紙の本
あなただけなんだ
2018/08/10 20:58
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投稿者:むささび同心 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぼくも年を取った。
その結果、涙腺が緩くなったことも認めよう。
だからといって簡単に泣くほどヤワじゃない。
てやんでい、男の子だいっ!
でも、舜の心の叫びを聞いてしまったら・・・・・・
もう涙を抑えることは無理だった。
「がんばれ、僕のマチルダさん」
舜も十分苦しんだ。
今、舜を救えるのはキンコ、あなただけだよ。
あなたが倖せをつかもうとすることで、舜も救われる。
ためらわずに突き進め、キンコ!
紙の本
いい作品でした
2022/01/13 11:07
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
心の病に罹り銀行を求職中の哲司は実家に戻る。帰省の途中で美容師の喜美子と出会う。同じ年齢の二人であったが、生活環境の違いもあり、何かとすれ違う。哲司の家族の問題、喜美子の息子の死、二人が出した結論とは・・・・・。
伊吹さんの「今はちょっとついてないだけ」「四十九日のレシピ」「カンパニー」は好きな作品です。今作も期待通りの作品でした。生まれた環境から何もかも違う二人が出会い、互いに愛し合う過程には共感しました。
紙の本
デビュー作
2022/01/13 12:39
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろいろ粗い部分はあるけれど、良い作品だと思います。
デビュー作でここまで書けるのはすごいですね。
終わり方が気になったかな。
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世界観はクラシックが流れていて、それでいて日本の田舎を舞台にしているという静かな感じ。でもさいごじれったくてじれったくて一気読み。
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主人公は中年の男性。
母の死後、体調を崩して二ヶ月。
数週間は休むことにして、母が晩年に暮らした家の整理のために、海辺の町・美鷲に滞在することに。
女子校の教頭を勤め上げて退任した母が建てた家は和洋折衷で、岬の家と呼ばれていた。
一人息子の須賀哲司はエリートといっても良かったが、勤め先が吸収合併され、今は閑職に追いやられた失意の身。
しかも妻の浮気にも気づいてしまった。
たまたま車に乗せる羽目になった中年の女性。
夏場だけはいつも故郷に戻って近くのスナックを手伝っている福井喜美子は、丸顔で太めだが、実はペコちゃんという伝説的なあだ名がある。
哲司の様子を見かねて、岬の家の片づけを手伝うことを申し出る。
家の中にずらりとCDが並んでいるクラシック音楽について、教えて貰うのを交換条件として。
故郷ではキンコとも呼ばれていた。キンコ瓜という薄味だが食べやすい瓜にちなんで。
お節介なほど親切で、いきいきしていて暖かい。
実は家族を亡くした悲しみを秘めていた。
ピアノの才能を認められていた息子を偲んで、息子が聴いていたクラシック音楽について知りたいと思ったのだ。
スナックのミワは亡くなった夫の叔母が店主のマダム。
マダムは孫の舜がガンプラに夢中になっているので、取り上げて持ってきたと言い、興味を示したジュニア(哲司)にあげる。
若い舜が実は哲司の母と仲が良く、何かと岬の家の手伝いに出入りしていたこともわかって…
ふとした出会いから付き合いが次第に深まっていく。
全く違う育ち方をしていた二人だが。
寂しさやみっともなさ、大人だからの諦めやためらい。
一夏を共に過ごす。
妻子ある哲司はいずれ家庭に戻る人と思う喜美子だが。
切れそうになった繋がりは…?
ハートウォーミングな作品です。
「夏じゅう、教えてくれた」「生きる喜びを」
著者は1969年三重県生まれ。
2008年、第三回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。「夏の終わりのトラヴィアータ」改題。
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人生には行く時か風待ちの時間が必ずある。
風待ち、港に泊まる船のように。
共に39歳、人生を四季に例えると最後の夏の年(本編では2,30代を夏としている)
傷ついた風待ちの男女がひと夏をとある田舎町で過ごす物語。
今後の自分の人生に本当に必要なもの、ひとは誰なのか。幸せとはなんなのか。
そんな答えを出すかけがえのない年の物語。
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2019/8/28
これがデビュー作。天才。恐ろしい子。
ダメなところを見捨てないからダメなとこまで愛しくなるのかな。
イヤ、これ危険や。違うかも。ダメンズになってしまう思想かも。
ダメな時かな。
この人の描く包容力がすごいんやけど。めちゃくちゃ癒されるんやけど。
コチコチに固まった哲司君をほぐすのがめちゃくちゃ癒される。
こんな風にほぐされたいと思いつつ他人をほぐそうとはしないのよね。
イケないよね自分ばかり。
惜しみなく働く人になりたいよ。
体力がないよ。
ああ!惜しみなく働かないからアカンのか?なるほど。
また哲司君もいいんだよ。
ちょっとイジワルを言ってしまったよ。とか。
そう言えばこの二人のおしゃべり独特だなぁ。
すごく気持ちのいいテンポ。
ちょっとちびまる子っぽい。
舜はどうしてるかな?また彼らに会いたいね。
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第一印象は「大人な文章で少し退屈」。クラシックの話がたくさん出てきたからかも。あと基本的には大人というか、おっちゃん、おばちゃんの恋愛物語なので、展開が緩かったから、というのも退屈さを感じた原因のひとつかも。
とはいえ結果的には読み終えて良かった。何度も読むのを挫折しそうだったけど。5章あたりから一気に畳み掛けられた。大人な恋物語の底力を見せられた感じ。
最初のほう、退屈でも是非あきらめずに読み進めてほしいです。きっととても幸せな読後感が待っています。
最後に気になった文章を引用。
「きっと、自分に自信がある人は、好きなものを堂々と好きだと言えるのだ」→喜美子の言葉
「親子の愛情に変わりはないが、男女の愛情は育てていかないと枯れる」→哲司が娘に宛てた手紙
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インフルエンザにかかり、手に取れる場所にある本はホラーやミステリばかり。
何だかなぁと思い、主人に『優しそうな感じの本を持ってきて〜』とお願いした所、本書を持ってきてくれました。
ちなみに主人は本はほとんど読まず、タイトルと表紙のイラストで『優しそう』な感じがしたんだとか。
病床の身にはピッタリな優しい大人の恋愛。
もちろん大人なので優しいだけではなく、シビアな現実の話も出てきますが、やはりこの本は優しい。
話の中に出てくる椿姫のオペラの曲、ラ・トラヴィアータを聴きながら読みました。
心の風邪をひいた哲司と一緒に、ノンビリした空間の中で私の体も少しだけ元気になった気がします。
膨大な積読の中から一冊を選ぶのは迷ったり悩んだり中々大変だったのですが、これを期にたまに主人にお願いして選んできてもらおうと目論んでいます。
新たな本の楽しみ方をまた一つ発見。
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話の根底にあるのは家族であり別離、死別、不倫、離婚であり決して明るい話題ではないのだが、そんな人生の紆余曲折を経たものが互いに干渉し合い「心の風邪」から再生へと向かっていく。町風景と心の描写が美しい文章で綴られていて、心地よい風が読む者の中に通り抜るエピローグとなる。
生きていればすべて変わっていく、より良い未来を願いながら変わっていくことの大切さに気づかせてくれる。
「青春・朱夏・白秋・玄冬』で人生の時期を表すのも深みがありますね。 犬塚康博さんの「幸せそうな人たち」の歌の一節に
青い春は石を剥がし/朱い夏に石を投げ/白い秋は石を切り出し/玄(くろ)い冬に石を敷く~ってあり、再び感動。
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図書館で。四十九日のレシピが面白かったので借りてみたんですがアレの後に読むと同じようなお話だなあと思ってしまう。この作家さん、きっと美人よりも愛嬌があって家事(特に料理)上手な女性が好きなんだろうな。
それにしても彼の奥さんがあまりにテンプレな悪女過ぎてなんでこんなのと結婚したんだ、と思うけど…もしかしたら彼女なりに変わろうとした努力とかあったのかもしれないし、二人の話し合いが見えなくて残念。四十九日の話の次に読むと男の浮気は許すけど女の浮気は許さないぞ、みたいにも見えてちょっとな、と思います。
ペコちゃんも最初はちょっとおせっかいすぎるし図々しいしあまり好きなタイプではないな~と思いながら読みました。人の話聞かない人ってなんて言うかニガテ。自暴自棄な主人公君もナンダカナ、と思うし。
夏休み楽しかった、でも日常に戻ります、というオチでも人生って感じで良かったんじゃないかなあ。ペコちゃんと過ごした優しい時間を心に奥さんと娘さんに優しくしてあげることはできなかったんだろうか?と思うのは私が感傷的すぎるのかな。そして取って付けたようなペコちゃんの家族候補とその最後もナンダカナ、と思うし。そんな全方向的にハピエンにするならペコちゃんには独立してきちんと働いてほしかったな、と思いました。大体、店を持つと家の面倒見てもらうが一緒ってちょっと公私混同すぎるよね…。そして。
39はオバハンじゃないでしょ~(笑)
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39歳の恋愛。なんかなー、ええハナシやけど、そこはなとなくベタだ。39歳の恋愛は、そんなうまくまとまらんて。
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疲れたら休めばいい。こんな素敵なまちで休暇を過ごせるなんて気分転換できること間違いなしでは?
ちょっとおせっかいか、と思われるけど、そのおせっかいさに救われたところが大きいな。
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読み残してたデビュー作
「心の風邪」この発想ができるからこその作品たちなのだなあと
ガソリンスタンドのくだり、そうやってくしか生きていけない感じはあるけど、キンコなら前を向いて生きててほしかったような
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何だかなあ。
良い話なんだろうけど、
あんまりこういう展開は好きじゃない。
結局、娘が可哀想としか思えん。