親指Ｐの修業時代 新装版 下 （河出文庫）

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一実が身を寄せた見世物一座。そこは様々な性的異端者が居場所を求めて辿り着いた聖域だった。求道的官能の行き着く先は破滅か、それとも再生か。

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上巻の展開と違い、想像できる親指ペニスの使い方を一通り試し終えた下巻はゆったりした流れであるように思えた。一実と映子の愛に新しい愛の感覚、同性愛は人間を愛した結果の呼び名であることを読み取った気もするが、自分が普通でよかったと感じたのは物語に入り込めた証拠だろうか。

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上　から続けざまに一気に読んでしまったあと、
当分の間は　読書　休養期間に入ってしまいました。
呆けてしまって。

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脱構築やフェミニズム批評が革新的であったのに、実際の生活を革新できないのは何故なのだろうか。女性専用車両などの滑稽な縁取りではなく本質的な変革の兆しはあるのだろうか。あるのかもしれない。しかし少なくとも、自分を含め僕のまわりでは依然として性器の神話が機能している。この小説はそういった僕らが当たり前にそこにあるものとして腰を落ち着けているイデオロギーに揺らぎを与える。その衝撃は不安を引き起こす一方、確かな快感を呼び起こす。

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勝手なイメージでもっと鬱々と悩むのかと思っていたのだが、あっけらかんとしているといか、主人公の気の持ちようがあっさり変わったというか、セックスにタブーは無い・気持ちよさを突き詰めようとばかりに話が進んでいって（もちろん主人公悩んでいるのだろうが）物足りない味わいだったが、作者の他の作品もそういえば重みには欠けるということを思い出した。

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「基礎」としている概念が変わるって、普段ありえないことなので
いろんな葛藤が描かれていることをみながら自分ならどうだろうと思うわけで
まぁ、あくまでタダの想像なので、なんともいえないんですけれど。

そんな事を、やっぱり「基礎」の違う異国の地で考えたりしながら
ぼーっと自分の事を思うって最高な時間でした。

まぁ、もうちょっと旅行に適した本にすればよかったとは思いましたが(笑)
最悪捨てて帰らねばならない状態で「とっておきたい本」はつらいですね。
３冊１００円ぐらいが妥当です。

ただ、現地の日本人に分けてあげたりすることが過去にあったのですが、
これは渡せないような気がします(笑)

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著者の思想（性器結合主義の批判）には大いに共感するものの、何かこうナイーブな方向にいってしまうような気がして、そこが・・・。
「愛」（何てはぼったい言葉！）とは表象不可能な何かでしょうよ。たぶん。

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新恋人　春志と、性的に特殊な事情を持つ人々が集まる見せ物一座「フラワー・ショー」に参加した一実。

だが、一実自身は同性である映子に惹かれていき、、、そして―果して親指Pを待ち受ける運命は・・・！？

性の目覚め、しばらくはPの可能性や快楽を追求するのは親指Pに限らず、、、かもしれません。もう、動物か！ってくらいそのことしか考えられないギラついた時期を抜けると、肉欲を切り離したところにある本当の気持ちに気づくとか。

「性の常識を覆し、文学とセクシャリティの関係を変えた」と唱われていますが、下巻はペースダウンというか。

目覚めたら大きな毒虫に変化していたグレゴール・ザムザに比べれば、足の親指の一本程度、靴下や靴でなんなく誤魔化せますが、されど形状はP。一般男性は生まれつきあの奇っ怪な持ち物を所有している。あのようなものが自分についていたならば、、、、持てあますかな。

そもそも何故今頃これを書いているかと言えば、「据え膳食わぬは男の恥」論について考え込んでいるからです。「据え膳食った結果、悪者扱いされた」男性は本当に悪い奴なのかどうか。悪いのはPと、Pの弱みにつけ込もうとする女豹系女子ではないのかね。むむー。

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親友を亡くした女性の右足の親指がある日突然ペニスになってしまう物語の下巻。

セックス見世物一座の巡業に同行することとなった主人公と恋人である盲目の音楽家。しかし、心身ともに相性がいいと思われた恋人との破局が突然訪れます。途方にくれる彼女に気のいい仲間たちが声をかけてくれ、次第に癒されていきますが…。

同性愛、四角関係、性に何らかの奇形があるために心に傷を抱える人々、そしてクライマックスともなる女性をさげすむ極度の男根主義者の脚本家が主催する劇団…。

主人公は「ふつうの」セックスと思い込んでいたものが、社会や環境に刷り込まれた先入観であったことに気づき、自分の願望をはっきりもつようになります。四角関係に陥っても、「どちらも好き」という態度を崩さない彼女に、優柔不断よりも強い意志が感じられ、とてもたくましく好感がもてました（読んでいてハラハラしましたが(笑)）。彼女に釣られるように成長していく周囲の人々も応援したくなります。

あらゆる影響を排除して自分自身に立ち返っていく過程を「修業」と題しているのが興味深いです。とくに現代のような情報化社会では、無意識にいろんな先入観に毒されやすいので、私たちがこの本に共感するところも多いと思います。

自分らしく生きる勇気を与えてくれる感動的な物語でした。

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江戸川乱歩や筒井康隆を彷彿とさせる内容。
ＬＧＢＴって言葉が無い頃に書かれた話としては非常に先進的だったんだろうと思います。勿論親指Ｐという発想事態は現代においても先進的だと思いますが。。。
エピローグの最後の一行が秀逸です。

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エロスのメンターから教わった本。右足の親指がペニスになった女子大生のお話。衝撃的な主題は、なんと小手調べ。親指Pが霞むほどのド変態達による祭典です。超上級者向け。初心者の僕には分からんちんです( ﾟσωﾟ)…

読んでて気持ち悪い本グランプリ優勝作。エロスの道は険しいですね！

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　読み終わって、まさにこの物語は「親指Pの修行時代」を描いていたのだなと思った。凝り固まった男性・女性の身体性への先入観や性愛観を無意識のうちに持ってしまっていることに気付かされたけれど、どちらもとても個人的かつ個性的なことなんだから通念に縛られる必要はない。そのようなことを、全く押しつけがましくなく示してくれた作品だった。

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男と女の感覚の違いだろうか、表現がとても濃厚で読んでいてだんだんぐったりとしてしまった。こんな話どうやって映画化するのだろうか。

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やっぱり最後まで合わなかった…、「だったらなんだ？」感が主人公の行動に常につきまとって、結局彼女やフラワーショーメンバーのやることなすこと全部気に入らず。ただこれは個人の受け取り方次第なので、面白くないというわけでは決してないと思う！どうして本作が90年代最高峰とまで呼ばれるのか、自分の課題としてもう一度考え直そう。