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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2006.6
- 出版社: 法政大学出版局
- サイズ:20cm/503,9p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-588-00848-X
- 国内送料無料
紙の本
悪の記憶・善の誘惑 20世紀から何を学ぶか (叢書・ウニベルシタス)
20世紀の悲劇の源となったナチズムと共産主義。このふたつの全体主義に共通する科学万能・ユートピア思考が善悪二元論による排外主義に帰結した経緯を辿りつつ、批判的ヒューマニズ...
悪の記憶・善の誘惑 20世紀から何を学ぶか (叢書・ウニベルシタス)
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商品説明
20世紀の悲劇の源となったナチズムと共産主義。このふたつの全体主義に共通する科学万能・ユートピア思考が善悪二元論による排外主義に帰結した経緯を辿りつつ、批判的ヒューマニズムを貫いた人々に未来への可能性を探る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ツヴェタン・トドロフ
- 略歴
- 〈ツヴェタン・トドロフ〉1939年ブルガリア生まれ。構造主義的文学批評の先駆をなす。91年「歴史のモラル」でルソー賞を受賞。国立科学研究所(CNRS)の芸術・言語研究センターで指導的立場にある。
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紙の本
全体主義と民主主義を比較しながら人間がその本質として有する悪と善に関する論考
2016/10/05 20:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぶんチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
言語学者としての緻密な論理的言説によって、20世紀が有した極めて広範で多様な問題を扱い明晰に論じている。その中で、民主主義の有する様々な理論的・現実的弊害についても議論しながら、全体主義の目撃者である次の6人の活動、ならびに彼らの作品の中で扱われた悪と善に関する考察を解釈し記録している。
ワシーリー・グロスマン、マルガレーテ・ブーバー=ノイマン、ダヴィッド・ルーセ、プリーモ・レーヴィ、ロマン・ガリ、ジェルメーヌ・ティヨン
彼らはいづれもユダヤ人としての故なき迫害(ソビエトとナチスの強制収容所への収容も含まれる)を被りながら、人間が悪を実現する存在であることを“正しく”認識し、それと同時に、 “人間は素朴な意味における善を行い、それを具体的かつ個人的アイデンティティにおいて受け入れ、人間であることを行動の究極の目的として、他者を愛おしむものである”と捉えた。
そして我々がなすべきことは、“人間は限りない悪と限りない善の間のグラデーションである”ことの意味の本質を、多くの事実に基づいて認識し記憶し続けることであり、それによって他者との関係性において、またわれわれ自身の中において、善へと誘惑され導かれ、 “20世紀に生まれた全体主義という悪に蹂躙された過去は記憶しなければならず、それにより善とは何かを認識し、善を実行することの重要性が導かれていく”とする。
本の構成は次の通り。
「プロローグ―世紀末」、「1 世紀病」、「ワシーリー・グロスマンの世紀」、「2 比較」、「マルガレーテ・ブーバー=ノイマンの世紀」、「3 過去の保存」、「ダヴィッド・ルーセの世紀」、「4 記憶の用法」、「プリーモ・レーヴィの世紀」、「5 現在における過去」、「ロマン・ガリの世紀」、「6 民主主義の危機」、「ジェルメーヌ・ティヨンの世紀」、「エピローグ―世紀の始まり」