「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- カテゴリ:一般
- 発売日:2008/10/01
- 出版社: 河出書房新社
- サイズ:20cm/571,12p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-309-70952-9
- 国内送料無料
紙の本
世界文学全集 1−12 アルトゥーロの島
著者 池澤 夏樹 (個人編集),モランテ (著),中山 エツコ (訳),ギンズブルグ (著),須賀 敦子 (訳)
【毎日出版文化賞(第64回)】多感な少年と若い義母の葛藤を描いた「アルトゥーロの島」と、友情の崩壊と再生を描いた「モンテ・フェルモの丘の家」。ファシズム期イタリアの闇の時...
世界文学全集 1−12 アルトゥーロの島
紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:88,000円(800pt)
- 発送可能日:購入できません
- 税込価格:34,320円(312pt)
- 発送可能日:購入できません
- 税込価格:105,050円(955pt)
- 発送可能日:購入できません
- 税込価格:34,320円(312pt)
- 発送可能日:購入できません
- 税込価格:41,580円(378pt)
- 発送可能日:購入できません
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
【毎日出版文化賞(第64回)】多感な少年と若い義母の葛藤を描いた「アルトゥーロの島」と、友情の崩壊と再生を描いた「モンテ・フェルモの丘の家」。ファシズム期イタリアの闇の時代をくぐり抜けた2人の女性作家の代表作を、新訳と名訳でおくる。【「TRC MARC」の商品解説】
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
大人になることの痛み。
2009/01/06 21:54
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求羅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
同時代にイタリアで生まれ、ファシズムの嵐をくぐり抜けてきた女性作家。
歩みこそ似通っているものの、題材も作風もまるで異なる収録作品である。
他人と交わらず、島で空想の世界に浸る繊細な少年を描いたエルサ・モランテの「アルトゥーロの島」と、逡巡しながら生きる大人たちの姿を書簡形式で浮かび上がらせたナタリア・ギンズブルグの「モンテ・フェルモの丘」。
過去を回想する少年の独白で綴られた前者が、感傷的で神話めいた色合いを帯びているのに対し、後者は登場人物が多い上にそれぞれの人間が遠慮なく声(ここでは手紙だが)をあげているからか、にぎやかでぐっと世俗的である。
上下二段組みで550ページ近くある本書。
コストパフォーマンスは高いとはいえ、なにも一冊に二作収めなくとも、「アルトゥーロの島」だけでも十分ボリュームがある。それなのに、なぜこのカップリングなのだろうか。
個人編集を務めた池澤夏樹いわく、
――人と人とは結び合うもので、そこから喜びと悲しみが生まれる。それを人は原理としてでなく体験によって学び、知恵として身につける。――
共通点でくくることはその作品を限定的に捉えてしまいかねないが、なるほど、「人と人との結びつき」という視点から読めば、少年の楽園の崩壊と自分の居場所を模索する大人たちの転換期に、同じ喜びや悲しみを見出せるのである。
他者との関わりで生まれる軋轢と葛藤。成長に伴う精神的な痛み、とでもいえようか。「ぼくたちは、子供の寄り合いなのかもしれない」と綴る中年男性の言葉が心に沁みる。
ただ、多感な少年の心象風景を鮮やかに描き出しているとはいえ、メロドラマ的な「アルトゥーロの島」は私の好みに合わなかった。義理の母親との恋愛がなくても、子ども時代との決別を描けると思うのだが。でもそうなると、この作品が成り立たなくなるのか、うーん。
「モンテ・フェルモの丘」にしても、共同体の崩壊や家族のあり方など、重いものを突きつけておいて最後に放り出すこの幕引きはいかがなものか。さほど余韻の残るラストでもないような。始まりも終わりもない小説だが、なんとも居心地の悪い読後感である。
解説で紹介されているあらすじを見る限りでは、ギンズブルグの代表作とされる『ある家族の会話』の方を読んでみたいと思った。
紙の本
イタリア号。
2018/12/30 07:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る
『アルトゥーロの島』2段組。
子供の目線という設定だから当たり前ではあるのだが、やや冗長な印象は否めない。
だがその冗長さが最終的にアルトゥーロの世界に感情移入させてしまって
冷静に考えたらなんてことない結末が胸にグッときてしまう。
『モンテ・フェルモの丘の家』これまた2段組。
手紙形式なので登場人物の主観に満ちていて、状況を把握するまで時間がかかる。
正直これは新訳すべきだったんじゃないかと思った。聞き慣れない言葉がちょくちょく・・・
両作とも男のキャラクターがやたらとダメ(そして及ばないまでも女も割とダメ)なのが
特徴的かな。イタリア文学ってそうなの?