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- カテゴリ:小学生 中学生
- 発行年月:2009.3
- 出版社: ヴィレッジブックス
- サイズ:22cm/517p
- 利用対象:小学生 中学生
- ISBN:978-4-86332-076-5
- フィルムコート不可
紙の本
ブリジンガー 炎に誓う絆 下 (ドラゴンライダー)
著者 クリストファー・パオリーニ (著),大嶌 双恵 (訳)
初めて離ればなれになったエラゴンとサフィラ。“心の声”もとどかぬ場所で、二人は絆を感じていた。フロスガー王の跡を継いだ、ドワーフの友オリク、凶暴なアーガル族が見せる意外な...
ブリジンガー 炎に誓う絆 下 (ドラゴンライダー)
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商品説明
初めて離ればなれになったエラゴンとサフィラ。“心の声”もとどかぬ場所で、二人は絆を感じていた。フロスガー王の跡を継いだ、ドワーフの友オリク、凶暴なアーガル族が見せる意外な素顔、帝国軍との戦いを前にそれぞれの思いが交錯する。いまの自分ではガルバトリックスに勝てないと知ったエラゴンは師オロミスとグレイダーのもとへふたたびむかう。そこで知らされたのは、ほんとうの父からの“遺言”と、ドラゴンにまつわる恐ろしくも悲しい過去だった…。魔力を秘めた剣、ドラゴンの魂。ガルバトリックスの力の謎を知り、いよいよ戦いののろしがあがる。師オロミスと黄金の竜グレイダーを待つ壮絶な運命とは?冒険ファンタジー。『エラゴン』『エルデスト』につづく4部作第3弾。【「BOOK」データベースの商品解説】
ライダーの絆は結ばれた。魔力を秘めた剣、ドラゴンの魂…ガルバトリックスの力の謎を知り、いよいよ戦いののろしがあがる。父への想いを胸に、エラゴンは勝利を誓う! 冒険ファンタジー4部作、第3弾。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
クリストファー・パオリーニ
- 略歴
- 〈クリストファー・パオリーニ〉1983年生まれ。17歳のとき「ドラゴンライダー」シリーズの1冊めとなる「エラゴン」を書きあげ自費で出版。口コミで評判になり、クノッフ社が出版すると瞬く間にミリオンセラーとなった。
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紙の本
選ばれし者、成長と苦悩を超えてクライマックスへ向かう
2009/06/18 11:35
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:菊理媛 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラゴンライダー・エラゴンと、誇り高き青のドラゴン・サフィラの絆を中心に、帝国アラゲイジアを統べる邪悪な王ガルバトリクスの圧政に戦いを挑むヴァーデン軍。
人・エルフ・ドワーフの連合軍に帝国側から寝返ったアーガルを加え、帝都への距離を縮めてゆくなかで、エラゴンとは従兄弟のローランの、ある意味エラゴンよりも目を見張る変貌ぶりや、マータグとの恋物語に発展するのかと思われたアジハドの娘・ナスアダの成長振りも見事で、読み応えがある。
エラゴンの出生、ファーザン・ドゥアーの戦いの最中にさらわれた友マータグとの因縁など、物語を盛り上げる秘密が徐々に明かされつつ、物語はようやくここまで来たというところか。
「エラゴン」「エルデスト」を読み終えてから、ずいぶんと時が経ってしまっていたので、記憶を呼び起こしながら読むことになったが、その名を目にするや即座に前歴(?)が甦る登場人(人とは限らないが)物たちは良いとして、なかには「誰?」と思い出だせない名も実はあった。が、読み進めるうちに物語の世界観の方から迎えに来てくれたようだ。
申し訳ないが、映画「エラゴン」の出来はあまり良かったとは思えなかった。しかしながら、原作本はやはり面白い。ファンタジーとしても良く出来ていると思う。「パクリが多い」というような評価も耳にするが、ドラゴン、エルフ、ドワーフが登場する時点で、ある程度似た設定やら流れが出てくるのは仕方ないのではないだろうか。
「エラゴン─意思を継ぐもの─」を読んだころ、この作品は三部作ということだった。それが今回「四部作中の三作目」ということになっていた。なんでも、作者の構想が膨張しすぎて、三部ではまとめきらなかったということらしい。まぁ、読み手としては延びてくれると楽しみが増えるので喜ばしいことなのだが、延びすぎて結末を書かないうちに作者が亡くなってしまうなどということになると、困るので次回作でまとめて欲しいものだと願っている。とはいえ、最終巻の最後のページを読み終えると、なんともいえない寂しさを感じることは、幾度となく経験しているので微妙ではあるけれど。
この「ブリジンガー─炎に誓う絆─」で、ようやくヴァーデン軍は帝国軍との戦いの場へ出てこられる体勢になったようだ。頼りのドラゴンライダーのエラゴンも、前作の「エルデスト─宿命の赤き翼─」までは双葉マークをつけているようなものだった。いや、本作においても、自分のための剣を得るまでは、ライダーとしては多方面において不足があるようだった。ブリジンガー(炎)と名づけた剣を得たことで、まがりなりにも一人前のドラゴンライダーになれた・・・というのが、この三作目の主題だったように思う。
少なくとも、エラゴンの師であるオロミスと金のドラゴン・グレイダーは、そう認めたから隠れていることを止めたのだろう。
戦いの場に姿を現した嘆きの賢者と黄金のグレイダー。彼らは、彼らの役割を大きく方向転換する決心を固めたのだろう。そして明かされるガルバトリクスの力の源の秘密。
ドラゴンと“ひとつ”になることで得られたドラゴンライダーの力。そして、明かされるドラゴンの命の秘密。クライマックスに向かって、準備は整ったと言えるだろう。
悲劇のマータグとソーンはどうなるのだろうか?
カトリーヌのために戦うローランの意思。「選ばれし者」として、多くの人たちの望みのために戦うエラゴンの意思。この、一見壮大さが異なるような動機付けでガルバトリクスに立ち向かう従兄弟たちは、それぞれのやり方で、それぞれの力量の限りを尽くして戦っている。その目指すところは一つであり、その決意の強さも劣らないあたりが、とても面白い。むしろ、個人愛に殉じているローランの方が迷いがないようにさへ見える。
人は、誰もが「選ばれし者」なのかもしれない。その運命が公にもてはやされるものであろうと、家族や個人のためであろうと、誰かのために身を投げ打っても目的を達しようと思う者は、「選ばれし者」であり、英雄と呼ばれるに相応しい功績を残してゆくのだなと思える。
ドラゴンライダーとして、ヴァーデンの希望であるエラゴン。一人の男として、カトリーナの愛と周囲の仲間たちに信頼されるローラン。さて、どちらがよりヒーローかと問われると、答えが難しいような気がしてくる。
目的を達したとき、より幸せを味わえるのはどちらだろう? さらに、「欲しいもの」が何かも聞かずにメノアの木と約束を交わしてしまったエラゴンとサフィラの、後日の災難も気にかかる。
早く、第四作を読みたいものだ。
ちなみに、表紙は下巻を選んだ。上巻はレザーブラカらしき絵(蚊の親玉みたいだ)だったので、どうせならグレイダーがいいなと思った次第。