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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.9
- 出版社: 角川書店
- サイズ:20cm/211p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-04-791551-0
紙の本
世界の涯まで犬たちと
犬、猫、様々な動物と人間が織りなす、ねじれてゆがんだ不思議ワールド。O・ヘンリー賞受賞の新鋭作家が紡ぐ、全米大絶賛の短篇集。【「BOOK」データベースの商品解説】僕らは一...
世界の涯まで犬たちと
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商品説明
犬、猫、様々な動物と人間が織りなす、ねじれてゆがんだ不思議ワールド。O・ヘンリー賞受賞の新鋭作家が紡ぐ、全米大絶賛の短篇集。【「BOOK」データベースの商品解説】
僕らは一人じゃ生きられない−。犬たち、猫たち、身の回りにいるさまざまな動物と人間が織りなす、可笑しくてほんのり切ない物語。現実が少し違って見えてくる、ねじれてゆがんだ不思議ワールド14篇。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
キャットフェイス | 5−33 | |
---|---|---|
軟体動物 | 35−44 | |
テキサス盲学校 | 45−49 |
著者紹介
アーサー・ブラッドフォード
- 略歴
- 〈アーサー・ブラッドフォード〉1969年生まれ。イェール大学で学ぶ。作家ウォレス・ステグナー特別奨学生として、スタンフォード大にも在籍。『エポック』『エスクァイア』各誌に小説掲載。映画監督も務める。
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紙の本
世界の中心で犬を愛す
2007/10/17 21:53
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういうのを幻想小説と言うのだろうか?幻想というより非現実的な寝耳に水の短編小説群なのだが、例えば長野まゆみのような美しい描写ではなく唐突に始まりそして終わる。余韻を味わうヒマすらない。
それでもこの短編達は、若者達が必死に日常の不変を願い守ろうとしているその姿を読むものに植えつける。
あるのかないのかわからないオチ、犬とSEXをして子や孫まで作ってしまう話、犬と人間がチェンジするという巫山戯た展開・・・まったくリアルでしかない物語から始まり、次第に非現実性がまして行く。そして気がつくのだ。アメリカは片田舎の、平凡な若者達の日常が切り取られ集められ淡々と描かれただけの本書がいかに保守的な私自身の心を同調させたのかに。
若者達と犬達と、少し奇妙な生物達はただ日常を生き、事なきを得ようとしている、平和を愛する私達はただそれを傍観すればよい。
読者は事件や飛躍した展開を読み、読了感溢れた結末を望みたい所だろだが、現実はどうか?わが身の上の事となれば永久平和を求めているはずだ。本書に登場する若者はいわゆる負け犬だが、彼らほど現状維持を望む者はいないのかもしれない。現状維持・・・それは向上は無くとも転落することもまたないのだから。
くわえてアメリカ人はかなりの犬好き人種。犬は家族であり友達であり時には恋人であり、つまりは自分に忠実な日常なのだ。
世界の涯まで犬たちと。生涯終始平凡と。
日本人は保守的、アメリカ人は能動的などというステレオタイプ。そろそろ捨ててもいいんじゃなかろうか。