仮面幻双曲 （小学館ミステリー２１）

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横溝の雰囲気をなぞっているような感がある。舞台が地方のせいか、全体的にのほほんとした印象。これといった山場もなく、きりりと引き締まるシーンも見当たらない。が、読書そのものはさくさくと進む。筆致は真面目だが、描写がなおざりであっさりし過ぎている。シンプルと言えば聞こえはいいが、事実だけを淡々と綴っているようで面白味がない。心理描写がその役割を果たしていないので、真犯人の動機が判明しても、ただぽかんとするだけ。トリックに対するスタンスには感心した。思いきったネタを巧く組み合わせてある。プロットをきちんと練り上げ、そこから外れることなく、最大限活かせるようにストーリーを作ってある。しかし、簡素な描写のせいで、私と物語の間に壁が出来てしまったので、探偵役が熱弁をふるって真相を述べたところでいまいち盛り上がらない。それでも、全体的に好印象だったし、久々に面白い本格ミステリを読んだ気がする。今後の作品に期待。

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中学生向けに書き直した乱歩もどきって感じ。表面だけの文章は飽きるし展開も読めてしまう。ミステリーとしては致命的じゃないか？さわりの部分で犯人分かっちゃったしな。

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双子の弟から兄への殺人予告。
しかし弟は整形し、整形した外科医も殺され整形後の顔はどんな顔になっているのか誰も分からない。
もしかして兄の近くの誰かに成りすましているのではないか・・。そんな中、兄が殺され・・。
犯人は予想通りの人物でしたが、事件の真相には驚きました。

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「仮面幻双曲」大山誠一郎：小学館

大富豪の旧家を舞台に起こる連続殺人事件。
一卵性の双子が当主になると栄えると
言い伝えられていた旧家で起こる殺人事件。
容疑者の双子の弟は整形によって顔を替え
被害者の側に潜伏していた？
兄妹探偵の推理が浮かび上がらせる真相とは。
時代がかった舞台設定や
入れ替わりトリックにも工夫を凝らしている。
が、なんだか謎解き部分にカタルシスを感じられない。
古式ゆかしい方法論に忠実な中に工夫もは有るんだけど…
なんででしょ。

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発想の転換というか、これはやられた！　見事に先入観というものに邪魔をされた印象でした。最初っから二重三重の思い込みに囚われましたね。かなり目新しい○○トリックでした。
しかし一番犯人に対して腹が立つのは、動機部分の捏造かな。これは酷いよなあ。

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終戦を迎え、徐々に復興の道を歩き始めた日本。若き探偵、川宮兄妹は一件の依頼を受け、双竜町の駅へと降り立った。双子の弟に命を狙われているというのだ。整形した医師を殺し、整形後の写真を持ち去った為、どのような顔になっているかは、分からないらしい。

部屋の前で寝ずの番をするも依頼者は殺害されてしまう。次いで、犯人と疑われた人物も死体なり発見される。



なんか、え～・・って感じの読み心地でした。トリックも反則だよなみたいな。

以降、ねたばれ含みます。

一番引っかかったのがそれ無理だろう、な運搬方法。崖下の死体を動かすトリックが、「この方法なら力の無い女性でもできます」なのに、その前で、その犯人の女性一人で、車のトランクに死体入れてるんですけど？確か一人で運ぶのが無理なのでトリック使ってんですよね？？それに、そんな短時間じゃ無理だろ　な犯行ばっかりなんですが・・。

あと、探偵のお兄さん！「普段は頼りなさげだけど、本当は切れ者」の演出なんだけど、頼りないとこしか伝わってこないから・・・

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喧嘩別れをした双子の兄・占部文彦と弟・武彦。
一年後、弟から兄の元へ新聞の切り抜きが届く。内容は弟が整形で顔を変え、その医師を殺害したというものだった。
弟が自分を殺しにくると思った文彦は私立探偵の川宮圭介、奈緒子兄妹に身辺警護を依頼するが・・・。
武彦は一体誰になったのか？その殺人の目的は？

大山さん待望の最新作。長編は初ですね～。
さすが、双子のトリックには驚きでした！これまでに使われたことのないトリックでは？
時代設定は昭和２１年。戦後の混乱している時代でしか成立しえないようなトリックでしたが、古きよき探偵小説といった世界で堪能しました。

でもちょっと物足りない。期待しすぎていたかなぁ。
横溝作品を愛読していたもので、犯人と結末が想像できてしまったのが哀しかったです。
それにその時代の雰囲気というものがあまり感じられませんでしたし。

それでも今年の大本命。おそらくあちこちのベスト１０に名を連ねることでしょう。
次回作も期待しています！

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戦後すぐが舞台なのはめずらしいかも。軽いタッチの横溝とか乱歩とかのイメージかな。かなり読みやすくはありました。

がんばってトリックを想像しながら読んでみた。
けっこう近づけたけど、かなりいろいろ伏線を見落としてた。
あれに気づけなかったのはくやしいなー。

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双子の兄のもとへ届いた弟からの殺人予告状。ボディーガードを依頼された川宮兄妹が寝ずの番に就くのだが……。
大胆な仕掛け、緻密なロジック、巧妙な伏線、と謎解きとしては一級品だけど小説としては面白味にかける気が……。大山さんの作品は短編のほうが好みかな。

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　双子の弟から兄への殺人予告。そして兄は殺された。犯人は弟なのか？しかし弟には整形しているかもしれないという疑惑があって、、、、、。　物語の舞台は終戦後間もなくの昭和22年だし、血族間の愛憎…となるとどうしても横溝ワールドを思わせるのだけど、正直、文章に魅力がなくて「誰が弟なのか？」その興味だけで読んでいたら、、、解決編である五の奏を読んで、思わず佇まいを正したほど、ビックリ仰天しちゃいました。　この双子のトリックはすっごーーーい！　魅力を感じず、何気に読み飛ばしていた部分に緻密に伏線が張られていたこと、それがもれなく回収されていたことにも驚きました（何で気づかなかったのかと反省）。それまで無味乾燥だった物語が、一気に極彩色の色つきへと劇的に変化しちゃった感じ。ま、そう感じるのは最初だけで、段々と粗が見えてくるんですけどね。強引すぎるほど強引で、現実的に実現可能なのかどうか、疑問が残ります。　作者はきっと“トリックがまずありき”の本格至上主義なんでしょうね。これでも少し作品の見栄えにも配慮してくれれば、エンタメ作品としても楽しめるのに、、、って、この作品は川宮圭介＆奈緒子の探偵兄妹シリーズとしてシリーズ化を意識してるのかしら？ちょっと次回作が楽しみです。　（2006.8.10読了）

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双子の兄と対立した卜部武彦。成形した医者・増尾を殺害しカルテを処分。誰に変装したのか。武彦からの脅迫状を受け取った兄の文彦。文彦の伯母・貴和子からの依頼で護衛についた探偵の川宮圭介と奈緒子兄妹。二人が部屋の前で護衛に付く中殺害された文彦。文彦の元に借金を申し込みに来た立花守が武彦かと疑われたが・・・。殺害された立花。武彦の正体は？

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この作品は双子がメインテーマで、双子の1人が顔を変えて知人になりすまして、双子のもう一人を殺すという内容です。いったい誰になりすましているのか…。いったいどんなトリックで読者を翻弄するのか…

それなりに真相に近付けたので、良い読了感を得る事が出来ました。大山作品(本作も)はパズル問題的に読む事が出来るので、個人的には頭を使いたいときにお勧めです。呑んだ後の電車ではお勧めできません。

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ある意味では、まっとうな系譜の本格探偵小説です。兄妹の探偵は過去にも様々描かれているが、物語の必然性に関与する重みがあるのが本作品のアンダーですね。正統派本格派の面白味を味あわせてくれました。

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発想はすっごくいいと思うんだけどなあ。
ちょっと無理のありすぎるラストと、盛り上げ方がイマイチうまくない。
同じ話をたとえば綾辻行人が書いたら、僕は絶賛していたかも。