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磔のロシア スターリンと芸術家たち (岩波現代文庫 文芸)
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収録作品一覧
独裁者殺し | 1−51 | |
---|---|---|
恐怖という詩神 | 53−124 | |
鬱とテロル | 125−164 |
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紙の本
意見を変えるのは勝手だが
2022/11/23 00:28
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「大審問官スターリン」の「人名紹介+人名索引」は、この本のそれをそのまま使ったらしく、レフ・ボリーソヴィチ・カーメネフに「軍人」と余計な「紹介」がある。カーメネフ将軍と混同したのは分かるけれど、トロツキーならともかく、彼の義弟には赤軍と接点がないだろうに。
著者はショスタコーヴィチの伝記を出してから、この本にあるように交響曲第5番は「通説」と化した銃殺されたトゥハチェフスキー元帥に対してではなく、スターリン大元帥に捧げられたと解釈を変えたようだ。解釈を変えるのは勝手だが、自分もかつてはそう主張していたと断るべきだ。初演がトゥハチェフスキーの銃殺の前だったら「証言」が出ようが極端に評価が変わらなかっただろうから。あるいは「二枚舌」と言うなら、両方共「正しい」ならまだいいのだが。
ゴーリキーの死に関して、彼が「フランスで軍人・外交官としてめざましい出世をとげる継子のジノーヴィイ・ペシュコフにアラゴンを通して仕事を依頼しようとした」という仮説の1つが紹介されているのは面白い。ペシュコフは日露戦争の際には徴兵から逃れる為にロシアから亡命したにもかかわらず、第一次大戦に際して「ヴラジーミル・イリイッチ」の方針に反して?フランス外人部隊に入隊して軍歴を始めた人物で、国内戦当時にロシアへ派遣されているという「ヤバイ」経歴を持っているが、これはこれで興味深い話だ。ペシュコフはアヴェルバフの伯父にあたる人物だが、「人名紹介+人名索引」には紹介されていない。彼は戦後の日本に派遣された事があるのだから触れてもいいのではないか。
1930年代のソ連の著名な文化人の肖像群像として読むにはいいと思うが、それなりの知識がいる本だ。