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商品説明
恋人同士でありながら、肉体の交わりを持たない。少女の倒錯の蕾は、今、大きく花開こうとしているのだった。官能小説史上、最高の純愛。【「BOOK」データベースの商品解説】
恋人同士でありながら、肉体の交わりを持たない愛理と雪彦。少女の倒錯の蕾は、今、大きく花開こうとしていた…。限りなく官能的で、限りなく甘酸っぱい、最高の純愛小説。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
森 奈津子
- 略歴
- 〈森奈津子〉1966年東京都生まれ。立教大学法学部卒。女流官能の旗手として性愛と笑いをテーマとした作品を多く発表。著書に「西城秀樹のおかげです」「からくりアンモラル」「電脳娼婦」など。
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紙の本
正直、こんなにエロいとは思っていませんでした。いやはや、本物の18禁です。ま、面白いっちゃあ面白いんですが、娘に読ませるわけにはいきませんです、はい・・・
2009/09/12 20:21
6人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初に断っておきますが、エロイです。いえ、ジェイムズ・エルロイじゃなくて、シンプルにエロイです。同性愛だけのつもりで手にしたんですが、濡れ場の連続です。最初は普通の男女のシーン、いえいえ、完全に被虐的なショー形式で、それが次はレズ。その後は乱交、SM、ホモとまあ毎回毎回手を変え品を変え、正直、隠れての実演以外は、小説を除けば再現不可能。とうていわが家の結婚前の娘たちに読ませられるような内容ではありません。
それを出版社がどのように宣伝しているかといえば
*
「愛里、本当に、どんな目にあわされても、いいんだね?」「ええ」「わたし、雪彦兄様を愛しているもの」「愛里、ぼくは理由まで訊いてないよ」スッと冷えた雪彦の声に、たちまち愛里は身を堅くする。「余計なことは喋るな。イエスかノーか、それだけをこたえればいい。今日からおまえは、ぼくの奴隷なんだからね」
18歳の乙女・愛里の恋人は、10歳年上、従兄の雪彦。でもその関係は、普通じゃない。愛里は雪彦の奴隷だったのだ。愛里はさまざまな性癖を持つ雪彦の知人たちに「レンタル」され、性の調教を少しずつ受けていく。そして雪彦はその代金で、愛里にひとつずつ、性愛のための道具を買い与えていくのだった……。
「特選小説」に長期連載された、性愛の夢想人・森奈津子の「妄想の集大成」
*
がそうで、カバー折り返しの主な登場人物リストをコピーすると
*
・愛理……本書のヒロイン。十八歳の大学生。雪彦に恋するあまり、“特別な関係”を受け入れる。
・雪彦……二十八歳。脚本家。愛理の従兄にして“恋人”。愛理を性の奴隷として扱う。
・静子……初老の婦人。バー〈ディオニュソス〉の経営者。「サチュロスの会」の世話役。
・城之内…老紳士。「サチュロスの会」会員。
・藤川……バーテンダー。「サチュロスの会」会員。愛理にとって初めての男性となる。
・美和子…フライトアテンダント。「サチュロスの会」会員。レズビアン。
・恵………愛理の親友。
・花奈子…恵と同じサークルに所属する少女。
・光………美少年。花奈子のクラスメイト。
*
となりますが、これに少し補足しましょう。愛理は東京の私立大学の国文科に入学したばかりの一年生で、雪彦に性の奴隷、レンタル・ドールにされる時まで男を知りませんでした。で、彼女に最初に性的な触れ合いをするのが静子で、その次が城之内です。城之内は老人ということでもあり、男性としての機能は失っていますが、女性を喜ばせる技術と優しさでは若い人に劣りません。そういう意味で、最初に性の喜びを愛理に教えるのは、城之内です。
交わる、という意味で最初の男は藤川ですが、愛理はその男が藤川とは知りません。藤川は二十代後半のがっしりした体つきの男性ですが、職業柄か極めて人当たりがよい人間です。それと美和子ですが、レズビアンであっても、男がダメというわけではありません。年齢は二十代後半です。
恵はこの話の中で性的なことで語られることはありません。あくまで学校の友達です。でも花奈子は違います。この美少女はその美しさと無邪気な言動で愛理を戸惑わせ、魅了します。一応、ノンセクシャルとなっていて、愛理の思いには気づきません。そして愛理の前で、花奈子に手を出そうとするのが色事師てきな言動をする光です。
あとは読んでもらうしかありません。
この本のカバーのストイックさは、一見、これが奔放な女子大生の性を扱うほとんどポルノといってもいい小説のしれとは思えません。ほとんど真っ黒なところにピンクの細い文字があるだけのシンプルさで、ちょっと妖しいのは背で目立つピンクのマークです。何でしょうか、子宮のデザイン化したものでしょうか。でも、そのカバーから表紙のピンク色がチラっと見えるとこれがなんとも艶めかしい。そんな Design 岩郷重力+WONDER WORKZ。普通、装幀家は一応本の内容に目を通すそうですが、岩郷さんはこれをどう読んだのでしょうか。
最後に、もくじを写しておきます。
1――夢見るレンタル・ドール
2――銀の首輪の少女
3――顔も知らない想い人
4――女主人の愛し方
5――乙女の祈り
6――アマゾネスの罠
7――虜囚アリス
8――ソドムの男
9――もう一つの愛すべき部分
10――裏切りの饗宴