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紙の本
くつろいだ雰囲気の中、横溝正史のミステリ指向が生き生きと伝わってくる対談集
2009/02/13 18:27
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小林信彦と横溝正史、ミステリを愛する同好の士、ふたりの間に流れるくつろいだ雰囲気が、いい感じで行間から伝わってくる対談集。1975年(昭和50年)8月25、26日の対談を収めた第一部【「新青年」編集長時代から喀血まで】と第二部【自作を語る】、1976年1月12、13日の対談を収めた第三部【同時代作家の回想】と第四部【クリスティーの死と英米の作家たち】がメインとなる一冊。
これに、横溝正史のエッセイ【探偵茶話】(1947年)と、江戸川乱歩【『本陣殺人事件』を評す】(1947年)、坂口安吾【『蝶々殺人事件』について(「推理小説論」)】(1950年)、高木彬光【『獄門島』について】(1949年)の三つの書評を掲載しています。
最も興味深く感じたのは、横溝正史がクリスティーの推理小説をとても高く評価していたこと。クイーンやカー、ヴァン・ダインの推理小説以上に、クリスティーのミステリーを買っている印象を持ちました。
探偵・金田一耕助をつくった動機、国内ミステリ屈指の名作『獄門島』にまつわるあれこれ、ミステリの核となるトリックを思いつくのはどんな時か、江戸川乱歩との関わりといった話にも、興味を引かれましたね。
夢野久作の『ドグラ・マグラ』読書中に、横溝正史の精神状態がひどく不安定になったことや、乱歩に勧められて読んだクレイグ・ライスのミステリの軽妙な面白味、魅力について横溝が書いている文章なんかも印象に残りました。
横溝正史の推理小説のマイ・ベスト5は、『獄門島』『本陣殺人事件』の二大傑作、中篇『鬼火』、『車井戸はなぜ軋る』『蔵の中』の短篇ふたつ。