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政権交代狂騒曲 (講談社文庫)
政権交代狂騒曲
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紙の本
かくも大混乱の小泉以降の日本の政治
2011/07/17 21:49
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ベテラン政治評論家の浅川が、最近起こった政権交代劇とその前後の自民党政権のどたばたぶりと民主党新政権のがたがたぶりを淡々と描いたものである。まだ5年ほど前のことであるが、これを読むとつい最近のことのように思い出す。
つまり、この5年間政権交代を挟んで、政治の混乱ぶりと内閣の人材不足を感じざるを得ない。それが自民党あるいは民主党、どちらかに偏っていれば、どちらかが選挙で敗退して舞台から消えていくのであろうが、現在の状態ではどちらもこのままでは政権を担当することは難しいと考えても間違ってはないであろう。
この現象はつい最近まで継続している。復興相がまさかと思うような失言によって辞任したり、首相がだれにも相談せずに原発のテストを始めると言い出したり、一体この国の政治の混乱ぶりは行くところまで行かないと、収拾しないのであろうか。
本書は、自民党の末期、小泉以降の政権、つまり安倍、福田、麻生そして政権交代後の鳩山、菅政権までの5人の首相までを描いている。一国を率いる器ではない人たちが総理大臣になってしまったことが、そもそもの混乱の原因であることは明白である。
浅川は、その原因を分析して、読者に示してはいないが、どりあえず全編を復習してみよというのであろう。本書ではその時々に政府や党の要人との会話やアドバイスの中身などを明かしている。政府や党の要人が浅川のようなキャリアの長い評論家に意見を求めている現実が伝わってくる。
昔に比べて軽くなったのは総理大臣だけではない。内閣を構成する閣僚はより軽量であり、人材不足がここまで来たかと思わせる現実を描いている。認証式を終えたところからもう放言が始まっているようだ。閣僚になったのだから言いたいことを言わせろとでもいうのであろうか。あるいは閣僚になった俺様のいうことを聞けとでもいうのであろうか。
いずれにしても放言、奇行、不祥事などで禄な仕事をしないうちに辞任とは、大臣ポストとは行政の責任者が座るところではなく、政治家に箔を付けさせるためにだけあるかのようだ。
小泉政権以降の政治を振り返る恰好の書で、内実も含めて時系列的に分かりやすく整理されている。国民もこの混乱の動きを直視しなければなるまい。もう政治家だけには任せておけないところまで来ているのが日本の政治ではなかろうか。