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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2009.4
- 出版社: 白水社
- サイズ:21cm/155p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-560-06801-4
紙の本
解説がくわしいスペイン語の作文
著者 山村 ひろみ (著)
スペイン語の基礎文法をひととおり学習した人が独力でスペイン語作文を練習するためのテキスト。スペイン語らしいスペイン語文を書くためのツボをピックアップし、練習問題に解説を加...
解説がくわしいスペイン語の作文
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商品説明
スペイン語の基礎文法をひととおり学習した人が独力でスペイン語作文を練習するためのテキスト。スペイン語らしいスペイン語文を書くためのツボをピックアップし、練習問題に解説を加える。書きこみ欄あり。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
山村 ひろみ
- 略歴
- 〈山村ひろみ〉1957年生まれ。東京外国語大学大学院修士課程修了。九州大学大学院言語文化研究院教授。著書に「スペイン語会話「決まり文句」600」など。
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著者は九州大学教授/点過去と線過去の相違点についての長年の疑問が氷解した
2009/04/26 11:28
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
再帰代名詞seを用いた文章、間接目的格代名詞を用いたgustar型表現、接続法など、英語では見かけないスペイン語独特の表現を用いた文章を自習できる参考書です。スペイン語初級者向けというよりは他書でスペイン語の文法項目を一通り修めた中級者にお勧めの一冊です。
私が最も刮目に値すると感じたのは、点過去と線過去の相違点を扱った箇所です。
著者は、点過去は「過去に起こった【出来事】」を表し、線過去は「ある特定の過去の時点における【状況】(=「属性・性質」)を指し示すとします。
これまで様々なスペイン語文法書にあたってきましたが、この【出来事】か【状況】かというキー・タームで点過去/線過去を区別する発想は見たことがありません。しかし、確かにこの二つのタームを通して見ると、点過去/線過去が実によく理解できるのです。
さらには、「昨日、福岡はどんな天気だった?」という発話に対して「とてもいい天気だったよ」と返答する場合、スペイン語では「Hizo muy buen tiempo.」と点過去を使うとあります。日本語の思考では「いい天気だった」というのは「天気の【状況】(=「属性・性質」)」を示すように感じますが、著者の説明ではこれは天気のことを「話し手がどのように評価したか」が問題になっていて、スペイン語では評価が【出来事】として捉えられ、その結果、点過去が使われるというのです。これは実に明快な解説です。
国立情報学研究所の論文情報ナビゲータCiNiiで調べたところ、本書の著者には「日本語母語話者のためのスペイン語点過去と線過去の教授法をめぐって」(2008)という実に優れた論文があり、まさにこの【出来事】か【状況】かという仕分けはその論文で著者が新たに提言したものだったということがわかります。
なにげなく手にした150頁程度の小品でしたが、思わぬ拾い物をしたという気分でいます。