紙の本
自分の存在を読書に掛けるということ
2009/08/30 18:21
12人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る
単行本で読んだが 文庫になったので再読した。
前回は佐藤優を初めて読んだ本であったので 正直 驚愕しつつも読み切れていなかった自分に気がついたところだ。前回読んだ後に 佐藤優の本のかなりを読んできたことで 彼と彼のバックボーンに詳しくなった。その上で 本書を読むと自分なりに読み方が深くなったことに気が付き 非常に嬉しいものだ。
500日を超える留置所で佐藤を支えたのが読書であることが はっきりと浮かび上がってくる。読書には 趣味や楽しみという面も大きいわけだが本書から浮かび上がる読書とはそのような「気楽」なものではない。まさに自分の存在を賭けて本に立ち向かう著者の姿には凄味がある。
本とは 著者との会話である。佐藤は孤独な獄の中で 実に多くの著者と「会話」している。その会話が 彼の背骨となり足腰となって 500日を超える日々を耐えた。かつ 獄を出た後の彼の大活躍も この500日の読書の日々にある。
本書を再読して 改めて 自分の「読書」を反省している次第だ。
紙の本
その精神力に感嘆
2015/12/24 23:17
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねったいぎょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
国策捜査により逮捕された筆者であるが、獄中で読書をしたり勉強をしたりで、生活を楽しんでいるのがすごい。ここまで精神力の強い人は、なかなかいないだろう。この本は、獄中での筆者の日記であるが、日記とは思えないほど文章が知的である。文庫にしては値段が高いと思ったが、内容からするとむしろ安いだろう。
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2009/4/18 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2012/4/6~4/27
佐藤優氏が東京拘置所に入っていた514日間の記録。私も今年からライフハックじみたことを始めたが、なかなかここまでは出来ない。確かに拘置所という特殊な空間に居たとはいえ。自分とは全く違う資質を持つ佐藤氏に今後も注目したい。
文庫版あとがきにある拘置所の細かいルールはとても興味深い。
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戦後最強と言われた外交官佐藤優氏の著書。
こんな人間がいたのかと驚かされる。独房での時間を自己研鑽の場と捕らえ、ひたすらに読書と語学学習に取り組む氏。大学時代から神学を学び、それを外交に活かし、日本という国を引っ張っていったと言っても過言では、ない仕事をした人物。現在、偽計業務妨害の罪に問われ、起訴休職中。歴史に通じていて、語学が堪能であり、ウォッカをものともしない体質。素敵。この人の著書を読むと、ロシアに興味を抱く。ロシア語始めようかな。
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獄中での生活や思考がよくわかります。また知的活動の方法論としても優れた本だと思います。絶対のオススメの一冊!
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この本と「国家の罠」を併せて読めば北方領土問題に関する理解が随分と深まると思います。
検察官の執拗な取調べが続く中でも読書に耽り語学の勉強に邁進する佐藤氏の旺盛な知識欲に驚嘆させられました。
「とりあえずドイツ語の辞書を通読しよう」とか、なんかもう辞書を通読という発想からして次元が違うと思いました。
できることなら牢獄に入らないで済む人生を送りたいですが、読書や勉強に集中できる環境という意味では非常に魅力的な場所だとも思いました。
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人が社会と対峙するという意味、位置付けという概念の意味を考えさせられる作品。
確固たる社会的地位、人生の目標を失いつつある中、しなやかに現実を受け入れようとする筆者の姿勢に感銘を受ける。
サラリーマンにこそ読んで頂きたい本です。
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500日超の勾留中の膨大な読書・思索がまとめられた本。
・勾留期間中の読書量に圧倒される。
・仏教の認識論とユングと現象学が似ているという指摘に関心をもった。ヘーゲルが読みたくなった。
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この本は著者が下獄していたときのノートや手紙を元に編みなおした記録です。今回この本を読むのは三度目になりますが、その圧倒的な思索の量と質に驚きをかくせません。
どうも最近、こういう本ばっか読んでます。僕がこの本を読むのは今回を含めてちょうど三回目のことになりますが、読むたびに作者の強靭さと知識の深さ、量と。思索の緻密さに改めて舌を巻いたしだいでございます。この本は著者が当時、外務省のアフガン支援NGO問題に端を発したもろもろの政治事件に絡んで東京拘置所に下獄していた514日間の記録です。その間に自分のすべてを記録したノートを五分の一に圧縮したそうですが、それでもものすごい量で、これだけのことを獄中という特殊な環境でつづり続けたという事実は、作者の精神の強靭さと、辿ってきた外交官人生が以下に過酷なものだったかということを示すものだと思います。
もし、自分が信念を持って取り組んでいた仕事のために国や自分が所属する組織から裏切られてこのような境遇に自分がなってしまったときに、果たして彼のように『誠実』であることができるのだろうか?そんなことを自分に問いかけながら活字をずっと追っていました。でも、獄中の中でこれだけの思索ができるのは本当に見事としか言いようがありません。
作者は出獄後に論壇や文壇でその恐ろしいばかりの知識を使って、多彩な執筆活動を展開していくのですが、それが小菅の東京拘置所の中にその萌芽があったということに僕は驚きを隠せません。彼が読んでいた神学書や哲学書に関しては、相当難しいのでまだまだだなと自分を振り返りたくなりました。人はどんな境遇でも自分を見失わずにここまでのことができるのだと。そういう事実をこうして残してくれた筆者に、感謝します。
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512日に渡る拘留の記録であり、佐藤氏の著作の原点。房内で400冊も専門書を読んだという。外部の支援と共に信仰が大きな支えになったようだ。ソクラテスも魂の生まれ変わりを信じていた。信仰というものは非常時にこそ力を発揮するものなのだろう。
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哲学、神学的な話題が多く読め切れるか不安。佐藤は、小泉内閣による外交の路線変更の際の生贄になったと主張している。それを国策捜査と言っている。今の小沢の立場とはまた違っている気がする。途中熱が冷めたため放置。
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この本を読んでると怪物佐藤優氏に感化されて勉強欲が湧いてくる。牢獄に入りながらもこれだけ前向きに勉強に取り組めるとは。ピンチはチャンスとはこの事を言うのだろう
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こんなにも整理された思考のあり方に、自身の思考も沿わせて読み進めるが、とても及ばない。感情的な部分を廃しつつ、時折覗く心の声に、ほっとするくらい
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国策捜査は時代のけじめ。カネを稼ぐがカチ。カネで買えないものはナイ。そういう行き過ぎは駄目だよって。検察は釣り糸を垂らす。必ず釣ってやるから。って。カエシの鋭利な釣り針ですな。時代を転換するために何か象徴的な事件を作り出してそれを断罪する。運が悪かった人だけが捕まる。もし歯車が噛み合っていれば社会的成功者として賞賛されていた。はず。世論は大きな後押し。怖いよ。ほんと。あの時代、この時代を駆け抜けていった嵐のような象徴的な事件の数々。それが終わると何食わぬ様子であれは一体なんだったんだろうねって。真夏の花火は闇夜に消えて。祭りは終わり。人は散りぢり。ここまででやめておけ。ここまでならいいから。やりすぎるなよ。はい。だめ。超えたろ?どういう基準?たこ焼きと焼きソバに両手を塞がれて今年の花火はキレイだねって眺めていた人たちの基準だよ。
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すでに3~4回読んでるがまた読んでみた。
内省するうえでのヒントになるものがたくさんある気がする。