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- カテゴリ:小学生 中学生
- 発行年月:2006.9
- 出版社: 理論社
- サイズ:19cm/333p
- 利用対象:小学生 中学生
- ISBN:4-652-07789-0
紙の本
かかしと召し使い
勇敢でジェントルマンで鳥にもくわしい。仕事は—かかし。それがぼくの主人です。少年と“かかし卿”の迷コンビがくりひろげる不思議な旅。心にコツンと響くハートウォーミングストー...
かかしと召し使い
紙の本 |
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- 税込価格:19,910円(181pt)
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商品説明
勇敢でジェントルマンで鳥にもくわしい。仕事は—かかし。それがぼくの主人です。少年と“かかし卿”の迷コンビがくりひろげる不思議な旅。心にコツンと響くハートウォーミングストーリー。【「BOOK」データベースの商品解説】
【ネスレ子どもの本賞(2005年度)】勇敢でジェントルマンで鳥にもくわしい。仕事は、かかし。それが僕の人生です! 自分に自信を持ち気高い心を持つかかしと、召し使いになった少年がくりひろげる不思議な旅。心にコツンと響くハートウォーミングストーリー。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
フィリップ・プルマン
- 略歴
- 〈フィリップ・プルマン〉1946年イギリス生まれ。オックスフォード大学卒業後、英文学の講師をしながら小説や戯曲を執筆。「ライラの冒険」シリーズの「黄金の羅針盤」でカーネギー賞とガーディアン賞を受賞。
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紙の本
もしかしてセルバンテスの名作の前にこれを読んじゃうと、子どもさんは将来『ドン・キホーテ』を楽しめないかも・・・なんて心配をしてしまいます。さすが、プルマン
2006/11/11 22:33
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、世間一般の評価はともかかく、我が家で人気があるのはフィリップ・プルマンのライラの冒険シリーズです。特に長女は、高校卒業を迎える今になっても『黄金の羅針盤』三部作の話を、思いついたようにします。次女は、ハリー・ポッターがやはり中心にありますが、それでもライラが嫌いではありません。そういえば、家族で『ぼく、ネズミだったの!−もう一つのシンデレラ物語』も読んで、皆で肯いた記憶があります。そのプルマンの久しぶりの新作は・・・
カバー折り返しの言葉は
「若者よ、わたしとともに世界中をまわるのだ。
ときに食べものに不自由することはあるかもしれないが、
冒険に不自由することは決してないだろう !」
装丁は坂川栄治+田中久子(坂川事務所)、編集協力はリテラルリンク、Cover/Inside Illustrations by Peter Bailey だそうです。
お話というのは、雷に撃たれたことで目覚めた(といっていいのでしょうか、ともかく生をうけた)かかし卿が、ぬかるみに足をとられて困っていた時、助けてくれたジャック少年とともに、旅をしながらかかし卿が所有する権利を受け継いだスプリング谷を、悪人の手から奪い返すまでの道中を面白おかしく描くものです。
構造としては簡単なオハナシですが、彼等二人を追うものがいて、しかも、このかかし卿ときたら世間知らずの頓珍漢で、何かと云うと部品を駄目にしては、ジャックの手でそれを新しくしてもらうといった体たらく。そそっかしい上に軽率で短気、それを少年が上手くつくろっていきます。しかも恋もあるのですから、まさにドン・キホーテとサンチョ・パンサです。
お話はシンプルなので読んでもらうとして、まず主な登場人物を書いておけば
かかし卿 :スプリング谷の相続者。鳥払いの専門家
ジャック :かかし卿の召し使いとなる少年
ジョバンニ・ブッファローニ:大企業ブッファローニ紹介の主
チェルコレッリ :ブッファローニ家の弁護士。かかし卿を追う
バンドルフォじいさん : スプリング谷の所有者。かかしを作った男。名家ブッファローニ一族の変わり者
くらいでいいでしょう。構成は全16章。各タイトルを書いておけば
1 雷
2 山賊
3 炉ばたのはなし
4 旅まわりの一座
5 かかし、雇われる
6 セレナーデ
7 魔法馬車
8 連隊の誇り
9 戦い
10 無人島
11 招待
12 総会
13 巡回裁判
14 思いがけない証人
15 シロアリ殺人事件
16 スプリング谷
訳者あとがき
となります。訳はひとみさんの父上として有名になった金原瑞人。ちなみに、大森・豊崎の両氏が『文学賞メッタ斬り!リターンズ』であまりにひとみ作品を褒めるものですから、渋々腰を上げて読み始めたのですが50頁も読まないうちに耐えられなくなって断念。うーむ、私にはお父上のレベルがぴったりということでしょうか。
それはさておき、『黄金の羅針盤』ほどの深み、『ぼく、ネズミだったの! もう一つのシンデレラ物語』の意外性はありませんが、年齢の差なく誰もが楽しめる一冊ではあるでしょう。それにラストの法廷劇は、『ぼく、ネズミ』の一場面を思い出させ、プルマンはミステリファンではないのかと思ったりもします。涙絡みの感動はありませんが、読書の楽しさを教えてくれる一冊といえるでしょう。