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- カテゴリ:中学生
- 発売日:2010/07/30
- 出版社: 福音館書店
- サイズ:18cm/505p
- 利用対象:中学生
- ISBN:978-4-8340-2577-4
紙の本
どろんころんど The Curious Journey of Man‐nen 1 (ボクラノエスエフ)
アリスが長い長い長い眠りから覚めると、世界はどろんこになっていました。それは旅をしている夢だった。ひとりじゃなかった。ヒトのような形をした影みたいなものと、それから—「亀...
どろんころんど The Curious Journey of Man‐nen 1 (ボクラノエスエフ)
紙の本 |
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- 税込価格:9,680円(88pt)
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商品説明
アリスが長い長い長い眠りから覚めると、世界はどろんこになっていました。それは旅をしている夢だった。ひとりじゃなかった。ヒトのような形をした影みたいなものと、それから—「亀」、がいた。大きな亀だ。しかも二本足で立って歩いている。ヒトは、どこへいってしまったの。【「BOOK」データベースの商品解説】
どこかに行ってしまったヒトを探して、どろんこの世界を旅するアンドロイドの少女アリスと、お供の亀型ロボット。2体(ふたり)の奇妙で長い旅を描いた物語。【「TRC MARC」の商品解説】
アンドロイドの少女アリスが長い休止状態からから目覚めると、そこにはどこまでも広がる泥の海があり、あれだけ大勢いたはずのヒトは姿を消していた。アリスの「仕事」は人間相手に商品説明をすること。その「仕事」を全うするため、商品である亀型子守りロボット、万年1号をお供に、消えたヒトを探して、アリスはどろんこの世界を行く。その道中、次々に起こる奇妙なできごとにアリスの優秀な電子頭脳もパンク寸前。果たして二体(ふたり)の旅の行きつく先は? そしてヒトはどこに消えたのか? けったいな、だけどもどこかやさしいヒトと世界についての物語。【商品解説】
著者紹介
北野 勇作
- 略歴
- 〈北野勇作〉1962年兵庫県生まれ。甲南大学理学部卒業。「昔、火星のあった場所」で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、作家デビュー。「かめくん」で日本SF大賞を受賞。
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書店員レビュー
北野勇作のSF世界と...
ジュンク堂書店京都BAL店さん
北野勇作のSF世界と鈴木志保のイラストを祖父江慎のブックデザインが絶妙にまとめ上げています(この本の楽しさは電子書籍では味わえません)。
物語はアンドロイドのアリスが目覚め、旅立つところから始まります。
全体を通して、奇妙なのに静けさを感じさせる不思議な世界です。
読み終えた後、すぐ別の北野作品をさがして読んでしまいました。
中高生にも大人にもオススメです。
京都BAL店児童書担当
紙の本
この本で一番おもしろかったのは、巻末の広告頁の最後「そこそこ好評ですが、もうあと一押し!!以下続刊!お連れさまにもお勧めいただければ幸いです。」、いいなあ、これを書いた編集者?それとも営業担当?その人に★五つ。何だか北野を喰った感じ・・・
2011/07/22 19:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、カバーがいいです。タイトルが細く黒い線で縁取りされていて、そこがちょっと浮き出ている。それとカバー全体に白い飛沫が飛んだような模様が何箇所かあって、それも浮き出ている、その処理とカバーの基調となっている温かみのあるグレー、そして鈴木志保描く少女とカメと茶色い人型、はっきり言えばアンドロイドのアリスと亀型子守りロボットの万年1号、そしてヒトデナシの係長、その絵がとてもいい。総じて、この〈ボクラノエスエフ〉シリーズは、造本だけではなくイラストレーターがいい仕事をしているのですが、今回の鈴木志保は当たりです。
私はこの人のことを知らなかったし、最初見たとき、あんまりうまくないじゃん、って思ったんですが、これが読み終わってみると、北野の文章くらい頭に残る。特にアリスが足をまっすぐ伸ばして歩く姿、動きはないんですが、これがなかなかいい。総じてアニメにしたら面白いだろうな、って思えます。それと模造亀。北野はレプリカメとルビを振っていますが、その様子がいい。何ていうかガメラとミュータントタートルズを合わせたような感じとでもいうのでしょうか。
それと装幀。このシリーズのデザインの良さは毎回書いていて、さすが祖父江慎一の仕事だなあ、と思うんですが、今回は目次が黒地に白抜きで、そのボリュームがかなりあるところが目立ちますし、挿絵の入り方に合わせて本文を組んでいたり、総じて本と文章のコラボレーションという印象が強いです。これはシリーズ中トップではないでしょうか。私が最近読んだ本でもここまで工夫しているものは少ないと思います。
本のデザインは、既に触れたように祖父江慎が担当していますが、鯉沼恵一(コズフィッシュ)も加わっています。分担をどうしているのか、いつか教えて欲しいものです。今回は、本文組版担当にも触れておきます。凸版印刷株式会社 紺野慎一+浦山憲一の二人がそうですが、紺野は西尾維新の『化物語』シリーズでも同じような立場で仕事をしています。何歳くらいの方なんでしょうか、気になります。
あえて組版担当者の名前を書いたのは、本文がそこそこタイポグラフィックしていて、組版の人も結構苦労したんじゃないか、って思ったからです。タイポグラフィック、ちょっと分からない人がいるかもしれませんから、簡単に書くと本文活字を頁にべたっと並べるのではなく、デザイン化して配置することで文章をより楽しくするという工夫です。若き日の夢枕獏の得意技でしたが、北野もそれに挑んでいます。
例えば13頁、これはイラストを活かすために、文字配列に工夫をしていますし。23頁もそうで、単純に頁の上半分が絵、なんていうのとは全く異なった対応の仕方です。そういうところはたくさんありますが、186,7頁になるともう完全に文字字体が踊っているようにレイアウトされています。398,9頁はシンプルですが美しい。363頁の左端なんて前代未聞、407頁は空前絶後じゃないか、なんて思ってしまいます。紺野、浦山、そして北野、祖父江、鯉沼に拍手です。
奥付の下に小さな字で
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NDC913 512ページ 10×18cm ISBN9784-8340-2577-4
用紙:オペラクリームHO/四六50k(本文)、ミラーコート・ゴールド(扉)、ビオトープGA/ワインレッド(見返し)、テンカラー/濃桃(表紙)、オーロラコート(カバー)
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とあるのも、装幀に興味を持つ私には嬉しい。いやはや、好きとはいえ、こんなに装幀のこと書いていていいんだろうか、なんて思っちゃいます。で、お話ですが、これは出版社のお力を拝借。HPには
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アンドロイドの少女アリスが長い休止状態からから目覚めると、そこにはどこまでも広がる泥の海があり、あれだけ大勢いたはずのヒトは姿を消していた。
アリスの「仕事」は人間相手に商品説明をすること。その「仕事」を全うするため、商品である亀型子守りロボット、万年1号をお供に、消えたヒトを探して、アリスはどろんこの世界を行く。その道中、次々に起こる奇妙なできごとにアリスの優秀な電子頭脳もパンク寸前。
果たして二体(ふたり)の旅の行きつく先は? そしてヒトはどこに消えたのか?
けったいな、だけどもどこかやさしいヒトと世界についての物語。
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とあります。私にとっては久しぶりの北野作品で、あの摩訶不思議な世界は今もあるのだろうか、なんて興味津々。小説については読んでもらえばいいので、思わず笑ってしまったところについて書きましょう。それは巻末。といっても小説の、ではなく本の広告が載っている、その最後のところで今まで出た五冊 ジョン・ウィンダム『海竜めざめる」、筒井康隆コレクション『秒読み』、フレドリック・ブラウン コレクション『闘技場』、小松左京コレクション『すぺるむ・さぴえんすの冒険』、北野勇作『どろんころんど』の紹介があって、そのあと、本当の最後に
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そこそこ好評ですが、
もうあと一押し!!
以下続刊!
お連れさまにもお勧めいただければ幸いです。
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とあるところ。この文章を入れた人、私好きです。そうか、素敵な造本だから売れている、とばかり思っていたら、案外売れてないのね、それとも選挙と同じで、フェイク? それにしても誰なんでしょ、この文を入れようと思った人。編集者さん? それとも営業の方? もしかして企画の人? 社長だったりして。ということで最期におまけ、登場人物紹介。面白そうだな、と思ったら、ともかく読んでみてください。
・アリス:ワンダーランド社が製作した少女型自律式人工知能。商品名Artificial Little girl Intelligent Cell-android――A・L・I・C・E。略称・アリス。もっぱらの仕事は、ワンダーランド社の新製品・万年一号の宣伝のためのショーで、子役として演技をすること。セル・アンドロイドだからセルロイド、なんだそうな・・・エネルギー源は電気。
・万年一号:ワンダーランド社が開発した二足歩行型の子守りロボットで、亀をモデルにした模造の亀。偽物(レプリカ)の亀、だから模造亀(レプリカメ)、人間が食べるものならなんでも食べる。
・ゴトーさん:アリスに仕事を教えてくれたヒト。一つのステージが終わるごとに、アリスにいろいろなアドバイスをくれる。アリスにひと通り仕事を教えると、職場からいなくなった、アリスが来たからもうゴトーさんはいらなくなった、とも言われている。
・係長:社長一人の会社に勤めるヒトデナシの係長。社長はいても、部下がいないため、新入社員が採用されることを夢見ている。田舎の会社勤務にせいか、世間のことは殆どしらず、都会に出て来た時の反応は見もの。ヒトデナシではあっても、人はいい。