紙の本
急速に伸長と発展を遂げるフリーペーパーを概観できる書
2008/03/30 07:44
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
都内の地下鉄の駅などで手にする機会が多くなってきた無料紙/誌の現状を追った新書版のルポ。著者は朝日新聞の記者で早大メディア文化研究所客員研究員という人物です。
読者から購読料金をとらず、広告のみで成立する紙媒体の存在を知ったのはニューヨーク旅行中にヴィレッジ・ヴォイスを手にした時です。NYタイムズやTIME OUTといった新聞雑誌をわざわざ買わずとも旅行中に最低限必要なエンタメ情報を得ることができて重宝したものですが、同じようなものがなぜ日本にないのかと長年思っていました。
その理由のすべてではないにしても、一端として本書に書かれているのは、既存の紙媒体による激しい抵抗の存在です。
首都圏で2002年に創刊されたあるフリーペーパーはスタート時、「大手紙幹部と名乗る男」から「日本で日刊無料紙発行などもってのほかだ」と怒鳴りつけてくる電話がかかってきたとあります。また名乗らぬ別の者からは「電車のホームでは気をつけろ」「女房子どもを実家に帰したか」という脅迫電話があったとも。なんとも生々しいエピソードですが、こうした言論封殺に屈することのない強靭な精神力がないと、フリーペーパーを発行するフリーダム(自由)を行使できないという社会のあり方に寒いものを感じます。
フリーペーパーのひとつの可能性として、活字離れといわれて久しい若者層の読者を獲得し、やがて既存の活字メディアへ彼らを回帰させる道筋をつけられるかもしれないという見方が紹介されています。
同時に、スペインのフリーペーパー事情を語った箇所では、その主要読者層は経済的には決して豊かではない人々であることを指摘しています。こうした層に無料紙が浸透する事例を挙げて著者はインドや中国といった、経済成長が今後見込まれる国々でフリーペーパーが広がる可能性を予測しています。
この二点については注目してみたいと感じました。
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海外での、無料紙の席巻に眼を見張りました。
私は、フリーペーパーに興味がありません。
公共の電波と言われるテレビでさえあの体たらくですから、
雑誌であればなお更、広告主からのバイアスが酷いのでは?
と、思っているからです。
ともあれ、新聞や活字を読まなくなる世代、
記事を読み、理解し、考える能力が無く判断できない世代。
いくら判断できる自分が正義だとしても
判断できない人々が増え続けて
判断できる人自体がマイノリティーとなってしまったら
判断できない人へのバイアスによって
世論なんてものは、すぐに影響されてしまう。
怖い世の中になりますなぁ。
ともあれ、フリーペーパーの経緯や現状について楽しみました。
が、私としては、フリーペーパーの記事に関して
踏み込んだ内容が欲しかったです。
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宅配・流通コストの問題さえ解決すれば、フリーペーパーは新聞のビジネスモデルに置き換わり「無料で広告だけで成立する」というのが肝かな。宅配所の統廃合で何とか延命を図ろうとする新聞に、また一つ課題。でも新聞ってナントカ法とかあって鉄道で輸送(いつの時代だよ)するものは広告が半分を超えてはならない、とか・・・。まあ、法律を変えてしまえばいいだけの話。
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2008/2
フリーペーパーという存在が雑誌メディアのあり方を大きく変えている。情報は有料だったのが当たり前が無料で得られるようになってきた。ネットの発達とは別にこの登場が引き起こした現状について述べられている。
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フリーペーパーが元気だ。日本生活情報誌協会(JAFNA)が行った全国フリーペーパー実態調査をみても、全国で422誌(05年)にのぼり、創刊件数と発行部数は近年急激に増えている。筆者はますます多様化するフリーペーパーを1)コミュニティペーパー(主に全戸配布型生活情報誌)、2)ターゲットマガジン(嗜好別情報紙誌)、3)ニュースペーパー(報道紙)の三種類に分類し発行者へのインタビューとともに分析。様々な先行事例の知恵を吸収することができる。これらフリーペーパーの近年の傾向としては?新聞タイプからマガジンタイプへの主流の転換、?消えゆく有料タウン誌に代わる、マガジンタイプのフリーペーパーの台頭、?嗜好性の高いターゲットマガジンの興隆、?全体的な紙面の質の向上が顕著だ。インターネットと次期を同じくして休息に普及したフリーペーパーは、人々の潜在的な需要を掘り起こすメディアとして今後も注目されていくだろう。有料雑誌の発行部数が激減する中見られるこれらの現象は、「広告主と版元が配布場所や流通ルートを自由に設定し、ターゲット読者に確実に配れるという、フリーペーパー独自の流通特性によるところは大きい」だろう。(2月8日報告)
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巷にあふれるフリーペーパーをテーマにした本。誰の手にも渡らず、マガジンラックにあふれ、手にされたとしてもすぐに消費されていく。本好きとしてはなんだか悲しいものがありますね。図書館予約数は5(08/03/23現在)です。
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これからフリーペーパーを作ろうと考えてる人にとってしたら、まさに喉から手が出るほどいただける情報が載っている新書。
かくいう僕もこれを参考に、フリペ作りに励もうと思います。いろんな知恵を学びました。
『テレビは商品や企業の「印象」に、新聞は「信頼」に繋がるメディア。そしてフリーペーパーは「理解」に貢献するメディア』
は新発見でした☆
しかも最終項が、僕がお世話になってる吉良俊彦氏との対談!!
やってることを知らなかったぶん、びっくりしました。
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フリーペーパーに関する現状分析とこれから。
まぁ、確かに面白い市場ではある。
出版業界が低迷する中、
部数を前年よりも多く出しているのはこれくらいしかないわけで
うん、すごく魅力的な分野だとおもうっす
まぁ、結局、卒論に出来ないから期待以上のものではなかったかなw
てゆーなぜか、御殿場で購入した一冊です。
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日本での無料日刊紙の可能性を考えてみた。
何(ターゲット、内容、エリア、広告主、パートナー)をどう組み合わせれば実現するのか…。
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普通に役に立つ情報が載ってるにも関わらずなぜか\0。ホットペッパーとかですね。
なんで?って最初は思ったけど最近儲かってる仕事はもうみんなこれですね。
広告収入ですね。
こうゆう規制の難しいメディアはそのうち問題を露呈(すでに風俗広告とか)するやろうけど
たぶんいずれは「書店」てゆうのはなくなるんちゃうかなぁ。
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すぐ読めた!!読みやすい!!
自分の所属する学生団体のページが数ページあり改めて責任感の重さとやっているイベントの凄さを感じ取った。
今後もフリーペーパーに注目ですね。
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2008年8月29日購入。
2008年9月4日完了。
仕事でFPに関わることがあったので参考として購入。今や飽和状態とも言えるFPの歴史と現状が分かりやすくまとめてある1冊。個人的には資源の無駄使いなこのビジネスには反対なんだけど。
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速読。フリーペーパーをビジネスとみるか、参入障壁低いメディアとみるか。おそらく後者に軸足おいてそう。あまりに淡々と語られ、いまひとつ内容に馴染めず。何が言いたいんだろう。概況にページを割くよりも、高校生フリーペーパーや、どれかのフリーペーパー業者にスポット当て掘り下げて欲しかった。無料の是非議論やフリーペーパーのジャーナリズム独自性よりも、フリーペーパーの影響力が個人的には興味あり。今までいくつか目にしたが、なぜかヌルさを感じてしまう。
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2008
集英社
稲垣 太郎
広告体系や、それに伴う消費行動を、
激変させていくことは間違いなしなフリーペーパー。
でも周りにいる広告主や代理店、媒体が、
まだまだ乗りこなせてないのは事実。
そしてやはり、
日本は既得権益を守るための参入障壁が、
大変高く強固な国なんだろうと思いました。
でもそれって消費者の頭も、
割と保守的ってことも言えると思うからね。。。
日本の文化として、フリーペーパーっていう文化を、
今後どう咀嚼していくのか、
自分も関わってみたいですね。
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200906/「日常・非日常」と「オーソドックス・マニアック」のマトリックスで配布場所をカテゴライズ/無料紙の広告市場の規模は、合計発行部数150万部が広告の奪い合いのために料金引き下げをしなくても済む限界/早稲田大学高等学院のフリーマガジンづくり:NPOジュニアアチーブメント:スチューデントカンパニープログラム/有料紙は読者が選ぶもの、フリーペーパーは読者を選ぶもの