「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
世界中の人間には、それぞれに一日だけ、すべての願いが叶う日がある。それが、サービスデー。神様が与えてくれた、特別な一日。本来は教えてもらえないその日を、思いがけず知ることになったら。直木賞作家の幸運を呼ぶ小説。【「BOOK」データベースの商品解説】
世界中の人間には、それぞれに1日だけ、すべての願いが叶う日がある。それが、サービスデー。ある日、冴えない中年男が、見知らぬ若い女に今日が自分のサービスデーだと告げられ…。表題作ほか全5編収録。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
本日、サービスデー | 5−131 | |
---|---|---|
東京しあわせクラブ | 133−181 | |
あおぞら怪談 | 183−249 |
著者紹介
朱川 湊人
- 略歴
- 〈朱川湊人〉1963年大阪生まれ。慶應義塾大学文学部卒。「フクロウ男」でオール讀物推理小説新人賞、「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞、「花まんま」で直木賞を受賞。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
アタマとココロの遊園地。楽しんで、泣けてくる。
2009/06/30 00:18
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はりゅうみぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ほっとする。
働いて働いて、毎日毎日くたくたで。
満身創痍の世の中でこんな形の幸せが、1つくらいあってもいい。
「人生全肯定」なんて、お気楽過ぎて少々不安を覚える帯コピーを横目で見ながら読み始めれば、そこは思いもかけないワンダーランドだった。
5編のお話が創るアタマとココロのための遊園地だ。
「東京しあわせクラブ」ではゾクリと寒いお化け屋敷気分、「あおぞら怪談」ではコーヒーカップのごとくあったかいハラハラに振り回され、「気合入門」では宝の原石をつり上げるUFOキャッチャーの醍醐味に歓声を上げる。
もちろん当遊園地の目玉は、表題作「本日、サービスデー」だ。
胸一杯で言葉も出ないゴールに向かって急上昇・急降下するこのワクワク疾走感。まさにジェットコースター、短いながら最大アトラクションにふさわしい。
そして読み終わって初めて分かる仕掛けに驚き、天使やら悪魔やらコミックチックなキャラクターとナンセンスギリギリのストーリー展開が実は緻密に計算された演出である事に更に驚き、どんなに孤独を感じようと無人島で生きているのではない限り人は1人で生きているのではないと思い知らされ、なお一層驚くのだ。
この本を開く前には確かに重かったアタマとココロ、本を閉じた時にはなんだか軽くなっている。
両手を腰に、「よし、もうちょっとがんばろう?」とつぶやく自分がいるのだから。
喜劇は悲劇より、より確かな人間観察の目を必要とする。黒をより深く美しく表現するには白の良さを知らねばならないからだ。
この作者がコメディもいける。それも当然のことだった。
元気の出た後、もう一度、今楽しんだ遊園地を振り返る。
作者はここに何を託したのか。なぜ、この順序で私はアトラクションを体験したのか。
ここに来た今日があなたのサービスデー。だから…。
ソウカ、ソウダッタノカ。
なんと温かいメッセージ。心の底からほっとする。