紙の本
派手さに隠された「悲しい決意」
2010/01/15 21:05
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『悪夢のエレベーター』に続く、題して「閉じ込められ」シリーズ第二弾。今回閉じ込められるのは大阪は天保山にある大観覧車。キャビン(観覧車の一部屋)の数は60台。
ゴールデンウィークということもあり、多くの客で賑わう天保山。大観覧車のキャビンは60台すべて埋まるという盛況ぶり。そんな微笑ましい休日のある日、大観覧車がジャックされた! ジャックしたのはチンピラの大二郎。人質は同乗していた医師のニーナと、他の59台のキャビンに乗っているすべての乗客。1台に2人乗っていたとしても人質の数は軽く100人を超える。身代金は6億円。請求する相手はニーナの父親だ。
物語は、不運なことにジャックされた時間に大観覧車に乗り合わせてしまった一組の家族4人、伝説のスリ師とその弟子候補、別れさせ屋の女、そしてジャック犯である大二郎と人質のニーナを中心に進んでいく。一見まったくの無関係に見える主要登場人物たちだが、その意外な関係は、大二郎をはじめとする数人の人物たちに回想させることによって浮かびあがってくる。点と点とをつなぐことで見えてくるリンク。演出家である木下半太の腕の見せ所といえるだろう。
そもそも大観覧車に籠城などして、身代金を手に入れることはできるのだろうか。当然の質問だ。しかしその答えはネタばれになってしまうので、ここではふれないでおくことにする。その答えは、本を読んだ人だけのお楽しみ。ちなみに、本屋で最後の方のページをちらちらっと立ち読みするくらいでは、答えがわからない構成になっています、念のため。
大観覧車をジャックしての身代金要求。とてつもなく派手な事件の裏には、想像だにできない大二郎のち密な計画と、悲しくて切ない悲劇がつまっています。ぜひ読んでもらいたいお勧めの作品です。
電子書籍
悪夢シリーズNo.1
2019/05/27 09:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みかん - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつもハラハラドキドキする悪夢シリーズの一冊。最後までドキドキさせてくれる一冊で、一気読みをついしたくなるような本です!
紙の本
一気読み
2018/10/04 06:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Bocchi - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯のレビューに一気読みとありましたが、次どうなるの!?の連続で、本当に一気読みしました。伊坂幸太郎さんの小説が好きな方ならはまるかもしれません
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悪夢のエレベーターが小説として陳腐だったので、不安に思いながら読んだら楽しめました。
前の作品よりだいぶリーダビリティが上がりました。この人の持ち味であるコミカルさは残したまま、地の文が多少まともになったからでしょう。
人質は観覧車に乗っている観客全員。身代金はどうやって受け渡すのか?どうやって逃げるつもりなのか?
この劇的な状況のなかでおもに描かれるキャビンの中は四つ。
犯人である大二郎と人質のニーナ、朝子と賢治家族、仕立て屋銀二、別れさせ屋美鈴。
物語が進むにつれ大二郎の目的や計画が明らかになってきます。
復讐の手段はなかなかおもしろかった。うん。
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いっきに読めました。
笑い、感動ありの作品♪
悪夢のエレベーターよりこちらの方が面白かったと思います
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エレベータが面白かったので
観覧車も読んでみようと思ったので買ってみた。
前作(エレベータ)とは登場人物は一切関係ないと思う。
悪夢の舞台は観覧車(前回同様密室というかとても限られた場所)
ただし、閉じ込められる人数は100人以上のスケールアップ。
一週間前→今→過去(回想)→今 と本の順序良く
本の通りに読み進めて行くと、世の中って哀しい。
とかなんとか感傷的な感じになるかも。
つながりの大切さとつながりの恐さを同時に味わえる。
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下品なのは苦手だなあ・・・。。。
はじめのほうで読むのやめたくなったけれども、
ミステリーとしては結構おもしろかった。
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誘拐事件でもっとも難しいとされるのは金銭の受け渡しだといわれている。
そんな中で前代未聞の誘拐事件が起きた。
全60台もある巨大観覧車の中で誘拐事件が発生したのである。
犯人を含めた100人以上が人質。
こんな状況でどうやってお金を受け取り、逃げ切ろうというのだろうか。
犯人お得意のマジックのように行うのだという。
そしてそれに便乗していくつもの事件が絡まりあい、明らかになり行くいくつもの過去。
いつしかそれはすべて繋がっていた…
巧妙なキャラ設定と見せ方。
今回はそれぞれのバックグラウンドまで丁寧に追っているので時に切なく、複雑な気持ちになるがそれにより物語に深みが増している。
前作よりもさらに読み応えのある悲しくも切ないミステリーコメディ。
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悪夢の観覧車を読んで、アタシはこの人のファンになりました。
観覧車みたいにぐるぐるいろんな人の物語が絡み合って、オチでスッキリできる感じですね。
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終わりのための設定かなーというのもありましたけど、終わりが素敵過ぎるのでまったく問題ないです^^
死人が出てくるのにどうしてこんな爽やかに終われるのか。
舞台で見てみたい。無理か。
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「悪夢のエレベーター」の第2弾。
最初に感じたように、やっぱり「観覧車」の方が面白かった。
プロットもしっかりしてるし、最後まで展開が読めなかった。
文体はあんまり好きじゃないけど、このシリーズ、次が出たら、また読んじゃうかな・・・
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すっとんきょーな家族だけど、読み終えれば、ちょっといいなと思える。「男なら、どんな時も、ロマンチックに生きろ」という言葉が最後にはとても意味のあるものに。とてもおもしろかった。
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これは面白かったなあ〜。前に「悪夢のエレベーター」を読んで、楽しめたけど、こちらの作品はさらに楽しめました。この作者の「悪夢」シリーズ?「悪夢のドライブ」が出ているのでそちらも読みたくなりました。
ゴールでウィークのさなか、手品が得意のチンピラ大二郎が美人医師を人質に天保山にある大観覧車を爆弾を仕掛けてジャック。何と身代金は6億円。白昼堂々の公開誘拐事件で、果たして身代金の受け渡しはうまくいくのか、、なかなか興味の尽きないサスペンスものですが、どこかコメディっぽいところが、また魅力にもなっています。ところが、事件が進むと、観覧車に乗り合わせた人々の過去から・・・(と、これ以上はネタばれで言えませんが)なかなか切ない面もあって、意外な展開でした。
ちょっと切ない場面やコメディっぽい場面が、犯人像を憎めない犯人のように仕上げていて(実際、身代金を払う脅迫されている側が相当に悪人(^^;)、「陽気なギャングが地球を回す」的な気分になりました。とにかく、読みだした止まらない熱中をしたという点からも今年、1〜2位を争う面白さでした(^^)
次作をさっそく本屋に探しに行ったけど在庫がなかったです。「のぼうの城」のあとの「忍びの国」の時もそうでしたが、今回は「忍びの国」はたくさんの本がありました。結局「悪夢のドライブ」は買わずに(アマゾンででも頼んでおこう)、「平等ゲーム」「妃は船を沈める」を買ってしまいました。
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相変わらず、テンポ良く、重要人物を殺す事を厭わない。
読み易く、若干感動もあり、楽しませて頂きました。
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「悪夢」シリーズの第2弾。前作の「エレベーター」よりサスペンス度は確実にアップしています。登場人物の複雑に絡み合う過去も面白さに拍車をかけてくれます。是非、映像化してもらいたい作品です。ただ前作でもそうでしたが、死の場面があっさりし過ぎているようで、その辺りだけが少々違和感がありました。