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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2009.2
- 出版社: 徳間書店
- サイズ:20cm/251p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-19-862683-9
紙の本
日本はもうドイツに学ばない? 20世紀の戦争をどう克服すべきか
著者 川口マーン惠美 (著)
歴史の袋小路に入った世界のなかで、混沌の21世紀を生きのびるのはドイツか日本か? 増える老人、足りない年金、破綻する医療保険、少子化、学校崩壊など、ドイツで暮らす著者が耳...
日本はもうドイツに学ばない? 20世紀の戦争をどう克服すべきか
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商品説明
歴史の袋小路に入った世界のなかで、混沌の21世紀を生きのびるのはドイツか日本か? 増える老人、足りない年金、破綻する医療保険、少子化、学校崩壊など、ドイツで暮らす著者が耳にするニュースをまとめる。〔「日本とドイツ 歴史の罪と罰」(徳間文庫カレッジ 2015年刊)に改題〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
川口マーン惠美
- 略歴
- 〈川口マーン惠美〉1956年大阪生まれ。旧西ドイツ・シュトゥットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科修了。著書に「フセイン独裁下のイラクで暮らして」「ドイツは苦悩する」「あるドイツ女性の二十世紀」など。
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紙の本
題名は少し工夫が必要だったと思うが、現代ドイツ事情を大変興味深く伝える一冊
2009/05/03 12:46
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は「諸君!」など保守系雑誌に発表した原稿を中心にしていて、普段なら手にしない種類の書なのですが、実は私はこの著者の大ファン。今回も、著者が長年の在独生活の中で知ったドイツ戦後史、そしてEUをめぐる現代政治史の興味深い物語が満載で、一気呵成に読みました。
先の大戦についてドイツは謝罪や賠償をしたが日本はしていないという論調に対して著者は、ドイツの戦後賠償がナチス犯罪の犠牲者に対する道義的な個人賠償であって、平和条約に基づく日本の戦時賠償とは異なることを、歴史的背景をたどりながら説きます。この部分には大変教えられるところがありました。
シュレーダーとプーチンの蜜月関係によって築かれたエネルギー政策が、ドイツの原発廃止政策とロシアの原発増設計画とセットになっていて、ロシアの原発が増えることがチェルノブイリの悪夢を再び呼び起こす恐れはないのかと著者は警告します。
大統領と首相が双子であるポーランドがEU新基本条約をめぐってメルケルに敵愾心をむき出しにしたこと。そのメルケルが、ダライ・ラマの訪独に際して中国政府に対して毅然と対応したことなど、日本にいるとなかなか伝わらない(旧東ドイツ地域出身の)女性首相の人物像についても読むことができます。
ひとつだけ気になった点を指摘しておきます。
日本の識字率の高さを評価するくだりで、「世界広しといえども、映画館で画面と字幕スーパーを同時に見て、みんなでガハハと笑うのが当たり前という国民は、日本以外にはどこにもいない。」(239頁)とありますが、これは事実ではありません。私は中米ホンジュラスや香港の一般的な映画館で米国映画を見た経験がありますが、どちらもそれぞれスペイン語と中国語の字幕を付けて上映していて、地元の若者たちがガハハと笑っている姿を見たことがあります。
著者はドイツやヨーロッパ以外のことをあまりご存知ないようです。