「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
マンガはどう進化してきたのか? あの作家のどこがすごいのか? 『朝日新聞』で傑作コミックを紹介してきた著者による、現代マンガ進化論。井上雄彦をはじめ、60人以上の作家を読み解き、現代マンガのDNAを解析する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
南 信長
- 略歴
- 〈南信長〉1964年大阪生まれ。マンガ解説者。『朝日新聞』『アサヒ芸能』『サーカス』など各紙誌でマンガ解説執筆。編著に「消えたマンガ雑誌」など。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
漫画の海をたゆたいながら
2009/11/12 21:14
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジェニファー - この投稿者のレビュー一覧を見る
漫画評論は比較的よく読むのだが、たまに読んでいてやるせない気持ちになることがある。
批判的すぎるというのか、大上段に切り捨てているというのか、「文芸評論」と比較すると、どうも上から目線で批評しているパターンが多いような気がするのだ。
そんな中にあって、個人的に一番安心かつ信用して読んでいるのが、この南信長の評論だったりする。
なぜこの人の批評なら安心できるのかというと、ベタな表現だが、そこに「愛が」あるから、としか言いようがない。「好きだから紹介している」という基本スタンスが、常に明確に打ち出されているのだ。
この本では漫画界全体を俯瞰する立場から解説しているので、普段の筆致に比べるとややクールではあるが、一人ひとりの漫画家に対する姿勢は真摯かつ丁寧。そして取り上げている漫画家も、王道に限らず、幅広くなおかつジャンル問わず。
「ギャグマンガ」「ストーリーテラー」「少女マンガ」など、ジャンルごとに詳細な分布図を作成しているのだが、これがまたすごい。まさに、漫画という大海の海図のよう。
しかも、手塚治虫とか、萩尾望都とか、大島弓子とか、岡崎京子とか、確かに漫画への貢献度は高いけれど、ちょっとサブカル気取りの評論家なら誰でも取り上げるような漫画家に絞っていない。
いしいひさいちとか、西原理恵子とか、槇村さとるとか、確実に読者はいるのになぜか批評の対象にされにくかった漫画家を、丁寧に取り上げてくれているのは非常に嬉しい。
ただちょっと気になるのは、漫画家のルーツを辿るのに、かなりの確率で「インタビュー」を資料としていること。「どの漫画家の影響を受けているのか」って、確かに本人の談話以上に真実を語るものもないだろうけれども、インタビューってその場のノリとかもあるし、掲載されている雑誌のコンセプトとかもあるだろうし、あんまり鵜呑みにしすぎない方がいいような気もするのだが…。
まあ、漫画なんて絵柄だけで誰の影響を受けたかなんて断定できないし、勝手な憶測でルーツを作っちゃうよりかは真っ当な方法か。