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書店員レビュー
会社同士の戦争に、大...
ジュンク堂書店梅田ヒルトンプラザ店さん
会社同士の戦争に、大人にならない子供たちが、戦闘機に乗って、空の上で血を流す。
そんな、SF。
そんな、世界から隔絶された子供たちの物語。
それなのに、どうしてこんなに、彼らキルドレに感情移入してしまうのか。
戦闘機に乗ったこともないのに、どうして、あの空戦シーンで涙が溢れてくるのか。
空と同じくらいきれいな、
彼らの目が視ているもの、
彼らの心が感じているものが、
きっと、僕たちが胸のどこかに抱いている汚いものに、
似ているせいかも知れない。
ラダー、エルロン、フラップ……戦闘機の構造なんて知らなくても、
戦闘機・散香は飛んでいる。
行間を。
短く切った文章で、
リズムを刻みビートを打つ「祈祷」の下、
ページ下半分の、あの空白を、
「行間」と言ってしまっていいなら。
その行間に、散香は飛んでいる。
「ブーメランは、飛んでいるぞ!」
シリーズの中で特に好きなこの一冊に、駄文を添えることを許してください。
(文庫・新書担当 S・Y)
紙の本
森博嗣氏の新境地を垣間見られる「スカイ・クロラ」シリーズの第2弾です!
2020/08/22 11:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「V」シリーズ、「百年」シリーズ、「四季」シリーズ、「G」シリーズ、「X」シリーズなどの話題作を次々に発表されている森博嗣氏の作品です。同書は、人気の「スカイ・クロラ」シリーズの第2弾でもあります。信じる神を持たず、メカニックと操縦桿を握る自分の腕だけを信じて、戦闘機乗りを職業に、戦争を日常に生きる子供たちが描かれています。地上を厭い、空でしか笑えない「僕」は、「飛ぶために生まれてきたんだ!」と信じて、大人になってしまった「彼」と、子供のまま永遠を生きる「僕」が紡ぐ物語です。森博嗣氏の新境地とも言える作品です。
紙の本
草薙水素は乾いている
2019/02/27 00:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:リンドウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズの1作目「スカイ・クロラ」から続けての購入。
一人称が「僕」なので、語り部である主人公がカンナミだと勘違いして読み進めていくと、途中で「僕」がクサナギだと気付き驚いた。またしても、森博嗣の叙述トリックにしてやられたわけだ。
しかしながら、「ここではない、どこか」は現実世界よりもジェンダーへの理解度が進んでいるようであり、草薙水素が女性であるからと言って特別、差別されたり、その逆に優遇されるということはないようだ。そのためか、男性である私も、語り部・クサナギに感情移入しやすかった。
草薙水素の心はいつも乾いている。地上にいるときも、飛んでいるときも、戦闘中でも。憧れの存在である男性「ティーチャ」のそばにいるときでさえ、いや、肉体関係を持ったときでさえ、そうだったのかも知れない。
散文的な短文が続くシーンでは、戦闘中の緊張感が伝わって来て、哲学的思考の短文が続くシーンでは、草薙水素というキルドレ、パイロットという存在が、いかに矛盾しているか、生と死が曖昧な存在なのかが伝わってきた。
「スカイ・クロラ」を再読するか、続編「ダウン・ツ・ヘヴン」へと読み進むか、悩ましいところである。
紙の本
シリーズ、2作目
2018/07/25 15:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:walkalone - この投稿者のレビュー一覧を見る
理系学生が好む森博嗣の代表作。
理系の友人に勧められて購入しましたが、ハマりました。
飛行機が好きな人、理系的な話が好きな人だけでなく、もっとたくさんの人に読んで欲しいと思いました。
不思議な非日常感を感じて、感傷に浸れます。
たまに、何言ってんだ?となりますが^_^
紙の本
ナ・バ・テア
2009/07/02 08:25
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あがさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「スカイ・クロラ」シリーズの2冊目。
ただし、このシリーズを時系列に並べたときには、一番最初にくるべきなのは本書だ。
episode 1:gride
確かにこれがこのシリーズの初めなんだ。
「スカイ・クロラ」での「僕」である「カンナミ」の上司であった「クサナギ」が「僕」として登場している。
「スカイ・クロラ」では、謎の多い人物であった「クサナギ」。
暗い過去を一人で背負っているような人物であった。
その理由が明らかにされていくのか、それはまだわからない。
ただ、2人の「僕」は似ている。
それも2人を関連づけて考えさせるファクターのひとつかも。
2人は、ただの上司と部下ではない。
それは前作を読んでそう感じた。
過去に何かがあったんだ。
それは一体なんだったのだろう。
ますます面白くなってきた。
episode 2:loop
新しい地へ赴任してからの初めての戦いらしい戦い。
それに乗り慣れた散香(戦闘機の機種名)で戦える。
クサナギは珍しく心が浮揚していたらしい。
クサナギは、地上にいると何だか苦しそうだな。まるで水からあがったペンギンが、ヨチヨチと歩きづらそうにしているように。水の中では、スイスイ泳げるのにね。
クサナギもそう。空に居るときはスイスイ思い通りに動ける。地上に帰ると、歩くことさえ、いや呼吸することさえ苦しそうだ。
戦闘機と一体になって、思うように動き回っているクサナギは、楽しそう。たぶん、敵に撃たれて墜ちたとしても、それを楽しんでいるような気がする。
整備士の笹倉以外、同じ基地の仲間たちと不自然なほど距離を取るクサナギ。「人間」が嫌いなのかな。自分も含めて。自分を完結させたいのにどうしたらいいのかわからない。そんな風に見えて仕方がない。
こんなクサナギを変えてしまう何かが今後起きるはずだ。
一体何がクサナギを変えてしまうのだろう。楽しみだ。
episode 3:stall
初めて「クリタ」の名が出た。
「スカイ・クロラ」で「カンナミ」の前任者の名だ。
ここでクサナギとクリタが出逢うのか...。
クサナギの疑問。
自分たちは普通じゃないのか?
クサナギいわく、自分たちは普通の大人にはなれないけれど、普通の子供であると。
「普通」があるから「普通じゃないもの」ができる。
じゃ、「普通」ってなんなんだってことになる。
自分たちが作り出した
「大人にならない子供たち」
「戦うために生み出した子供たち」
それを自分たちとは違うものとして特別視する。
考えてみれば、勝手な話だ。
チームの一人が戦いで死んでしまう。
このことが思いの外、クサナギに大きな影響を与えたようだ。
いつも冷静な、というより投げやりなクサナギが動揺している。
その結果...。
なるほど、そういうことだったのか。
それともこれから先の展開でそうなるのか。
クリタとクサナギとの関係も気になる。
何があった?
何が起こった?
知りたい。
じゃ、次の章へ進んでみるしかないか。
episode 4:turn & epilogue
クサナギにとって、そしてその上司であるティーチャにとって、大きなターニングポイントだったのかもしれない出来事が起きた。
いや、すでに起きていた。
ただそれが発覚しただけ。それを確認しただけ。
「キルドレ」
戦うためだけに生み出された「子供」。大人にならない、老化しない、いつまでも「子供」。
それを興味深く、物珍しげに観る輩が居る。無神経な質問を「上品ぶって」投げかける輩が居る。
それに腹を立てるほど、クサナギは「子供」ではなかった。
一体なんのために戦っているのだろう。
何故、自然に生まれた子供ではいけなかったのだろう。何故、人工的に作り出されたモノではなくてはならなかったのだろう。
空にしか逃げ場所がない子供を作ってしまう。矛盾を抱えた子供を増やしてしまう。
それは大人たちのエゴではないのか。
矛盾を抱えたまま生きている子供は、きっと正常な心のバランスがとれなくなり、やがて自滅していくかもしれない。
全てが、クレイジーな世界だ。
紙の本
初めの話
2020/10/31 20:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:すたじろー - この投稿者のレビュー一覧を見る
表現が正しいか分からないけれど、若いクサナギの初々しさが好き。どこか投げやりなような生き方だけど、それでも一生懸命に「生きている」ように感じました。