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紙の本
猫鳴り (双葉文庫)
著者 沼田 まほかる (著)
ようやく授かった子供を流産し、哀しみとともに暮らす中年夫婦のもとに一匹の仔猫が現れた。モンと名付けられた猫は、飼い主の夫婦や心に闇を抱えた少年に対して、不思議な存在感で寄...
猫鳴り (双葉文庫)
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商品説明
ようやく授かった子供を流産し、哀しみとともに暮らす中年夫婦のもとに一匹の仔猫が現れた。モンと名付けられた猫は、飼い主の夫婦や心に闇を抱えた少年に対して、不思議な存在感で寄り添う。まるで、すべてを見透かしているかのように。そして20年の歳月が過ぎ、モンは最期の日々を迎えていた…。「死」を厳かに受けいれ、命の限り生きる姿に熱いものがこみあげる。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
年老いた猫と、それを見守る男の圧巻のラスト
2011/01/21 08:48
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ルルシマ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一昨日、読み終えた「痺れる」が素晴らしかったので、この作品も読んでみた。
主婦、僧侶、会社経営という、なかなか面白い経歴の方のようで、
しかも「痺れる」もそうなのだけど、四季折々の草花の描写が美しい。
きっと自然をこよなく愛している人なんだろうと想像できる。
妊娠半ばで子供を失くしてしまった信枝が、家の近くで見つけた仔猫。
しかし死産から立ち直れない彼女には仔猫は疎ましかった。
放置してくればそのうち死ぬことになるのだろう。
そう思いつつ、再度林の中へ捨てに行った。
それが、ある少女の訪問がきっかけで、仔猫を飼うことになる。
少女の同級生・行雄は、父子家庭で、心が病んでいた。
幸せで頼りなげな幼児が心底嫌いで、いつかそんな子供を殺してやろうと、
ナイフを持ち歩き、すんでのところで未遂に終わったこともあった。
そんな行雄に父親が仔猫を連れてきた。
父親の手前、一生懸命世話をするふりをして、そのうち殺してやるんだと思っていたのに・・
仔猫の名前はモン。
これはモンが仔猫の時から始まり、その生命力で生涯を全うするまで、
関わる人たちの心のの闇や空洞を埋めていくお話。
耳にここちよい言葉ではなく、
時には残酷すぎる結末もある。
必死にすがってくる仔猫を捨てに行く信枝も、
幸せな子供が許せない行雄も、
実は、捨てられた仔猫よりも不幸せな存在。
二人の不幸を小さな猫が浄化しにこの世に使わされたかのようです。
そしてモンの最期。
その時ですら、モンは淡々とした姿で、主人・藤治に向かいます。
年老いた猫と同じく年老いた男、
見守る、というより、見ることを許されたかのような同志の命の終わり。
この最終章はまさに圧巻。言葉に表せません。
猫にまつわる短編かと思っていたら、その縦軸はただ1匹の猫でした。
出だしが動物好きにはショックな始まりで、
愛猫家からは批判が出るだろうと思っていたけれど、
最後に至って、沼田さんもまた猫を心から慈しんでいることがひしひしと伝わって来ました。
ありがちな、かわいい猫を飼うことでみんなに元気をもらいました、とか、
その死が悲しく終わるような話ではなく、もっと深い意味を持ったものであるような気がします。
紙の本
エピソードの欠落
2019/09/30 17:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぷりしら - この投稿者のレビュー一覧を見る
3部構成で、それぞれの内容は良い。
しかし、1部と2部の間、2部と3部の間の時間経過が余りにも長いため
本来書かれるべきエピソードが欠落しているように感じる。
猫を飼うことになった主婦、猫を捨てた女の子、猫に死なれた少年の
背景やその後などをもう少し書き込んでも良かったのではないか。
紙の本
小説として
2012/05/18 09:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る
一応小説としての体裁はなっている
と思いましたが、
いわゆる純文学のレベルから見ると、
作為に欠けるし、
とくべつ見るべきところはない、と思いました。
話題作ですが、それ以上ではないかな、と思います。