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紙の本
世界の小国 ミニ国家の生き残り戦略 (講談社選書メチエ)
著者 田中 義晧 (著)
大国が主導し、規模の経済が支配する今日の国際社会において、「小国性」を武器として政治や経済分野でしたたかな活躍を見せているミニ国家。小国の魅力や小ささゆえの有利性と不利性...
世界の小国 ミニ国家の生き残り戦略 (講談社選書メチエ)
世界の小国 ミニ国家の生き残り戦略
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商品説明
大国が主導し、規模の経済が支配する今日の国際社会において、「小国性」を武器として政治や経済分野でしたたかな活躍を見せているミニ国家。小国の魅力や小ささゆえの有利性と不利性を、国際関係論のエキスパートが論考する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
田中 義晧
- 略歴
- 〈田中義晧〉1943年生まれ。ニューヨーク州立大学大学院修了。政治学博士号取得。(財)国際開発センター研究員を経て、京都産業大学外国語学部教授。著書に「日米関係のグローバリゼーション」など。
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紙の本
小国に学ぶことはできない
2007/10/02 10:09
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:FAT - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が本書を記した意図が、現代の日本政治・社会の有り様について、小国から学ぶこともあるはずだというものであるならば、その意図が成功しているとは言えない。
本書を通じて明らかになる、いわゆる「マイクロ国家」の実態の有り様からすれば、結局、マイクロ国家は、現実の国際政治社会において、実質的な存在としては存立できはしないということではないか。
要すれば、資源収入に頼った権威主義的国家運営を行うか、「炭坑のカナリア」を装って機会主義的行動を取るか、「国家主権」のベールを利用して制度の隙間をついたレント・シーキングを行うかという、有り様しかないということだ。
結局、世界全体の経済厚生をプラスする、プラス・サムの活動はできす、国際レントをどうにかして獲得するという行動しかとれていないということであろう。
まさに、その行動原理は、国際経済学における「小国の仮定」そのものだ。
少なくとも世界経済・人口に占める割合が有意である日本の国際政治社会における行動の指針においては、この「小国の仮定」はふさわしくないというよりも、現実的適応可能性を持っていない。
このような意味で、本書で展開される「マイクロ国家の有り様」は、国際社会を知る上で非常に示唆に富むものではあるが、現代日本の国論に及ぼす影響は極めて限定されている。いや、基本的に参考にはすべきでないと思われる。