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紙の本
「無言館」にいらっしゃい (ちくまプリマー新書)
著者 窪島 誠一郎 (著)
何も語らないけど、たくさんの言葉があふれている。長野県上田市にある「無言館」は、そんな美術館です。油絵、水彩画、デッサンなど戦没画学生たちが描き、残した絵が、静かに、生き...
「無言館」にいらっしゃい (ちくまプリマー新書)
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商品説明
何も語らないけど、たくさんの言葉があふれている。長野県上田市にある「無言館」は、そんな美術館です。油絵、水彩画、デッサンなど戦没画学生たちが描き、残した絵が、静かに、生き生きと私たちの心に迫ってきます。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 一 「無言館」ってどんな美術館?
- 二 戦争で死んじゃった画学生たち
- 三 画学生の描いた絵ってどんな絵?
- 四 画学生が伝えたかったこと
- 五 なぜ、戦争に行ったの?
- 六 人間には命が二つある
- 七 だから、命は大切なんだ
- 八 何のために勉強するの?
- 九 戦没画学生って超カッコイイ!
- 十 戦争はどうして起こるの?
著者紹介
窪島 誠一郎
- 略歴
- 〈窪島誠一郎〉1941年東京生まれ。97年、戦没画学生慰霊美術館「無言館」を設立。第53回菊池寛賞受賞。「「無言館」ものがたり」で第46回産経児童出版文化賞受賞。その他の著書に「父への手紙」等。
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戦争に迫られた人間の思いを青少年に知らしめる
2006/09/03 21:31
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この新書の「プリマー」シリーズは、初心者向けという意味だそうである。そうとは知らずに読み終えた。もちろん、語り口は青少年を対称にしているので、丁寧で分かりやすさを心がけているようだ。初心者、青少年ならずとも分かりやすさを狙いに読んでみてもよいと思う。
窪島誠一郎氏は、知る人ぞ知る有名人で、最近はよくテレビでも見かけるようになった。とくに、無言館の館主として、館のPRに努めているようだ。私は無言館に隣接する姉妹館的な存在である、信濃デッサン館に赴いたことがある。どちらも信州上田から南に広がる塩田平の山麓にある。大変環境の良いところであった。
信濃デッサン館が夭折の画家の絵を集めたのに対して、無言館は戦没画学生の作品が展示されており、窪島氏が遺族に依頼して絵を集め、展示しているそうだ。絵のテーマは平凡なのだが、戦地へ赴く僅かの間に書き上げた作品ばかりだそうである。
窪島氏が若い読者に語りかけるような調子で書かれている。戦争を知らない青少年に対して、戦地へ赴く直前に画学生がどのような気持ちで描いたかを繰り返し述べている。戦後60年以上もたって、戦争を知らないだけでなく、知識としても戦時中の苦しみについてほとんどない持ち合わせていない青少年は、これをどのように捉えるのであろうか。
実際に無言館を訪れ、戦没画学生の絵を見て、どのような感想を抱くのであろうか。何の予備知識も持たずに見ても、単なる美術学校の学生の描いた絵としか見ないのか、あるいは何かしら訴えるものを感じるのか。絵画に限らず芸術作品の鑑賞をする場合には、予備知識はあった方がよい。
そういう意味では、本書は無言館のPRでもあるけれど、やや風呂敷を広げるならば、戦争を知るという現代の青少年に求められている要求を懸命に満たそうという著者の意気込みそのものだと思うのである。
ぜひ、一度無言館を訪れてみたいものである。