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- カテゴリ:幼児 小学生
- 発行年月:2006.5
- 出版社: ほるぷ出版
- サイズ:29cm/48p
- 利用対象:幼児 小学生
- ISBN:978-4-593-50449-7
紙の本
アンジェロ
アンジェロじいさんのしごとは、古い教会の壁をぬりかえ、彫刻にあたらしい命をふきこむこと。ある日、仕事中によわったハトを見つけ、しかたなく家につれかえって手当てをした。はじ...
アンジェロ
紙の本 |
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商品説明
アンジェロじいさんのしごとは、古い教会の壁をぬりかえ、彫刻にあたらしい命をふきこむこと。ある日、仕事中によわったハトを見つけ、しかたなく家につれかえって手当てをした。はじめはぶつぶつ文句をいっていたのに、やがて大の仲良しになって…。別れをつげる最後の瞬間まで相手を思いやる、アンジェロじいさんとハトとの心あたたまる交流。さりげなく、さわやかに死を描いた絵本。【「BOOK」データベースの商品解説】
おれがいなくなったら、おまえはどうする? おまえのことが、心配だよ…。仕事に誇りをもち、仲間を愛し、別れの最後の瞬間まで相手を思いやるアンジェロじいさんとハトの交流。さわやかに死を描いた、心あたたまる絵本。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
デビッド・マコーレイ
- 略歴
- 〈デビッド・マコーレイ〉1946年イギリス生まれ。11歳の時に家族とともにアメリカに渡る。73年に発表した最初の作品「カテドラル」でコルデコット賞銀賞を受賞。91年には同賞金賞を受賞。
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紙の本
相手を思いやる心。
2006/07/27 00:06
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求羅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
死ぬことは、悲しい。
死んで愛するものと別れることは、もっと悲しい。
自分が死んだ後に残されたものの将来を考えると、悲しさは募る。
本当に相手の幸せを願うとは、どういうことなのか。本書は、老人とハトの出会いと別れを通して、相手を思いやる心の美しさを描いている。
壁ぬり職人の老人・アンジェロは、修復中の教会で傷ついた一羽のハトを見つけ、家に連れて帰って手当てをする。初めのうちは、文句を言いながら世話をしていたのに、次第に情が移り始め、アンジェロとハトは強い絆で結ばれていく。
読者は、読み進めていくうちに、アンジェロに死が忍び寄っていることに、否応なく気づかされる。そして、アンジェロとハトに別れの日が迫っていることにも—。
本来なら悲しい物語なのに、この作品は終始淡々と描かれ、決して暗く沈んだ雰囲気にはならない。飄々としたアンジェロの語り口や、ユーモラスなハトの振る舞いが、作品を明るく仕上げている理由ではあるだろう。
しかし何よりも、アンジェロとハトのお互いを思いやる気持ちが、この作品をあたたかく爽やかな物語に仕上げているのだ。ラストに明かされる、アンジェロが知恵を絞って考えたハトへの贈り物に、心打たれた。それは、アンジェロとハトの絆の象徴であり、相手の幸せを願う心そのものなのだ。
“死”を重く、悲しく描くことはたやすい。けれど、本書のように明るく描きながらすがすがしい感動を与えてくれる作品は、得がたいものなのではないだろうか。