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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2006.10
- 出版社: 朝日新聞社
- サイズ:20cm/368p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-02-250234-7
紙の本
パパとムスメの7日間
著者 五十嵐 貴久 (著)
イマドキの女子高生・小梅16歳と、冴えないサラリーマンのパパ47歳。ある日突然、「大キライなパパ」と「最愛の娘」の人格が入れ替わってしまったら?ドキドキの青春あり、ハラハ...
パパとムスメの7日間
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商品説明
イマドキの女子高生・小梅16歳と、冴えないサラリーマンのパパ47歳。ある日突然、「大キライなパパ」と「最愛の娘」の人格が入れ替わってしまったら?ドキドキの青春あり、ハラハラのサラリーマン人生あり。ハートウォーミングな家族愛を描いた笑いと涙のノンストップ・エンターテインメント長編。【「BOOK」データベースの商品解説】
イマドキの女子高生・小梅16歳と、冴えないサラリーマンのパパ47歳。大地震をきっかけに、2人の人格が入れ替わってしまった! ハートウォーミングな家族愛を描いた、笑いと涙のノンストップ・エンターテインメント長編。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
五十嵐 貴久
- 略歴
- 〈五十嵐貴久〉1961年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。出版社に入社。02年「リカ」でホラーサスペンス大賞を受賞しデビュー。著書に「1985年の奇跡」「Fake」「TVJ」など。
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紙の本
年頃の娘を持たないサラリーマンの方にも読んでもらいたい痛快ファンタジー。
2006/11/09 00:58
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
娘を持つ父親なら誰しも感じる娘の可愛さ。
その中にはもちろん、本作の父親が感じているように、成長して行くにつれてだんだん離れていく寂しさをも持ち合わせている。
本作の主人公はさえないサラリーマンの父親とイマドキの娘。
まさに絵に描いたような小説におけるシチュエーションである(笑)
さてどうなるかというと、タイトルどおり7日間だけふたりのあいだに変化が起るんですね。
そう、本作は47歳の父親と17歳の高校二年生の娘が地震により人格が入れ替わるという事態に巻き込まれる騒動を描いているのである。
ご存知のように作者の五十嵐氏はホラーから時代小説に至るまで幅広いジャンルの作品を書ける稀有な作家である。
1作ごとにいろんなタイプの作品を書き分け、ファンを唸らせている。
必ず次作はどんな作品なのか楽しみに待たれて本を手に取る作家のうちのひとりに数えられている読者の方も多いはずだ。
本作も期待を裏切らなかった。
少なくともハートウォーミング度においては氏の過去の作品に例を見ない。
ただ誤解してもらいたくないので敢えて書くが、ハートウォーミングとはいえ、もし、泣けるような親子愛を期待して読まれた方は肩透かしを喰らうであろう(笑)
どちらかというとコメディタッチなのだから。
そこは覚悟して読んでほしい。
私が作者の凄さを感じたのは、結果としてサラリーマンを奮起させるような話の展開。
もちろん、娘の姿をした父親が娘のボーイフレンドとデートするシーンも面白い。
だが、これはタイトルからして容易に想像できたことでもある(笑)
あるいは、秘書課のお姉さんのラスト付近の行動に驚愕するのも楽しみのひとつかもしれない。
しかし男性読者のひとりとしてもっとも印象的だったのは、娘の心を持った化粧品会社の副部長で新商品開発のプロジェクトに携わっているお父さんの御前会議での行動。
お父さんの良いところと現実をわかってはいるのであるが、若気のいたりというか啖呵を切ってしまう小梅。
このあたりの設定(高校生がターゲットとなる新商品の開発に携わっている点)と展開の自然さが読者の胸に突き刺さるのである。
痛快さを感じて読まれた読者も多いことだろう。
決して“親の心子知らず”というわけではないのだ。
痛快さとともに、自分自身の現実をも考えずにいられないのである。
私なんかほくそえむほど余裕もない(汗)
このあたり作者のアイデアの素晴らしさに拍手を贈りたい。
あなたは小さく固まっていないか?
少なくとも私自身は本を閉じた時に自問した次第である。
その結果、明日からは少しは夢を持って生きれそうな勇気を与えてくれたような気がするのである。
小梅ちゃんに感謝したい(笑)
総括すると、作品全体としては、ファンタジーでありながらリアルな話を盛り込んでいる斬新な点を高く評価したい。
結果として親子愛を描いた作品としてだけではなく、サラリーマンの指南書としても読める作品に仕上がっている。
五十嵐氏の細部にわたる人間観察の鋭さが本作をもたらせたのである。
やはり、しばらく五十嵐貴久から目が離せそうにない。
活字中毒日記
紙の本
親子で読んで楽しめそうな一冊です。最近ムスメさんが会話をしてくれないという世の中のお父さん、この本をムスメさんに読ませてみては如何でしょう。
2006/10/18 16:21
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いまどきのごくごく普通の女子高生・小梅。
小梅の願いはケンタ先輩との両想い。
もしかしてケンタ先輩も私のこと・・・・?初デートまであと少し。
冴えないごく普通の中年サラリーマンのパパ。
会社では円満を目標に平和主義で生きている。最近の悩みはムスメの小梅と会話がないこと、父親ってそんなにうざいもの?
そんな二人大地震後に目を覚ましたら人格が入れ替わっていた。
ムスメがパパで、パパがムスメ。
17歳のサラリーマンと47歳の女子高生。果たして二人は無事に危機を乗り越えれるのか?
あらすじだけ読むと突拍子もないような設定ですが、人格が入れ替わる本は結構出ているので「おぉ」と驚くような新鮮さは特にありません。
そして物語の展開も本のタイトルと各章のタイトルだけで読めてしまうので読む前からラストが分かった物語といわれてしまえばそうなのです。
私にとって読書とは「この先どうなっていくのだろう」というハラハラ感を味わうためのものなのでそういう意味ではラストが分かりきっているこの本は面白いけれどもページを捲る手が止まらないというまではいかないので評価としては★3つの普通になりました。
たとえラストが分かっていても面白いと思えるのは主人公の二人のポジティブさが魅力的だからです。
久々に口を開く二人なのに人格入れ替わりという危機状態ですから会話のキャッチボールと言うよりもドッジボールという感じ、まるで漫才を見ているかのように笑える会話ばかりなのです。
47歳のおっさん女子高生がムスメの部屋でドキドキしたり、初デートで思わず自分の過去を思い出したりと、このパパが何とも可愛らしいですし、念願叶って初めてのケンタ先輩とのデートのはずなのに肝心の中身がパパという小梅の焦り具合がこれまた可愛らしいのですよね。
この小梅の部分はコメディタッチで全て楽しく読めたのですが、やはり17歳の女子高生サラリーマンには無理が出ていたかなと。さすがにこんなに簡単にいく会社はないでしょうと思ってしまうので・・・。
しかし全体的にムスメよりもパパの気持ちが良く分かってしまうのは私が女子高生より中年サラリーマンに近いということでしょうか。
それにしてもこれだけ濃い二人なのにママの存在感があまりにもナイのも気になります。ママが物語に入ってきたらもっともっとドタバタコメディになって面白そうなのに。
ハラハラ・ドキドキ感はあまりないけれど、クスリと笑えて楽しい気持ちにさせてくれるので通勤のお供に丁度良い一冊です。
最近ムスメと会話をしてないパパに。最近パパと会話をしていないムスメさんに、一家揃って読むのもいいかもしれません。