紙の本
ページを繰る指先が濡れる
2010/04/10 08:52
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人気作家石田衣良による官能短編集である。
収録されている12篇の短編は登場人物も背景もまったく違う。同じなのはどの作品もセックスがテーマだということだけである。
本書の「あとがき」で作者は「欲望だけでなく、社会の仕組みや経済や個人の在りかた(ときに差別や暴力や支配)など、人にかかわるすべてがあらわれてしまう」と書き、「だから、セックスはおもしろい」と続くのだが、おそらく書き手からすると、だから書きたくなるといいたいのだろう。
ただ官能小説であるからには読み手をいかに興奮させるかが重要になる。その点ではひたすら官能描写がつづく「夜あるく」がいい。ただ欲望だけが蠢いている。
先の「あとがき」の最後にこうある。「いい本といいセックスをたのしんでください。どちらも大人の生活には欠かせない大切な時間です」。なるほど。本のページを繰るさまは、確かに、愛撫の指先に似ているかもしれない。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。
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軽い感じでさらっと読めた。
想像とはちょっと違ったかな。。人と人のつながりみたいなものを再確認できて、とても素敵な話もあった。
まあ一回読めばいいかな~って感じだったけど
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読み始めは、なんだただのエロ小説かと思ったけれど、そんなことはない。表現豊かでどこまでも美しい。言葉のひとつひとつを胸に刻んでおきたくなりました。社会問題もところどころに垣間見えて面白い
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題名そのまま。
「夜の桃」を思い出した。これはどうなのー。
「娼年」「逝年」は好きなんですけれど。
石田さんの書かれる女性はどうにもリアルに思えなくて、「ああ男の人のイメージの女性だなあ」と思ってしまう。女性のことはきっとよく知ってる方なんだろうけどもー。
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読み手のコンディションにより、だいぶ感想が変わりそうな本。ちなみに私は石田衣良の新刊という理由だけで買ったので、性描写が生々し過ぎると思った。はっきり言ってだけど。
でも、短編集なので作品によってはとても強いメッセージみたいなものを感じとれた。最後の石田衣良のsexスローガンはどうかと思うけど。あれはいらない気が、、、
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大好きな作家、石田衣良さんの新作!
ただ…レビュー書くか正直迷いました。
うん、だってさ。
タイトルがストレートすぎるんだもん!
石田さんこれ借りるの恥ずかしかったよ!
でも図書館で1番に予約したらしく新品を借りることが出来ました。
sexをテーマにした短編集。
色んなお話があって、少し感動するものから正直え?と思うものまで。
ただ相変わらず石田さんの文章は読みやすいです。
そしてストレートに伝わってくる。
性描写を書いていやらしくないってすごい。
つまりは私は石田衣良さんが好きだってこと。
「好きな人とたくさん」
2010.018
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「夜の桃」系のSEXをテーマにしたエロ短編12編なんですけど、今作ではどの短編も結末が前向きで、SEXに対する著者の明確な思いが感じられました。後書きにもあるように、今の日本は世界でも有数な夫婦間SEXの希薄な国。種の存続は動物としての人間にとって最重要課題であるにもかかわらず、なんで日本人はこんな事になってしまったのか。社会のゆがみの根本は、案外こう言うところにあるのかも知れません。
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桃色の装丁がなんだか柔らかくやらしさ満載の一冊です。
もっともセクシーな、というか結構詰め込んだなぁという印象を受けましたが。遠まわしな話も読みたかったなぁと思っちゃうのは、きっとどの話も描写が濃すぎて胸やけしたからかも。ついでに言えば、ここに出てくるような都合のいい女(合理的な女?)は私の知る限り少ないような気がする。
と、言いつつも読み手それぞれのつぼにはまるシチュエーションがあるんじゃないかなーとも思ったり。私的には「落葉焚」でしょうか。
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淡く綺麗なピンクの表紙に、小さく衝撃的なタイトル。
何気ない顔でレジへ持っていくのにドキドキしました。
もともと、石田さんの、テーマを決めた短編集が大好きで。
そして性描写が綺麗な石田さんなので何の抵抗もなく読めました。
中身は、「えーー!!?」というものから「うぅ・・・ぐすん」となるものまで様々。
そもそも、テーマになっている「sex」が、人間の本質がむき出しになる行為だからなのか、1話1話パンチがあります。
いつもだったら、読み終わってすぐに「もう1回読もう!!」とまた表紙を開きますが、今回はお腹いっぱい。またしばらく経ってから読もうと思います。
こんなことは、石田作品で言えば、「last」以来。
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タイトルどおりど真ん中直球勝負でいろんな『sex』が詰め込まれた短編集です。
この短編集で現代の草食男子に向かって『sex』と言うのはとっても素晴らしいもんなんだよーっと石田さんは呼びかけています。
『sex』も石田さんの手にかかると、とってもおしゃれで素敵でセクシーな官能小説に仕上がってしまうのは流石です。
とはいってもエロチックな描写もけっこうあるので続けて読むと食傷気味になりそうだったので一日に一編ずつ読みました。
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無垢な欲求の12個の形。
石田さんはテーマも描写も大胆に出しているけど、彼のそんな筆致は
人が持つ本来の自然なままの性欲は
きっとプルンと皮を剥いた水蜜桃のように瑞々しく
また狂おしいほど甘美なものなのだろう…と読者に思わせる。
作者はそれを小説という形で表しているだけで、この小説に出てくる
12個のストーリーは読者に露にされてしまうのだけど、
本来は当事者の二人しか知り得ない秘密のことだ。
とてもきれいなラブストーリーの一つだと思いました。
好きな人と一緒に読みたい。
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タイトルほど衝撃的ではないと思うのは、読み手(=私)がそんなに若くないからだと思う(苦笑
多分若い人が読めば「んんん?」と思うし、どちらかというと中年向けな作品かな? というのが読後一番の感想でした。
″悪い″とか″面白くない″というのではない。
「そういう考え方、とらえ方がある」という、ある意味達観した部分が書かれているんだと思う。それを上手く理解できる年齢なら楽しい。
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創作的な意味で参考になるかと思って読んだ。242ページで12篇なので、単純計算で1篇あたり20ページくらい。さらっと読める。現代日本の性を通して人間関係が描かれている感じ。
石田衣良さん本人によるあとがきがすごく好きだった。衣良さんは文章より本人がすごく好き。
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これは「石田さん、思いっきりいったな~」って思った。
石田さんの作品の中核には「性」ってテーマが描かれていて、それがとても人間臭くって好きな理由の一つなんだけど、これはその最たる作品だと思う。
「夜の桃」とか「娼年」も結構セクシャルだと思ってたけど、これはそれを越えたね。
って石田さん最近新刊出してくれないんだけど…(´ε`;)ウーン…
「美丘」は今後の展開に期待。
ってこれも読了日は出鱈目。
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テーマがテーマなので、さらりと読むには……って感じですが、石田さんのは読みやすいので脳みそを休めるためにはちょうどいい。
交通事故で亡くなった奥さんが戻ってくる話はちょっと泣けました。