紙の本
最後までイメージが結びつかず...
2011/07/28 06:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
「今日の出来事」や薬害エイズ問題に取り組む姿勢...どちらかといえば「映像の中の人」であり、特別な思い入れはなかったのだけれども、ジャーナリストとしてふるまう姿勢を拝見するに、かなり「鋭い」論調を、味めて読むこの本には期待しつつ。そして自分の周りの女性で、「憧れの女性」で著者の名をあげる人が多くいるんだけど、その理由なんかもわかるかなあ、と。
タイトルからしても、特に今、改めて見つめ直す必要性を感じているところがテーマ。これは時代的にも、自分の年代、環境的にも、そう(考えてみる)思ってるところである。鋭い切り口の著者だから、他とは違った表現を見せてくれるだろうと...が、本書のスタイルは極めて「優しい」口調で終始して、「櫻井さんだから」という点が正直あまり見出せませんでした。もしかしたら「文字にすると一部の反対論じゃからの攻撃を受けかねない」的な発想から「中立的立場」での表現になったのでは?と思わせるほど、「フツーの女性」が書いた、というイメージしか伝わってきません。悪く言えば「タレント本」みたいな感じです。かつて「今日の出来事」で厳しい表情で政府への苦言を呈していた印象が、その人がこの文章を書いている、という印象が、ページが進むにつれて薄れていってしまいました。
もちろん、「日本人の美徳」に関しては、同意できる点が多いです。個人主義がまかり通る中でも、やっぱり基本は「家族」であり、おじいちゃんから聞いた昔話であり、家族全員で囲む食卓だったり、本書の中で複数登場する、聖徳太子の言葉「和を以て貴しと為す」であったり...これにはまったく異論はございません。著者自身のお母様を大事にされているご様子など、「あーここに美徳が」という温かい気持ちにもなります。
が、ここまでの内容は特に「櫻井さんだから」ということではなくて、他の方でも書けるのかなあって。切り口がフツーであり(私たちレベルまで「敢えて」降りてきていただいているのかも)、「らしさ」が少ないような感じがぬぐえません(勝手なイメージとのギャップですけれども)。
特にご自身がハワイでの大学生活を経験されたこともあって、自国=日本の歴史や、文化、それらの知識を備えておくことの重要性については、自分もそう考えております。この「自国を知る」ことが、直接的にどうこう、ではなくて、そもそも基本として自国を愛すること=知ることは大前提ですね。自分が生まれた国、育った国を知ること、愛すること、誇りに思うこと。自分の存在も、その歴史、文化、伝統の一部であると実感できること。これができたとき、あるいはこれをできるように意識したとき、すなわち「美徳」も備わるのではないかと思います。
櫻井さんへの「期待」はけして消えていないので、もう1冊は読んでみたいですねー。少なからず刺激をいただくような内容のものを。
【ことば】お父さんは...一生懸命生きているんだと、胸を張って子どもに言えるような生き方...自分に対する信頼と誇りを持てるような生き方をしてほしい...それが父親の子供に対する最高の教育です。
普段子どもたちと接していない立場として、「仕事」という場面を見せてあげられない立場として、伝えるべきものは「姿勢」だと思っています。もちろん「言葉」も必要ですが、その言葉を作り出す源泉としての
誇りや自信。「誇り」かあ...全うな生き方を精一杯。これを徹底すること、だねー。
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すばらしいです!!いつもの硬質さとはうってかわって、とても柔らかく優しい言葉で櫻井さんが語りかけてくれます。
何度も何度も読み返したい本です(*´▽`*)
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櫻井よしこさんといえば、『今日の出来事』のニュースキャスター
でご存知の方も多いのではないでしょうか?
最近は、雑誌で彼女の記事をよく目にしますし、時々はテレビでパ
ネリストとして発言するところお見かけもします。
新聞を読んでみても、テレビのニュースを見ていてもおよそ中立と
思えないものが多いように感じています。その中にあって今日の出
来事の中の彼女の発言はほかと一線を画していたように感じていま
した。
彼女の歴史観、政治倫理観などに触れるときとてもすっきりとした
気持ちにさせられることが多くあります(難しすぎてすっきり、と
は行かないことも多々あります)。それでも筋が通っていると僕は
感じています。しかも彼女はいつも冷静でそのくせとても迫力があ
るのです。
# とある番組で女性の社会的立場を声高に、しかもヒステリック
# にわめき散らす某女性タレント(?)Y・Tと討論する場があり
# 櫻井よしこさんの落ち着いた態度にはとても感動しました。
さて、本の感想。
櫻井さんの雑誌などで書かれている記事とは違いとても平易で優し
い文体で終始綴られています。彼女が考える日本人の美徳、という
視点で語られています。
彼女のプロフィールを見てもわかりますが、ベトナムで生まれ、日
本で育ち大学はハワイという経歴。その経歴に裏打ちされているの
でしょう。日本を外からも内からも見た人でなくてはかけない文章
なのかもしれませんがとても素直に読むことができました。
彼女のように、広い視野を持ち他人を思いやり、そしてこの国を良
い方向に向かわせたいという思いを活動に結び付けていくのはとて
も難しいことだとは思いますが、少し自分を見直さなくては、と改
めて考えさせられました。
読み始めるとあっという間に読めてしまう作品です。
是非一度手にとって読んでもらいたい本です。
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・家族一緒に食事をする
・弱い者を守る
・家族の最後は看取る
など昔ながらの日本人の生き方の素晴らしさが書かれています。
神道のことも述べられており、大変心象深く感じました。
古来からの日本の宗教は神道でした。
古来の神道は建物などなく、一例として、大きな石の上に御幣紙をつけ、そこの神さまをお招きした素朴なものでした。
そこに絢爛豪華な仏さまが現れました。
聖徳太子は、両方受け入れましたが、根幹を神道とされ、新しい宗教を枝葉とされました。
宗教とは排他的で唯我独尊的なところがあります。
しかし、日本人は和の心を持って神道を根幹にクリスマスなども寛容に取り入れています。
この大らかさが他の宗教にはない神道及び日本人の良いところではないかと思います。
また、そのことが前段にも記載致しました家族愛などにも通じるものと思われます。
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どんなに難しい問題でも実証を交えながら論理立てて分かり易く解説してくれる櫻井さん。生活、仕事、家族、教育、戦争、憲法など、日本人なら一読に値する言葉が溢れている。
溶けゆく日本を救うには「教育」しかない。時間はかかるだろうけれど長期的な視野で取り組んでこそだろう。保守政治の台頭を望む。
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私の好きなジャーナリストの一人である、櫻井よしこさんの本を読みました。
日本でもそんなにいないきちんと「正論」が言えるジャーナリスト。
時にして「正論」すぎて「水清くして、魚棲まず」的なこともありますが、
それでも、ここまで言い切れる人は素晴らしいですね。
この本で、日本が大切にすべきこととして、歴史、子供、言葉、そして仕事
を強調していると思います。
歴史を学ぶことにより、自分の国の文化に誇りを持ち、日本のもつ伝統的な
価値観を大切にし、歴史から外交や経済政策を見直すことを挙げています。
言葉を大切にすることにより、きちんとした情報を提供したり受け止めたり
する力を養い、強さややさしさといった精神性を磨くことができます。
子供を育むためには、大人が子供から尊敬される存在になること、
親が友達ではなくて、指導者であるべきであること、日本の伝統文化を
身につけさせることを説いています。
そして仕事。夢の確認をすること、その上で、今の自分を受け入れて、
その上で自分を磨いてひたすら前進することを主張しています。
この本の中で、聖徳太子の外交術や「品格」という言葉がブームになるのを
危惧している記述など、共感できる部分がたくさんありますが、その中で、
日本国憲法の第三章についての考察が印象に残っています。
そこには「国民の権利及び義務」について書かれていて、「あなたにはこういう権利があります。だからそれを行使しなさい、要求しなさい。あなたは個人です。権利と自由を持った個人なのです」というようなことを書いてあります。
でも、権利の裏には責任があり、自由の裏には義務がある。それを果たしなさいということがすっぽり抜けている。また、自分だけでなく周りのことも考えなさいという価値観も抜けていますよ。ということでした。
実際、日本国憲法の第三章に出てくる言葉を数えてみると、「権利」が16回、「自由」が9回なのに対し、「義務」「責任」が3回ずつなのです。
今の社会に権利や自由が先走り、義務や責任がおざなりになっている。
そう思えてならないと感じる私にとってはとても共感ができるし、
強い見方ができたような気がして、読んでいてとてもうれしくなる本です。
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彼女の出ている番組はチェックしてまで見たりしていたんですが、著書は読んだことなかったなぁと出版年度が新しいものを借りてきました。
第1章 価値観と私らしさ;
第2章 日本人が忘れつつある大切なこと;
第3章 大人が子供に伝えるべきこと;
第4章 歴史の中の日本人;
第5章 読書と言葉;
第6章 仕事と夢;
最終章 旧きを知り、新しきを目指す
長岡で育った人だとは知っておりましたが、ベトナム生まれなんですね。
そんなところでまずびっくりしたぐらいにして。
田舎で育った身としては、田舎の慣習などは面倒くさいものだけれど、踏襲しなければいけないものというあきらめもあったのですが、その辺が日本人としての背骨なのかしらと勝手に思いつつ読みました。
うん、
みっともない、お行儀が悪い
は、忘れちゃいけないのだと改めて。
そして言語の大切さ。
日本語は大事にしたいと思ったものです。
続けて彼女の本は読んでみたいと思います。
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櫻井よしこさんの著書を読んだのは初めてでしたが、まず第一に、人間的な優しさに溢れているのに驚きました。冷静な視点と歯切れの良い分析力でニュースキャスターをされていたので彼女の著書も論理的に硬い文字が連なるのかと思いきや、心底内容を読者によく理解して貰って、「古き良き日本人の心根」に気づいてもらい、そういう優しさに溢れた人々が日本にいっぱい育って欲しい、という思いからでしょうか、とても優しさに溢れた内容を、噛んで含めるような表現で書かれています。
年老いた親への接し方を紹介されていた部分は、私自身ハッとしながら、何度もページを繰り戻して読ませて戴きました。
この本でこれまでの自分の生き方で、人間として恥ずかしかった点や、(この歳にして!)「あぁ、そういうことだったんだ!」と言うのがようやく気づいた点など、一杯得るものがあるに違いありません。
ぜひ皆さんもじっくりと読んでみてください。一読後には、自身で「自分自身が身の回りの世界を見る目が変わってしまっている」ことに気づかれるのではないでしょうか。
本当にすごい著書です。子供達が家を離れるときにはぜひ贈りたい本です。
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[ 内容 ]
日本人が忘れかけている、とても大切なことを取り戻そう。
櫻井よしこが大切にしてきた生き方のエッセンスが満載。
[ 目次 ]
第1章 価値観と私らしさ
第2章 日本人が忘れつつある大切なこと
第3章 大人が子供に伝えるべきこと
第4章 歴史の中の日本人
第5章 読書と言葉
第6章 仕事と夢
最終章 旧きを知り、新しきを目指す
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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櫻井よしこさんのことは以前から大変女性として、そして大人として魅力的な人だと思っていました。著書を見かけ、そのタイトルに惹かれて購入しました。少し前の著作ではあるのですが、日本人としての自覚に関して、とてもやわらかい言葉で述べられていました。ですので、大変読みやすい本であると言えます。これから社会人になる方や、学生さんにもおすすめできます。ただ、少々、個人の感想論で終わってしまっているのが残念というか、もう少しそれこそお話を伺いたいのに…ということで、星を4つにしました。
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テレビで櫻井さんを拝見すると、
知識の深さ、相手の意見をまずは聞く冷静さ、
主張するべきことを分かりやすく伝える能力に感嘆する。
著書を読むのは初めてだったが、文章もさすが、読みやすかった。
ただ、若者向けに書いた本なのか、櫻井さんにしては易しい文章で、あまり突っ込んだ内容が出なかったのが残念。
興味深かったことの1つに「卑弥呼」という呼称の解説があった。
卑弥呼は「卑しい弥と呼ぶ」と書く。おかしくないか?と。
名前の由来は諸説あるが、当時は中国という大国が背後で支えていて、商人が日本へ来た時、貿易を取り仕切っていた女親分がいた。
その彼女を中国人は卑弥呼と呼んで家来のように扱っていた、とも言えると。
言われてみて初めて、卑弥呼という漢字は差別的であると気づく。
そこから中国と日本は対等な関係ではなかったと分かる。
だから聖徳太子は常に対等な立場で外交をするよう努め、成功もした。
また聖徳太子は宗教においても業績を残す。
日本古来の宗教=神道と新しく広まった仏教、両方とも受け入れたのだ。
「新しい宗教を受け入れるが、それは枝と葉っぱであって、神道は幹だ」という教えとともに。
宗教の問題は海外では戦争にもなる問題。
そういった歴史から日本人は穏やかで寛容だけれど、その中に自立心や誇りを持っていたことが分かる、と。
それを我々現代の日本人は知る必要がある、受け継ぐべき、という考えは私も大いに賛成することだった。
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一本筋が通っていて、強くてかっこいい大人の女の人だなあと思いながら読んだ。現代を語るのに縄文時代が出てきたりとか考えたこともない視点からの語りかけに、んーなるほどーって、腑に落ちる点も多かった。ただ著者とわたしとでは圧倒的に経験の差があるから、櫻井さんが危惧している現代日本の問題は、これから先わたし自身が時間をかけて体感すべきことなんだなと思った。そのきっかけになる本でした。「読書」と「仕事」の章は今まさに欲しい言葉がたくさんあってなんだかうれしかった。気持ちがふらつくときに読み返したいです。
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先日、とある番組で櫻井よしこさんが、
韓国、中国のジャーナリストの方たちと対談されているのを見ました。
普段、テレビを見ることがほとんどないのですが、
発言の力としなやかさに魅了されて、最後まで見ちゃいました。
そんなこともあり、手にした1冊。
櫻井よしこさんという方をもっと知りたい、
それと、自分は日本人として日本を知らなすぎる気がして。
大変読みやすく仕上げられていますが、
本書からは自分が、今、ほしいと思っていたエッセンスが
沢山吸収できたし、書籍からすごく体温を感じることができました。
自分にとって、今まさにこのタイミングに必要な本だったと思います。
…ということで、久しぶりに☆を5つつけました♪
印象に残った言葉。
今の日本人にこの言葉はどれくらい響くのでしょうか。
「権利の裏には責任があり、自由の裏には義務がある」
第1章 価値観と私らしさ
第2章 日本人が忘れつつある大切なこと
第3章 大人が子供に伝えるべきこと
第4章 歴史の中の日本人
第5章 読書と言葉
第6章 仕事と夢
第7章 旧を知り、新しきを目指す
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とても優しく柔らかい文体で書かれています。
日本人の性質を考えるのに縄文時代にまで遡ったり、たくさんの知識と深い考察を感じます。
日本人として大切にしなければならないことを的確な言葉で著してくれており、読むたびにはっとします。
学ぶこと、考えること、公正な目を持つこと。それが櫻井さんの優しさにも繋がっているような気がします。
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●ものから自由でありたい:ものをたくさん所有していることは、豊かであることの一つの側面ではあるが、同時に精神の自由を縛られることもある。
●どんな本を読むべきか、教える時代になった:今、世界中にだいたい3400万点の書籍がある。昔は「何でもよいから好きなだけ読みなさい」と言われた。乱読したところで、本の点数がそんなに多いわけではないからどこから始めても到達すべきところにだいたい到達できた。今は「多すぎることによる不幸」。今こそきちんとした読書指導が必要な時代。