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商品説明
病気の発症から回復まで、健康の維持に必要な栄養素とその働き、ウイルスとたたかう免疫のしくみ、花粉症・アトピー性皮膚炎などアレルギーのメカニズム…。からだを病気からまもるしくみをビジュアル解説。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
自己免疫を研ぎ澄ますと、医者要らず・・・かな?
2007/10/17 18:20
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:安之助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
病気になってから慌てても遅い。まず、予防することだ。そのためには、健康を維持する体のシステムが分かっていれば、かなり役に立つ。システムを知らないがゆえに、かえって悪い方向に進路を取り、初期の病気からこじらせることもある。本書は治療法の本ではない。自己に備わっている、「免疫」について記された本だ。
東京医科歯科大学の藤田紘一郎教授が、あるとき新聞社に<給食ミルクが黄色ブドウ球菌に、汚染されていて、そのため児童が集団で下痢をした>という事件が報じられた際に、コメントを求められたという。新聞社とすれば汚染牛乳の供給を非難する意見を期待していたのだろうが、藤田教授の専門は感染免疫学だから、返ってきた答は「いたんだものを食べると、下痢をする-それは正常な生体反応だ」である(もちろん、ボツ)。
本書でも、同じ趣旨のことが記されている。「下痢は、毒を早く排除して体を守る防御反応の1つです。下痢が起こったときには、安易に下痢止め薬を使用して、症状をおさえないこと。脱水症状を防ぐために、水分補給を十分に行うことが必要です」-ともすれば、下痢が長引くのが怖くて、水ものを避ける人もいるようだが、これは逆なのだ。
発熱は「免疫細胞」を活性化して、病原体を抑制する。「免疫細胞の活性化に必要なのが、熱を発生させ、体温を上げること」で、「体温調節中枢に伝わると、体温調節が高温に設定されます。このとき、設定された高温に早く近づこうと悪寒や震えの症状がでます」。つまり、「発熱は免疫細胞の働きを強め、病原体を弱める生体防御の意味」がある。だから、むやみの薬による解熱は、避けたほうがいいということだ。ただし、39度以上の体温が続くと、体は大きなダメージを受ける恐れがあるから、話は別。
風邪などは、何度も罹る病気だが、麻疹(はしか)は一度目に罹れば、再びウイルスが体内に侵入しても記憶細胞が、速やかに抗体を産生するから、麻疹は発症しない。これは「二度なし現象」というそうだ。いわゆる「免疫がある」状態。しかしながら、実際の“免疫記憶”は数年しか持たない。それなのに、「二度なし」といわれるのは、それほど間を置かずに、罹患(ただし、発症はしない)を繰り返しているためで、いうならば免疫記憶が“更新”されているから。だから、更新できない環境であると、再び罹りうる。日本では絶滅したと思っていた結核が、今春、大学生の間で広まったのは、それでなのかな。
第1章 免疫細胞のしくみ
第2章 病気が起こるしくみ
第3章 感染後の体の防御システム
第4章 アレルギーと免疫疾患
第5章 がんと免疫のたたかい
第6章 病気を治すしくみ