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商品説明
先進国がユビキタス社会を実現した2036年、世界中で異常気象が頻発していた。横浜の海洋開発研究機構(JAMTECS)の吉野尚美は、気象予測シミュレーションが大型台風の進路予測を大きく誤った原因の究明に追われていた。阪神北市では福祉事業を妨害する団体を調査中のジャーナリストが失踪、高齢福祉課の日向拓海が警察と合同調査を進めることとなる。この頃、日本主導の巨大人工島建設計画が進行中のスマトラ沖で、原人化石の発掘作業を進める古生物学者が行方不明となった。JAMTECSの山城星良は、事件の背後に潜む優生学的思想を持つ集団“ユーレカ”の影を追う。3つの事件を繋ぐ謎が明らかになるとき、生命観の問い直しを迫る驚愕の真実が顕現する—次なる進化の階梯を予兆する書き下ろし長篇。【「BOOK」データベースの商品解説】
人類が高度なユビキタス社会を実現した2036年。東南アジアで建設が進む人工島近辺の海底発掘現場で、ひとりの古生物学者が謎の死を遂げた…。次なる生命進化の階梯を描く、近未来サスペンスSF。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
林 譲治
- 略歴
- 〈林譲治〉1962年北海道生まれ。臨床検査技師を経て作家に。著書に「記憶汚染」「侵略者の平和」「暗黒太陽の目覚め」など。
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紙の本
SFの中でも、けっこう怖い、パニック系でした。
2009/01/14 23:17
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
林譲治さんはですね「ウロボロスの波動」もずーっと読みたいと思っていたのだけれど、
新しいこちらから。
時代設定は、2036年、人類は、小型ウェラブルPCを開発ユビキタス社会を実現しています。
が、地球規模での気候変動、北海道に大型台風が上陸したりしています。
関西では、ジャーナリストが行方不明と猫の集団が、、、又、スマトラ沖での原人化石発掘でも行方不明者が、、、
そして、謎の優生学的思想をもつユーレカと呼ばれる集団が暗躍しており、、、。
SFなのですが、複数の視点で描いた、大きな舞台を扱ったパニック系のSFです。
けっこう個々の事象はホラーティストで怖かったりします。
又これ、ガンダムのボールみたいな小型深海潜水船(機!?)が活躍する、海洋冒険SFでもあります。
この小型潜水船、ガンダムではシャアがジオングに登場する際に(非地上では)足なんていらないんです。
って技術系の士官に言われていましたが、こちらの小型潜水船は足が重要な要素になっています。(どうしてかは、読んでください)
タイトルから推測し、又、同時多発的に起こることから、大きな枠組みが説明されるんだろうな、、と
思っていたのですが、それは、ちょっと、、、、、、でした。
最後の盛り上がりは、また海洋冒険SFで締めくくられて、ちょっと誤魔化された観があります。
まぁ、大きく風呂敷を広げる作品は、SFの殆どですが、それをきちっとたたもうとして、たためるいや、
たためた作品は、5年か、10年に一度の名作、傑作になるので、
しょうがないっす。
紙の本
正直、登場人物の名前の付け方で小説の出来が決まると思うんです。その点、このお話、そこで躓いている。不器用なんでしょうか。そう考えると小松左京は偉大だった・・・まだご存命ですけど
2008/02/21 20:05
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
いやはや、難航してしまった本です。カバーイラストの美しさについつい手を出した作品ですが、道半ばにして数ヶ月読むのを断念。でも、後半の印象は悪くなかった、と思い直してやっと読み通しました。結果としては、損はしないけれど得もしなかったな、そういう感じです。ちなみにカバーイラストは長谷川正治、カヴァーデザインが岩郷重力+WONDER WORKZ。でした。
全21章にエピローグ、あとがきがつく構成ですが、読みにくさの原因はどうも登場人物の名前にありそうです。登場人物一覧のトップにある吉野尚美は、影が薄いことを除けば無難。問題はは日向拓海、妻の美月(何故か、パートナー、と表現されているけれど、話の流れは単に頭の悪い人妻以外のなにものでもない)、その娘で障害をもった美海。
ま、親子だから各々から一字を取ったのは分りますが、これがとてもわかりにくい。それに長波、対馬といった苗字だけの存在や、美月の弟の山城星良、三隅三咲などは前者は名前だけ、後者は苗字だけで呼ばれるせいで、性別が会話から読み取りにくい。ま、こういう名前はティーンズ文庫の影響こそ感じますが、読者を想定しているとは思えません。
先日も桂美人『ロスト・チャイルド』について
おまけに主人公の名前が神ヒカルです。坂東眞砂子もその命名について苦言を呈していますが、この二文字が完全に浮いている、特に「神」という字、そのことに違和感を抱かない著者や編集者のセンスにも、あきれます。ま、桂美人という著者名もですが。命名でいえば、双子のマオとレオもどうでしょう、パンダじゃないんだから。マフィアのマリーっていうのもねえ、港にでもいる?
と怒りプンプンで書きました。名前を覚えられないのは読者が悪い、と平然としている作家や評論家がいますが、バッカじゃないか、って思います。無論、読みやすければいい、というものではありませんが、こういう部分に気配りができないなら、エンタメやめろ、純文学やってろ、って言いたくなります。要はアンテナの感度とセンスなんですから。
でも、その部分を除けば悪くはありません。例えばカバーにでている内容紹介を読んでみてください。
先進国がユビキタス社会を実現した
2036年、世界中で異常気象が頻発
していた。横浜の海洋開発研究機
構(JAMTECS)の吉野尚美は、気
象予測シミュレーションが大型台風
の進路予測を大きく誤った原因の究
明に追われていた。阪神北市では福
祉事業を妨害する団体を調査中の
ジャーナリストが失踪、高齢福祉課の
日向拓海が警察と合同調査を進め
ることとなる。その頃、日本主導の巨
大人工島建設計画が進行中のスマ
トラ沖で、原人化石の発掘作業を進
める古生物学者が行方不明となった。
JAMTECSの山城星良は、事件の
背後に潜む優生学的思想を持つ集
団"ユーレカ"の影を追う。3つの事件
を繋ぐ謎が明らかになるとき、生命観
の問い直しを迫る驚愕の真実が顕
現する──次なる進化の階梯を予
兆する書き下ろし長篇。
前に小松左京が書いてたんじゃない?って思わせるところはありますが、これは面白そうだ、って期待させます。ただし、本文に入ると話の流れがアニメというかコミックス的当たり前のもので、驚きがないわけです。「驚愕の真実が顕現する──次なる進化の階梯を予兆する」なんて大見得を切らなければ、まだ許せたかなとは思いますが。
で、つくづく思うんです、小松左京は偉かったなあって。『果しなき流れの果てに』を娘に読ませようか、ってありもしない書棚に目を向けた次第。