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商品説明
数多くの天才科学者を生み、頭脳大国への道をひた走るインド。才能を育てる秘訣は何か? 日本が学ぶ点は? 植民地時代からの歴史をたどり、インド人科学者たちの実像に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
三上 喜貴
- 略歴
- 〈三上喜貴〉1952年生まれ。東京大学工学部卒。通商産業省勤務を経て、長岡技術科学大学技術経営研究科教授。著書に「ASEANの技術開発戦略」「文字符号の歴史 アジア編」など。
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紙の本
インド人科学者はなぜ優秀なのか?-歴史的経緯とその理由をさぐる好著
2010/08/25 10:27
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
インドの科学技術の発展を、英国の植民地時代から、独立を経て今日に至るまで歩みを、傑出したインド人科学者の人物と業績を中心に、きわめてコンパクトにまとめあげた本である。
インドに対する関心が再び高まりつつある現在の日本であるが、関心の中心はビジネスと経済が中心で、科学技術にかんしても、科学分野よりも、技術分野のIT(情報科学)、あるいは原子力工学といった分野に話題が限られているのが現状である。「インドの科学者」を扱った本は残念ながらあまり類書がない。
この本を読むと、インド人科学者とインド人技術者をめぐるさまざまな疑問に、すっきりと統一的に説明で答えてくれるのがありがたい。最近のニュースを見ているだけではわからない、インドの科学技術の本質的な側面を知ることができる。
インドが古代以来、自然科学を含めた学術上の遺産を多く残してきたのにかかわらず、なぜ西欧近代との接触が始まってから19世紀後半にいたるまで、自然科学方面では大きく遅れをとっていたのか。著者は、とくに知識層としてのバラモン階級がヒンドゥー教徒としての「心の内なる規制」が足かせになっていたことを、実例をもって指摘している。
同時に、宗教上の理由から行われてきた詠唱(チャンティング)がインド人科学者たちの論理的能力のバックボーンにあることも著者は指摘している。詠唱によって、まとまった長い文章を記憶する訓練。
そして、サンスクリット語の論理的厳密性が、現在でもインド人科学者たちの論理的思考能力の支えになっていること。またサンスクリットの動詞変化法則に体現された論理構造が、ソフトウェア科学の知識表現法にもつながることも指摘されている。これに加えて、微積分を含めた高度な計算能力を鍛えられていることが預かって大きい、と。
これらが、インド人科学者やインド人技術者の高度な能力の下支えになっているのである。
このほかさまざまな話題が織り込まれた本書は、中身がきわめて充実した、価値ある内容の本である。
インドについて、科学技術方面から知ってみた人はぜひすすめたい一冊だ。
紙の本
頭脳大国への道の副題が物語る
2020/03/08 11:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:amisha - この投稿者のレビュー一覧を見る
インドは国土が広大で、ひとつの国というようりも、小さな国の集まり、気候風土も人種も宗教も言語も非常に多様性に富む。インドの科学者たちがどのように育まれてきたのかは非常に興味深いところである。
英国植民地時代にその才能や業績を認められた人も少なくなく、彼らは近現代の世界を築く礎を作ってきた。彼らの人となりがわかりやすく解説されており、入門書として手に取った。
この中に登場する数学者・ラマヌジャンの半生は映画化されており「奇跡がくれた数式」というタイトルで日本でも公開されている。ラヌマジャンを演じるのはデヴ・パテル。有色人種への差別があからさまだった時代に、王立協会フェローとなるまでの苦難の様子が描かれている。