わっしょいのはらむら

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投稿者：銀の皿　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　愛らしいいきもののスケッチと素敵な詩が沢山載っている、ポケットサイズの詩集。「のはらうた」でのはらむらの住人の言葉を書き留めた著者が彼らをスケッチして、「のはらうた」の詩と一緒に紹介してくれます。それぞれに5冊ある「のはらうた」での出典ページもついています。
　表紙の画には色がありますが、中の画は黒と赤だけ。でもこれが墨絵のようでもあり、筆の勢いが感じられます。

　「げんき　ぴんぴん！」としっぽをたてた、へびいちのすけくん。「きまってるぜ」とポーズをとる、かまきりりゅうじくん。「さざなみはわたしのえがおです」と微笑んでいる、いけのしずこさん。心臓の形をした小鳥たちをたくさん宿らせた、けやきだいさくくん・・・。ほかにもたくさんの仲間が、ときに微笑ましく、ときに優しく、ときに力いっぱい、ページをめくるたびに登場します。みんなの名前だけでもほほえんでしまいますね。

　「のはらうた」のシリーズはどれも大好きです。素敵な版画がついたもの（「版画のはらうた」）、英語になったもの（「えいご・のはらうた」）もあります。どれか一冊、というならわたしはこれかも。詩だけでも、絵だけでも、元気がもらえたり、和ませてもらえたり、力をもらえたりできますから。

　ネタバレですが表紙左下に登場しているふくろうげんぞうさんの詩を紹介させてもらいます。こんな「しみる」詩とほんわりした画がなぜかぴったり。ほかにも沢山いいものがありますから、是非開いてみてください。

「ひかりと　やみ」　ふくろうげんぞう
みあげれば
よぞらの　ほしが
まつりのように　まぶしい

ああ
ひかるためには
くらやみも　ひつようだ