紙の本
一石二鳥以上、ができるかも。
2008/06/15 22:37
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
原油価格が上がる。関係しているさまざまな物価も上がります。電気代もそのひとつ。なんとかしてよ、叫びたくもなりますが、なにかできることを探して状況をプラスに使いたいもの。この本は、よく考えて使用量を減らそう、出来れば楽しく、というコンセプトの本です。愉しく読みながらいろいろ考えを刺激してくれます。
「どうしてそこまで電気でやるの?」という電化製品へ疑問から、「電気じゃなくてもこのぐらいできますよ」という実例までが、作り方や図解付きで載っています。著者は工学の専門家。熱やエネルギーの簡単な原理から説明されているので、説得力があります。たしかにトイレの暖房便座は、電気でなくても座った時に熱が逃げないように材質を工夫すれば普通の人なら大丈夫だと思います。(それに、駅などの公共施設では、時々熱すぎるほどのところがありません?) 体が不自由だったりして、どうしても必要な人は生活を助ける電気製品を使えばよいのです。でも、健康な普通の人はもう少し使い方を考えられるはず。読み始めるとどんどん考えが広がりはじめました。便利な機械のおかげで運動しなくなり、運動するためにさらに便利な機械を購入する、・・って、なんか変、とか。
「エコだから」と最新技術の電化装置に切り換えても、それを作るのに、そして古いものを廃棄するのに余計なエネルギーを使っていないか、も考えなくてはいけないと思います。ここに掲載されている「非電化冷蔵庫」や「非電化冷暖房の家」は熱の伝達を上手く誘導したりして、難しい技術や装置は使わないでできる、というのもよいところ。
ちゃんと知識を使って電力消費も減らし、自分の体も動かせば健康にも役立つ。それもちょっと「愉しみながら」、となれば一石二鳥以上。そんな風に思わせるこの本自体が、なんだかすごく効率のいい本に思えました。
いろんな人に是非読んで欲しいです。少なくとも、「どうしてそこまで電気でやるの?」ともっと考えても、損は無いはず。価格の問題ではなく環境のための省エネ、ということに対しては「温暖化と炭酸ガスの増加に関係はない」という意見があるのも確かです。でも、「関係がある」のならとにかく発生を減らさなくてはならないでしょうし、関係なくても、減らしたっていいじゃないですか、そのことで別の形の楽しい生活が見つかるかもしれないですし。電力生産、使用を減らすことで困ってしまう企業とかはあるかもしれませんけれどね。
この本は「おはようからおやすみまでの科学」で紹介されていたものです。電気だけでなく、科学全般についての生活の中での意味を考える本として、こちらもお勧めです。
それぞれの章のはじめに詩のような言葉がついていますが、これがまた、曲をつけて広まってくれたらそれも愉しいかも、と思わせるたのしいものです。。ひとつだけ、第一章のものを引用しておきます。
ひとが 電気を うみだした
電気が 便利を うみだした
便利が 肥満を うみだした
そうか ・・・ 電気を へらそう
ひとが 電気を ふやした
電気が CO2を ふやした
CO2が やっかいを ふやした
そうか ・・・ 電気を へらそう
でも ・・・
電気を へらすと 便利が へるぞ
便利を へらすと 時間が へるぞ
時間を へらすと お金が へるぞ
お金を へらすと 幸せが へるぞ
・・・ ほんとかな?
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06年6月。電気にどっぷり浸かった日常生活を見つめ直すきっかけに。『不都合な真実』はもう(一応)知ってしまったので、あとは実践しないといけないのですが、本書で提示する、「強力な電化製品は必要な時のみ使用、普段は非電化製品のような日常の工夫と知恵でのりきる」という生活方法はヒントになりました。
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雪国で電気冷蔵庫? 畳や床に電気掃除機? 洗剤を落とす電気洗濯機? 快適・便利を求め、チグハグな電化生活を邁進する人類は、失うものの大きさを秤にかけながらゆっくりと得ていく知性を忘れてしまった。モンゴルなど自然共生型の国々を訪れ、発明家として活躍する著者大公開の非電化商品は愉しいものばかり! ホドホドの快適・便利に、新しい豊かさが詰まっている。(S)
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とっても愉しい本なのですが、、プレゼンが残念なのでつ、、って言うか編集が、、! 宝島社とか ダイアモンド出版とか、、もっと 俗っぽい(!)出版社から出していたら 10倍以上売れていたと思いまする、、本屋さんでの扱いも、、専門書みたいな、、分かりにくいところにありますた、、少なくとも 丸の内のマルゼンには、
残念で仕方がありませぬ、、!
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地球温暖化阻止に大きな役割を果たす、個人家庭での節電。電気依存から不便さを感じさせない程度に脱却していく道具論。
私も早速、非電気掃除機(ホーキ&チリトリ)、非電気炊飯器(圧力鍋)を活用しています。
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発明家で、「こんなものまで非電化?」っていうものまで何でも作ってしまう藤村さん。
ガスを使い圧力鍋でごはんを炊くと、電気の炊飯器の1/20のエネルギーですみます。すごいですね。
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帯表
えっ?電気も化学物質も使わない電化製品がある!?
ホドホドの快適・便利だけど、環境にも健康にもよい非電化製品だから、生活のプロセスが愉しくなる!
帯裏
「貧しい昔」に戻るのではなく、「新しい豊かさ」を愉しむための非電化製品を大公開!
冷蔵庫、掃除機、洗濯機、冷暖房、除湿器、消臭器、換気装置、照明、ラジオ、時計、温度計、珈琲焙煎器、シェーバー、ソーラークッカー、ソーラー乾燥機、温水器、野菜貯蔵庫、etc...
本書は、洋泉社MOOK・シリーズStartLines5・エコライフ&スローライフを実現する愉しい非電化(2004年6月8日初版発行)を増補・改訂し、書籍化したものです。
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・薪ストーブと日本の森林の新陳代謝
・非電化冷蔵庫
・圧力鍋で米を炊く
・葉山の非電化工房アトリエ
・津山の非電化住宅
・モンゴル・ナイジェリア
・電化では出来ない事が非電化では出来る
・ホドホド快適・便利
・ローカル化 × 非電化でグローバルに生きる
・いいことをビジネスにする
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どんな怪しい非電化製品かと思ったら 愉しく真面目な本でした。生活することが楽しくなりそうです。欲しい~!
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電気を使うことで大きなエネルギーロスを産んでいる。
便利になった反面失われていくものも多い。
だから電気を使わない生活を愉しもう。
太陽熱温水器を改めて見直したり、圧力鍋の多用を推奨したり、掃除機、洗濯機まで非電化する案を挙げている。
冷蔵庫や冷暖房の非電化など、まずは発展途上国で広めるのが良いという著者。
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「快適・便利を得ることは何かを失うこと、と認識する知性は見事に忘れ去られている。失ったものの大きさを社会が認識するのは取り返しが付かないくらい失った後のことである。」と著者が5年前に語っています。失いかけている今、私たちが何に気づき、どう動くのかが問われている・・・。すっかり忘れて便利を享受しまくっていた私は、これからどうしたらいいのでしょうか。わーん(T T)。
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愉しい!!
エコは我慢ではなく、愉しいものになりそう。
是非、義務教育でこういうこと、教えてほしいなぁ。
掃除機は、エネルギー効率2000万分の1だそうです。
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貧しい昔に戻るのではなく、新しい豊かさを愉しむ。
20世紀型の先進・科学的選択肢と、
21世紀型のスローテンポ・自然応用的選択肢を、
自身の生活に引き込みながら上手に選択する。
利用する側のセンスが問われる生き方。
儲かることで仕事する選択と
役に立つ、喜ばれる事で仕事する選択。
食べんるために仕事すると、言いつつ、
なに一つ食料を生産しない自身に疑問すら持たなかった事に気付く。
豊かさを今一度自身の言葉で定義する。
愉しさを今一度自身の感性で感得する。
手っ取り早くを、物差しにすると、
人生は、思うほど豊かにならない様だ。
自身の持てる時間を豊かに。
自身に縁する友情を大切に。
できれば、一人でも多くの人が私と同じか、それ以上に笑顔に満ちるように。
欲張れば、その笑顔に浴する縁が広がるように。
選択肢が増えること、
閃きが人を豊かにし、
私の去ったあとの時も豊かであったなら、
産まれ生きた意味があったと、
満足できる事だろう…
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面白い。電気掃除機の効率を計算してます。2000万分の1。今の電化製品の非効率を指摘し、次の章で非電化製品を紹介しています。時計はねじまき式にし、箒で掃除しロウソクの灯りで入浴、薪ストーブで暖をとる。別荘生活みたいで素敵です。
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藤村靖之という発明家が、電気をほとんど使わない非電化製品を開発している。
この本が2006年に発売されているので、見直されて、現在定着しつつあるものもある。
発明品でも、現在購入できるモノもある。
この藤村先生という方は、非電化でエアコンを作っている。
その原理は、空気の温度差を活用した循環システム。
この本の最後の章「非電化の意味論」に書かれてる
「愛着があって捨てたくなくなる商品」
「壊れても直せば長く使える商品」
「捨てても土に戻る商品」
これが、本当に今の世界には必要だと思った。