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紙の本
彩雲国物語 15 暗き黄昏の宮 (角川ビーンズ文庫)
著者 雪乃 紗衣 (著)
監察御史・紅秀麗が、任務半ばで姿を消した!その報は瞬く間に朝廷を駆け巡り、国王の紫劉輝は心を痛める。秀麗の安否は気になるが、一官吏の彼女を特別扱いできない。そんな王の心を...
彩雲国物語 15 暗き黄昏の宮 (角川ビーンズ文庫)
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商品説明
監察御史・紅秀麗が、任務半ばで姿を消した!その報は瞬く間に朝廷を駆け巡り、国王の紫劉輝は心を痛める。秀麗の安否は気になるが、一官吏の彼女を特別扱いできない。そんな王の心を汲み、側近の藍楸瑛は、密かに秀麗を捜すことを決意する。一方、秀麗と同行していた榛蘇芳が帰還。彼が語った驚きの事実に劉輝は絶句する。秀麗の身に危険が、劉輝の治世には暗雲が立ち込める!?人気シリーズ第15弾、怒涛の最終章開始。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
謎の縹家の内実が明らかに
2019/04/15 06:52
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『暗き黄昏の宮』では紅家の経済封鎖が紅家当主交代によって解決し、勅使としての仕事を終えた秀麗がリオウに連れられて縹家に行って静養することになります。彼女の体がおかしかった理由が、体が生きているのに仙が入ってしまったことだと明らかにされます。その「仙」とは紅仙、別名『薔薇姫』であり、彼女の母で、娘の延命のためにしたことのようです。秀麗の体の封印は解けかかっているので、空気の清浄な縹家にいる限りは数十年生きられるかもしれないが、外に出て行けば近いうちに死ぬことになると、リオウに宣告されます。
秀麗が勅使として紅州に向かう途次でリオウと二人で姿を消したという情報が中途半端に漏れたため、彼女が婚前逃亡をしたと思われ、劉輝は一気に「嫁に逃げられた王」として人々の同情を集めることになるのがちょっと笑えます。しかし、彼を取り巻く環境は坂を転げ落ちるようにどんどん悪化し、畳みかけるようにバッタの大群「蝗害」、別名「黒い嵐」が発生する予兆があり、国としての一大事。劉輝はどんどん追い詰められていく感じです。
これまで変な術を使ったり、暗殺「人形」を送り込んだりと不気味な縹家でしたが、この巻で本来の縹家の役割やその家をずっと一人で背負ってきた強大な異能を持つ縹瑠花の人生が語られることで大分印象が変わります。