリというより、現代アメリカを描いた普通の中間小説みたいな感じです。
作風だと、リチャード・ノース・パタースンの人間描写に近い感じです。
(ちょっと違うか??)
ほんのちょっとしたことで、大変な過ちを犯してしまった、少女二人、報復を求める被害者の母親、過去の小さな経緯で郡警察に左遷になった女性刑事、上昇思考の女性事件記者、
主要なキャラクターはみんな女性なのですが、一人一人を丁寧に描いていてとてもリアルかつ、本当に存在しているかのようですが、
この女性キャラには大変共感できるのですが、男性のキャラは、どうなのだろう??とふと思ってしまいました。
謎解きも、割とあっさりとしていて、ここには拘りがあんまりないみたい、、。
表題になっているぐらいだから、この少女たちが、赤ん坊を殺したのは、確定なのかもしれませんが、 これも、当てにならない、”小説の述者(話者)”にならって、
ひょっとしたら、とずーっと疑っていましたよ、、。
人間描写なんかが、きちっと、したミステリを読みたい方にオススメ。