「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本
壊れる男たち セクハラはなぜ繰り返されるのか (岩波新書 新赤版)
著者 金子 雅臣 (著)
男たちはなぜセクハラを繰り返すのか。告発されて「加害者」となった男性たちは、なぜ自らの加害性に無自覚なのだろうか。相談現場で接した多くの当事者の声を通して「セクハラをする...
壊れる男たち セクハラはなぜ繰り返されるのか (岩波新書 新赤版)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
男たちはなぜセクハラを繰り返すのか。告発されて「加害者」となった男性たちは、なぜ自らの加害性に無自覚なのだろうか。相談現場で接した多くの当事者の声を通して「セクハラをする男たち」の意識のありようを探る。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- はじめに
- 第1章 「女性相談窓口」に現れる男たち
- 1 男たちが「女性相談窓口」に
- 2 労働相談にも“男性問題”
- 3 「こころの相談」にみる男たちの崩壊
- 4 セクハラで男たちが問われる
- 5 “男性問題”とは何か
著者紹介
金子 雅臣
- 略歴
- 〈金子雅臣〉1943年生まれ。労働ジャーナリスト。東京都勤務で労働相談の仕事に従事する一方、社会派のルポライターとして活躍。セクハラ問題の第一人者。著書に「パワーハラスメントなんでも相談」等。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
ワンパターンの言い訳にうんざり!!げっそり!!
2006/05/30 18:59
15人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「男たちは壊れ始めているのではないかという感じがする」「こうした加害者意識の無い加害者たちの意識を“男性問題”として俎上に挙げない限り問題の本質は見えてこないだろう」そうよ。当然、男が加害者であれば男性問題なのです。
加害者はまず、訴えられるほど相手の女性が傷ついたり、怒りを感じているということが理解できない。相談員に説明を受けたあとでも、「その程度のこと」「目をかけてやったのに」「被害者意識が強い女」「派遣は水商売のような客あしらいが上手にできる人たち」「いやよいやよも好きなうち」。まったく、同じ仕事場の女性に対してこんなふうに捉えているのかと思うとげっそり。
げっそりしたい人、あほな男の見本を見たい方は是非お読みください。
セクハラ男性の特徴は4点。①公私混同。女性側が「仕事の話があるからと誘われたので断れなかった」と言っているのに、加害者は「さぁ、そんなふうに言ったわけでも・・・」と実にあいまい。時には「いくらでも代わりはいる」の脅しもあるため、女性側はなんとか穏便にとお断りを伝えているのに、「彼女が望んでいることは雰囲気でわかった」。②自分勝手な妄想。「他者への共感能力の欠如」。そして、訴えられたことに対して反省するどころか、相手の女性の悪口を連発。(盗人猛々しい)③女性への攻撃性。そして、最後に④逃げる。まぁ、専務やら弁護士が代わりにご苦労さんです。自分で責任取れよ!!
政治家や官僚もそうだよねぇ。日本の借金、あれだけの金額、どうやってこさえたのさ。公私混同が一杯あるねぇ。天下りとかも。「愛国心」を持ち出すって言うのも、セクハラっぽい。「靖国問題」も他国との関係を視野に入れてない。自分勝手な妄想が相当入っているんじゃないかなぁ?女性へのバッシングは石原氏の得意技。「改革」なんて叫ぶのも、自分の失敗を棚に上げるためによそへ転嫁目的の攻撃だったよね。そして無責任。逃げる。政治家や官僚はこの4点、しっかりお持ちですわぁ。
ジェンダーバイヤスフリー。ゆがんだ性差とでも言うのかな。それに捕らわれないで生きましょう!!という呼びかけなんだけど、セクハラ男性は、ゆがみきってますなぁ。下駄を履かせてもらっていた時代には、権力をかさに来て、知らん振りできたのに、今は呼び出されて、言い訳をしなくてはならない。仕事場でもリストラ大流行りだから、あっさり首になったり、お連れ合いさんにばれて離婚されたり、まぁ、散々でお気の毒。でも、その前に被害者はもっと大変だったんだから、自業自得よ。
「ここに来て男達の価値が急速に下落しているように見えるのは、単に男性優遇処置の有効期限が切れ、正当な価値評価がはじまったに過ぎないのだ」「もう一方で気になるのは、すでに触れてきたように自らの抱え込んだ喪失感を他者に転嫁して強引に埋め合わせを求めたり、または弱者に怒りを向けたりすることで、自らの崩壊を食い止めようとする動きである」「まさにこうしたあがきや自分への苛立ちが、最近の自己本位な性犯罪の多発化や、社会的に地位や立場を忘れた痴漢行為やセクハラへの暴走、逸脱のスプリングボードとなっているとは言えないだろうか」一見、関係ないようだけれど、人質三人に対するバッシングも、子どもが被害者の殺人事件もみんな同じ根っこから来ている。格差社会になれば、ますます心に余裕がなくなるけれど、人間として優しさを失わずに生きていく事が大事なんじゃないかな。男性のみなさん、下駄をはかずに素足でのお付き合い。いいもんだよ。
紙の本
労働相談所の係官が綴るセクハラの生々しい実態
2006/03/04 10:26
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブルース - この投稿者のレビュー一覧を見る
セクシュアル・ハラスメント、この舌を噛み切りそうな言葉もセクハラという名称ですっかり日常語として定着して来た。とは言え、一般読者がこの問題について認識を深めようとしても、興味本位で語られたり、逆に急進的なフェミニズムの論客たちによる激しい糾弾に始終する書物が多く、真に読むに足る書物は少ないのが現状である。
本書は、職場のセクハラ問題の相談窓口となっている公的機関の男性係官が執筆しているだけに、その記述は具体的で説得力に富んでいる。
本書の前半では、当事者のプライバシーに配慮しつつ、著者の手がけたケースの中から幾つかの典型的なセクハラの事例が紹介され論じられている。
それによると、セクハラの内容は、一定のパターンがあるようで、会社の上司や雇い主が被害者となる女性の立場の弱みに付け込んで性的な言動を繰り返したり、エスカレートすると性的な関係を迫ったり実際に強引に肉体関係を結び、女性に肉体的・精神的ダメージを与えるというものである。その生々しい実態については、本書で詳しく触れられている。
本書の後半では、セクハラが引き起こされる背景が、当事者の男性側の聞き取り調査を基に論じられている。
それによると、その背景となっているのは、男性側に根強く残る固定的な性役割の観念があるという。つまり、仕事は男性が中心となって行うもので女性はあくまでもその補助、もしくは仕事に疲れた男性に慰安を与えるものだとする考え方である。このようなことは、確かに少し前までは社会通念であったかもしれないが、社会の進展もあって既に受け入れられないものになりつつある。男性側がそのような旧い観念から中々脱却できないところにセクハラが起きる温床があると著者は指摘している。
もう一つのセクハラの背景となっているものとして、社会状況の急激な変化に直面した男性側の心の中の激しい葛藤や虚無感が挙げられている。これまで、男性は終身雇用と年功序列制度に厚く守られていたが、バブル経済崩壊後、職場ではリストラや業績主義の荒波にもまれ、また家庭もかってのような安息の場では無くなっている。そのような熟年男性を取り巻く厳しい状況がセクハラを犯すボーダを低く下げているというのである。
このようなセクハラの背景を見ていくと、この問題は職場を舞台にした密室劇に止まらず、現代日本が抱えている様々なひずみが大きな影を投げかけていることが分かる。本書の「壊れる男たち」というタイトルは、端的にそのことを物語っている。
終章で著者は、セクハラを起こす男性について、「他者の苦しみに鈍感で、他者の立場を分かろうとする共感を欠いている」と述べているが、これは実に重い指摘で、決して他人事ではなく私自身、現代社会を生きる一人として重く受け止めなければならないと思っている。
著者は「あとがき」で、セクハラは現在、女性が被害者となる場合が圧倒的に多いが、これからは社会の多様化に応じて様々なケースが起ることが予想されるとしている。改めてこの問題の根深さと広がりを感じさせられる。
本書は、コンパクトながら、セクハラという深刻な問題に目を向けさせてくれると同時に、現代日本社会が抱える様々な問題を考えさせてくれる優れた社会論ともなっている。
紙の本
あまりに酷いセクハラの実態。だけど…
2006/08/12 12:39
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲベリン - この投稿者のレビュー一覧を見る
本を読んでいて激しい感情に手が震えたことなどほとんどない。だが、この本は読んでいる途中で手の震えが止まらなくなり、読むのを何度も中断せざるを得なかった。ここに書かれているセクハラの実態はあまりに酷い。加害者の被害者に対する行為は言語道断。さらに酷いのは、そんな加害者が自分達がどれほど酷いことをしているのかを全く理解していないことである。「気持ちは分かっていると思っていた」…あ・ん・た・ら・ねー!
しかし、自分の中に同僚や部下の女性に対する同じような気持ちが全くないかと問われると、「お前は会社の女性に対してエロいことを考えたことなどないと本当に言えるのか」と問われると… 我々は聖人ではない。たまには妄想してしまうことだってある。だけど単に妄想するのと、その妄想を実行に移してしまうのとは全く違う。昔は権力を笠に着て男が女に××ということがあったかもしれない。だがもう、そういう時代ではない。…云々。
そう、説得力がないのだ。たとえ実際にはセクハラなどしなくても、妄想のレベルでは我々とて彼ら加害者とどっこいどっこいではないのか。我々にできることは、せめてこの本を読んで、自ら反省し自制すること。それしかないのか?! そこまで思い至って、怒りと惨めさに手の震えが止まらなかった。
だけど、男女雇用機会均等法が改正され、これからは男性に対するセクハラも禁止される。今まで禿とかデブとか陰でこそこそ言ってた皆様。この本の改訂版に載るのは、ひょっとするとあなたたちかも。