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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2009.6
- 出版社: ミネルヴァ書房
- サイズ:20cm/280p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-623-05507-4
紙の本
裁判員の教科書
著者 橋爪 大三郎 (著)
立派に裁判員のつとめを果たしたいと考える人へ向けて、刑事裁判の仕組みや、実際の裁判での注意点などを解説。いまの裁判員制度や日本の刑事裁判の問題点、日本社会の特徴についても...
裁判員の教科書
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商品説明
立派に裁判員のつとめを果たしたいと考える人へ向けて、刑事裁判の仕組みや、実際の裁判での注意点などを解説。いまの裁判員制度や日本の刑事裁判の問題点、日本社会の特徴についても述べる。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
橋爪 大三郎
- 略歴
- 〈橋爪大三郎〉1948年神奈川県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻教授。社会学者。著書に「冒険としての社会科学」など。
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紙の本
裁判員制度のもとで裁かれてしまう可能性の怖さについて思いが至る書
2009/07/31 06:56
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
いよいよ始まった裁判員制度。いつなんどき自分にもお声がかかるか知れないと思い、タイトルにひかれて勉強してみることにしました。
いやぁ、実に面白かった。そして同時に裁判員になることのむずかしさや怖さについても痛感させらました。
本書を繰りながら私は、市井の人間(平たくいえば、法律や裁判のズブの素人)である自分の浅はかな思い込みを次々と覆されていくのを感じました。
たとえば、本書にはこんなことが書かれているのです。
刑事裁判で裁かれるのは検察官である。
(私:えっ、裁判って被告人を裁くんじゃないの?)
裁判では被害者やその遺族が訴える悲しみの声は無視すべき。
(私:被告を厳しく処罰してほしいという感情は人間的なものでは?)
証拠を映像でみせるやり方はあるべき裁判の進め方から大きく逸脱している。
(私:でも写真や映像があれば素人の裁判員にも事件の全容が理解し易くてよいのでは?)
著者がなぜこれほどまでに一種挑発的に聞こえることを書くのか。本書に書かれたその理由を読んで私は大いにうなずいたのです。詳細は本書にあたってもらうとして、ここで言えるのは、裁判員制度が私の思っているような「映像を使って素人の裁判員にも理解しやすい形で進め、プロの裁判官と違って普通の人として被害者や遺族の気持ちにも理解を示しながら、被告人を裁いていく新しい制度」であってはならないことが良くわかります。
思い込みのことごとくを覆されながらも、自分がひとつ成長した気持ちにさせてくれる、大変素晴らしい読書体験ができました。
そしてさらに言うならば、いつなんどき冤罪に巻き込まれるやもしれない危うさをもった国・日本に暮らすということは、この本を読まずに強い思い込みを持ったままの裁判員たちに感情的に裁かれてしまう可能性を常に抱えていることになるんだということに思いが至ります。それはとても空恐ろしいことです。
そう考えると、やはり裁判員制度は私にとってどこか怖くて賛成しかねるもののままでしかないのです。