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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2006.8
- 出版社: 小学館
- サイズ:20cm/255p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-09-389224-5
読割 50
紙の本
気高く、強く、美しくあれ 日本の復活は憲法改正からはじまる
著者 櫻井 よしこ (著)
GHQ占領下の公布から60年、日本人自身による憲法改正をここに発議する! 櫻井よしこによる憲法改正草案の「ザ・決定版」。『SAPIO』に10回にわたり連載した「憲法改正を...
気高く、強く、美しくあれ 日本の復活は憲法改正からはじまる
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商品説明
GHQ占領下の公布から60年、日本人自身による憲法改正をここに発議する! 櫻井よしこによる憲法改正草案の「ザ・決定版」。『SAPIO』に10回にわたり連載した「憲法改正を発議する」を大幅に加筆修正。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
櫻井 よしこ
- 略歴
- 〈櫻井よしこ〉ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業。ジャーナリスト。「エイズ犯罪・血友病患者の悲劇」で第26回大宅壮一ノンフィクション賞、「日本の危機」等の言論活動で第46回菊池寛賞受賞。
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紙の本
9条は戦争の磁石に等しい
2006/10/11 14:05
18人中、18人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、入閣が噂されていた櫻井よしこ氏。その見識の広さは信用に値する。その櫻井氏が、いま護憲本で溢れかえるなか、改憲論の不可欠性を強く訴えるのが本書である。
憲法9条があるから日本が平和だという話がある。そして愛する人を守るために9条護持という社民党のキャッチコピーもけたたましい。しかし、それが誤りであることは本書からも明らかであるし、安全保障や国際政治(国連というのがいかに汚い利益調整の場であるかも含めて)をちょっと勉強すれば気付く。
まず、櫻井氏が指摘するのは、中国の存在である。中国の不透明な軍事予算は、爆増の一途を辿り、既に日本を抜いている。それはなんのためか?。装備増強の内容をみれば、明らかに海洋国家としての増強である。
中国は、既に「沖縄主権未確定論」を御用学者や新聞を通して国際社会へアピールしている。琉球は中国領であるというのがその意図するところだ。日高レポートにもあるとおり、中国は本気で沖縄を狙っている。なぜなら、そこには地下資源が眠っているから。
我々は気付かぬうちに大損をこいているわけである。試算によれば、尖閣周辺には700万バレルの石油があり、北海油田を越える埋蔵量で、これは何百兆円にも相当する。これをそのまま中国に献上せざるをえなくなっている。なぜなら、日本には海上警備行動に際して9条のせいで実際行動はできないから。中国はそれを承知でやりたい放題やっているのだ。これで少なくとも、9条があって平和とはいえないことは実証される。領土領海の次は国民の命である。これを犯された以上、もはや日本は平和ではない。
本書にもあるが、米中の東アジア戦力バランスは2020年初頭に米中逆転する。そのとき、アメリカは覇権を諦め、撤退することも特に民主党政権ならありうる。もともと米民主党は中国の賄賂戦略で中国べったりなのだ。そのとき、日本は四囲を中露朝韓核保有国に包囲される。しかも、アメリカの核の傘すらない。安全保障上最も戦争がおきやすい「戦力の大不均衡」である。このとき、つまり米軍という盾がない状態で9条改正など言おうものなら、間違いなく中(あるいは露も)朝韓は許さないし、軍備増強なら中国は核の恫喝を開始する。
これで、愛する人を守れるのか。愛する人が倒れるのは、日本が打って出る場合だけではない。打って出るなら男だけが死ぬが、攻めて来られた場合には女子供も死ぬ。そして、現在の自衛隊は最新鋭だが、戦力としては全く最弱である。敵地攻撃力はゼロ。戦闘機はすぐに燃料空っぽ。
米国との同盟が磐石で、なおかつ自民党が多数派で、しかもまだ中国が弱体な今の内に9条だけは取り除かないと、日本は世界で生きることができない。今は、石油輸出から諜報までなにからアメリカ無しには1人で立てないのが日本なのだ。米国との衝突を避けるためにICBMは作らず、中露に対する核全段発射体制以外、戦力均衡の手段はいまのところ日本にはない。世界で最も均衡が崩れているのは、平和ボケしている内に、日本になってしまった。
9条の精神には大賛成である。しかし、これは一国だけが持つ時無責任な凶器に成り果てる。何故なら、今もし米国が9条を仮に持ってしまったら、必ず中国ロシアなどが覇権者となる。一国だけだとかえって軍事覇権を誕生させてしまい、虐殺弾圧の温床になる。だから、9条は5理事国が全会一致の国際条約でのみしか存在してはいけないのである。
9条改正が本書の要諦だが、他にも、政教分離と公明党、過剰な人権擁護への警鐘(朝鮮総連と公明党が推す人権擁護法案が的だろう)と、およそ憲法問題全般に詳しい。9条護持だけを訴える共産社民らと違い、憲法全体を国際情勢と日本の針路を予測して有機的に論じられる人は櫻井氏を含め数名しかおらず、本書はなかなか貴重であると思われる。