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商品説明
「ものを見る」「ものが見える」とき、脳はどんな仕事をしているのか? 「見る」ことの解明は、心のできごとにどうつながるのか? 錯視図形、誰もがもつ盲点等の例を入り口に、脳研究の最前線から、脳と心の関係を考える。〔「脳はなにを見ているのか」(角川ソフィア文庫 2013年刊)に改題〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
藤田 一郎
- 略歴
- 〈藤田一郎〉1956年広島県生まれ。東京大学大学院理学系研究科動物学課程修了。大阪大学大学院生命機能研究科教授、および同大学基礎工学部と行動経済学研究センター兼任。
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紙の本
鬼太郎のお父さんに、ものは見えるのか?
2007/06/26 20:55
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Living Yellow - この投稿者のレビュー一覧を見る
「目を閉じれば何も見えず」(「昴」チンペイ先生、より)というのも、当たり前のことだが、「目を閉じれば億千の星」(「純恋歌」湘南乃風、より)というのもまた事実である。私たちは「ものを見る」過程を、カメラに捉えがちだが、網膜は二次元であり、私たちが見るものは三次元になっている。そして、「目を閉じて」心の中でものを「思い描く」こともできるのだ。
本書は、1999年から著者が担当した大阪大学基礎工学部二年生向けの授業、「脳科学入門」の一部をベースに執筆された。
本書第一章で、まず著者は物を見ることの本質を、網膜で捉えられた光情報に基づいて、外界の様子を脳内で処理・復元することであると定義する。つまり目玉だけで存在している鬼太郎のお父さんには「ものは見えない」はずだと。
第二章では、様々な脳損傷の事例に基づき、「ものが見えると言う主観体験」と「見ることに依存して行動が起きること」が独立に起きうることを解説、第三章では、ものを見ているときに、脳がどのような情報処理をしなくてはならないかを概説する。
第四〜六章で、著者の本領である、その脳の情報処理を構成する、ニューロンの研究の、日進月歩というか、二転三転というか、著者の身の回りでも激動する研究現場を踏まえ、最新の知見を平易に解説してくれる。
最終章で、しかし、彼は、脳科学が発展しても、他人の心の内面=クオリアは知り得ない、という誠実な限界設定を行っている。著者自身、やはり「脳なき」石仏に手を合わせ、心の中で話しかけてしまうという。
わかりやすく、良心的な、脳に興味を持ちはじめた、中・高校生時代に読んでおきたかった一冊である。各章末には、各章のまとめ、巻末には親切なブックガイド、WEBサイト案内が添えられており、読者が自分で試せる、錯視実験図版なども豊富に掲載されている。
ところで、鬼太郎のお父さんだが。ある日、著者は水木しげる先生のファンから、「ゲゲゲの鬼太郎」の、とある一コマについて教えられる。その場面では、お父さんの目玉が割れてしまう。その中には脳が入っていたそうである。
やっぱり。水木しげる大先生!
紙の本
高校生から読める脳の入門書
2007/05/24 22:11
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マチカネコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
脳のもつ大事な仕事のひとつ「見る」ことから、心とは何かという問いの答えを探る本。
前半では錯視や他の知られている現象から脳の不思議を体感し、
後半では視覚脳科学の最前線で何が研究されているのかを垣間みることができる。
大学2年生向けの授業を元に本書が執筆されたということもあり、よくまとまっている。また、平易な日本語と所々にあるちょっとしたジョークのおかげで、どんどんと読んでいける。中学生でも十分に理解できる内容だろう。
こんなわかりやすくて楽しい脳の本は初めて。