電子書籍
愛と資本主義
2017/11/07 18:56
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
岡崎京子ファンになった一冊。
OLでホテトル嬢のユミちゃんはマンションでワニを飼う。
妹のケイコはハッピィハウスのるみ子に通じるとこがある。
ハルヲ君の事故の知らせを聞いてユミちゃんはどうするのだろう。
紙の本
部屋にワニを飼う
2022/02/27 21:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
OLのユミ。生活費を稼ぐために夜はホテトル嬢になりカラダを売ることに罪悪感も感じない。ユミは継母との仲は冷え切っているが異母姉妹のケイコとは関係良好。そして部屋にはワニを飼っている。継母の愛人であるハルオと付き合いはじめ奇妙な同棲生活を送る。
ワニがあんなことになってしまうなんて信じられない。それにあの終わり方も。残酷なところもあるが、今の目から見ても驚くほどカラッとしていて新しい。
投稿元:
レビューを見る
個人的に,それでもいいじゃん!生きてればいいじゃん!ていう気がして救われたマンガです。
女の子は,可愛いもの,綺麗なもの,気持ちのいいものが好きで。
弱いようで逞しくって,でもやっぱり弱くって残酷で。
話の展開よりも,主人公のユミちゃんのちょっとしたモノローグが好きです。こうして「普通に」こわれていけるから,生きてられるんだと思います。
投稿元:
レビューを見る
すべての仕事は売春である。
東京という街で普通に暮らして、普通に壊れてしまった女の子の
愛と資本主義をめぐるお話。
印象的な言葉ばっかり。
投稿元:
レビューを見る
POP?というか本の表紙に書いてあった「マンガは文学になった」って言葉がぴったりな感じ。
最後がちょっと、、、、悲しい。けどそこがいいかも!
投稿元:
レビューを見る
私は濃いピンク色のルイヴィトンのヴェルニの二つ折りのお財布を使っている。
お母さんが韓国旅行のお土産で買ってきてくれたお財布で、最初は気に入らずに仕方なく使っていたけれど、友人にはなかなか好評で、色をほめられているうちにそれなりに気に入った。
でも、かれこれ三年もそのお財布を使っていて、飽きちゃったのだ。次に欲しいのはクロエのリリィの長財布。うすいピンク色で、リボンモチーフにはたっぷりのビジューがついている。とびきりかわいくて、それを持っている自分を思い浮かべただけでうっとりする。値段はだいたい7万くらい。びっくりするくらい少ないお給料しかもらっていない新社会人の私には、ちょっと手が出ない。
ユミちゃんだったら、きっと手にいれている。知らないおじさんと寝たお金で。私だってその気になれば、ホテトル嬢になってクロエの財布を買うことはできるんだろう。そうしないのは、なぜ?たぶん、シアワセを恐れているからだ。ユミちゃんは言う。「シアワセなんて当然じゃない?」。
夜はホテトルやって、昼間は変わり映えのしないB定食みたいなOL。それらを繋ぐのは、なんでも食べる強いワニ。シアワセを恐れる私は、手に入れられないものを我慢して、そうして自分を積み上げていくけど、ユミちゃんは違う。我慢もしないし、積み上げるべきものを食べるワニがいるからだ。「欲しいものを手にいれる」という至極シンプルなシアワセを突き進むユミちゃんが、なくしてきたいくつものものも、ワニが食べてくれる。
投稿元:
レビューを見る
遅れて読む名作。90年代の刹那的がすばらしく的確に表現されているようで、マンガが文学になった、と言わしめたこともナットク。
投稿元:
レビューを見る
いまさらながらに岡崎京子さんのマンガ。でも読んだことない。青山ブックセンターで見かけて、「マンガは文学になった。とまで言われた岡崎京子代表作」「すべての仕事は売春であり、愛である・・・」というコピーにひかれたまたま手に取る。
絵も書き込んだ精緻なものではないし、さらりとストーリーが描かれているのだけれど、だからこそOLしながらホテトル嬢もふつうにこなす、主人公の「ユミちゃん」の生々しい存在感やセックスの描写とかリアルなエピソードがへんに重たくならなくてちょうどいい感じ。(作者はそのあたりをねらってあんな画風にしているのだろうか?)
この漫画の醸し出す空気、読んだあと引く感じ
あと、やけにリアルに現実を捉えた描写も面白い!
ホテトル嬢の仕事のときに、コトをすませたあと、「いつまでこんなことをしているつもり?」「いまどきの子は・・・」と説教する男性客に、「イッパツしたあとになにエラそーなコト」という描写とか。
ちょいちょい面白くて気になるところがたくさんあった。
投稿元:
レビューを見る
初めて読んだ年にしてみた。図書館にあったのを夢中で読みました。
去年購入。
甘いものが食べたくなるね
投稿元:
レビューを見る
この本の魅力、正直分かり切っていない。
でも、気になるし、ひきつけられる。
なんでなんだろう。なんでこんなに前に書いたものが今現在書かれたみたいにリアルなのだろう。
大人のファンタジーだね。
投稿元:
レビューを見る
ペットのワニと暮らす昼はOLで夜はホテトルのバイトしてる女子のお話。バブル時代のあっけらかんとした乾いた空気感…自由、ある意味では我儘。どんどん手に入れたモノがすり抜けてゆく様は哀しくて残酷。今はもっと窮屈で生きにくい時代だと思ったりして。
投稿元:
レビューを見る
読み終わった後に表紙を見るとせつない
この日に買ったものと一緒にさっと読んでしまったんだけど完璧に読む順番を間違えた。胸焼けが…
投稿元:
レビューを見る
『pink』で描かれるのは、なにもかも得てしまったことによる不幸。恋愛すら消費の対象にんってしまったバブル期には、様々は作家が活躍しますが、その無気力感やむなしあを最も意識的に描いたのは岡崎京子ではないでしょうか。
…ってかいてあった。
投稿元:
レビューを見る
ユミちゃん…。思うところかぶるところありすぎて「ユミちゃん」の一言しか出てこない。
ユミちゃんは手に入れることの価値を見失ったとき、発作に教われた。
とんでもない既視感だ。
で、その後読んでいるマンディアルグが岡崎京子風に再生されるという。
投稿元:
レビューを見る
血まみれ白雪姫 in 20th century。
pink はお姫さまの好きな色。
お姫さまのしあわせの色。
やさしかったお母さんの爪の色。
経血と精液が混じりあう色。
働き者のお姫さまは売春します。
「お金でこんなキレイなもんが買えるんなら
あたしはいくらでも働くんだ。
よし! 明日もがんばるぞ!」
どんなにつらいことがあっても
お姫さまはくじけません。
「それは頭が悪いせいと
目の前の事しか考えないから」
考えないのは
考えたくないから。
考えたくないのは
考えたら壊れるから。
昔のひとも言っています。
『自由と独立と己れとに充ちた現代に生れた我々は、
その犠牲としてみんなこの淋しみを
味はわなくてはならないでせう』
どうかお姫さまを責めないでください。
意地悪な継母も無力な王子さまも
みんなゆるしてあげてください。
彼らはすでに罰を受けているのです。
「すべての仕事は売春である。」
愛と資本主義のおとぎばなしでした。