紙の本
一気に読みました。
2012/12/22 11:02
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初、なんだか状況がよくわからなかったのですが、途中から話しに引き込まれ、一気に読んでしまいました。面白かったと思います。
紙の本
良い本です
2024/02/28 19:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
妻ミチルのあり得ないような身の上話を語る夫がいます。こんなふうに過去は色々あったけど、今は夫婦で穏やかに暮らしているってことなのかなと先を想像していたら、終盤で夫の身の上話が語られて、思いがけない展開でした。
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2011/12/05。宝くじ当せんをきっかけに、思わぬ方向に転がる人生と人間関係がちょっと怖いミステリー。ちょうど年末ジャンボの時期なので、もし当せんしたら…という想像をしながら読みました。高額当せんっていいことばかりじゃないんだなー。
第三者目線の語り口調で進むため淡々とした印象で、内容はダークでハラハラするところなのに、文章が丁寧なものだから臨場感が出にくいのが残念なところ。でも、誰が語っているのか?と謎を終盤まで残してくのは楽しめました。終盤は語りべが明らかになり面白いとこなんだけど、ちょっと文章が重たく、読みとばし気味になっちゃいました。ということで★は3つ。
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一緒にダンスを踊れない。そんな読後感。
悪くはない。話も上手。その証拠に、読み始めたら止まらなくなって一気に読んでしまった。見ている分にはいいと思う。
だけど、一緒に手を取ってダンスを踊ろうとすると、足を踏んだり体がぶつかったりしてスムーズにいかない。
ミステリーとして面白いかというと微妙。ミステリー的な要素を取り除いて、それでも文学的に面白いかというと微妙。
たとえば伊坂幸太郎にはその両方の面白さを感じるのに、本書はいま一つ。
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ダ・カーポ、NHKの2010ミステリー1位作品。
傑作の呼び声高し、に偽りなし。
めっちゃ面白い。
語り口のうまさ、綿密な組み立て、意表をつく展開の数々。
ページめくりがもどかしい。
久々の最高評価であります。
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『【その日】から読む本』が読んでみたい!
まさかこんな展開とは・・・。
最後の最後まで終わりが見えなくて面白かった。
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あなたに知っておいてほしいのは、人間にとって秘密を守るのはむずかしいということです。たとえひとりでも、あなたがだれかに当せんしたことを話したのなら、そこから少しずつ噂が広まっていくのは避けられないと考えたほうがよいでしょう。不倫相手と逃避行の後、宝くじが高額当選。巻き込まれ、流され続ける女が出逢う厄災と恐怖とは。
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「私の妻の郷里は・・・」で始まりたんたんとした話し口調で語られていくこの小説は、タイトルのとおり主人公の女性についての身の上話をきいているような感じが始まった。しかしぼんやりとした「土手の柳」のような女性が様々な出来事に絡んでいく話はこの先どうなるんだ!という先の見えないストーリーに引き込まれていく。そして最初の一文で示されている疑問はどのように解決されるのか。それが最後の3章で徐々に示されて最後の告白の章を迎える。このストーリーの進み方がとにかく秀逸。文庫本で450ページ以上もあるこの本のページをめくっていくのがもどかしいくらいに、話の展開に引き込まれた。
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ミステリー小説。この人の作品だから純愛小説だと思って購入したんだけど、違いました。良い裏切りでした。ラストの部分、私はある意味納得したけどな。
宝くじ高額当選者、成ったら良い夢だけでなく悪夢も見られるんだ。ミチルの行動はなんだかちぐはぐだけど、そのちぐはぐさが「共犯者」であり「超大金持ち」であることに対する不安から来ているものであることが、よりリアルさを出していて面白かった。でも、そんなにあっちこっちに殺人者がいる人生は嫌だ。
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自転車でガタゴトと道の悪いところをひた走っている印象の小説。
行き着く先は当然危うい崖だろう。途中で転げて大けがをするのかも…
そんな流れの中からいうと、意外とエンディングはあっけないかもしれない。少なくとも私はそう感じた。
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初めはミチルの考えのない行動にイライラさせられたし、周囲の反応の方がもっともだと感じていたので、どんな風に展開していくのかと思ったら。
こんな風に何かの拍子に巻き込まれていくこともあるのかもしれないと、後半は引き込まれました。
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すごく面白かった。
解説にあった「普通ぶった変な人たち」というのは、きっと誰もがそうなのだろう。突然、身分不相応な大金を手にするとあらゆる意味で人生は狂っていくことがよくわかる。小説として、とても入り込めて面白かった。
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ミステリーを殆ど読まないので、評価のほどに自信はないけど。
・わたしの妻は…と語られるストーリー
・語り手は夫なハズなのに、いつまでも登場せずに、話はどんどん進んでゆく。
・きっかけは、ほんの些細な衝動?だったはずなのに。気付けは引き返せないところまで流されてゆく主人公。
・そして語り手である夫との出会い。
・そうきたか…!というラスト。
出張の移動中に、むさぼるように頁を繰り、あっという間に読みたおしてしまった。
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語り手と主人公ミチルとの関係は早い段階で分かるのだけど、誰に向かって語っているのか、気になりつつ読み続けていく。
最後に、なぜ語っているのかが分かり「あー」と納得。
それにしても、なんだこの流されっぷりは。
どうせなら最後にもう一波乱あってもよかったな。
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読み終えて、やっぱり小説は面白いと改めて感慨に耽ることが出来る作品。
夫と思われる人物が、ミチルという女性の「身の上話」を淡々と語る構成だが、何故ここまで丁寧に説明しなければならないのか、その理由もミチルの「身の上話」に劣らない程衝撃的である。
それにしても、何人もの男の人生を変えたミチルの魅力とは如何なるものなのか。容姿の描写が僅かなので物凄く気になる。
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あなたに知っておいて欲しいのは、
人間にとって秘密を守るのはむずかしいということです。
(『【その日】から読む本』第二部・第4章)
地方都市の書店員の女性が、宝くじを買って不倫相手と失踪する。
その宝くじが1等2億円に当選。
行きあたりばったり流されていく主人公。けれど自分がその立場に置かれたとき果たしてこんな行動をとらないと言い切れるだろうか。
ものすごい傑作だと思います。
東野圭吾さんの作品に「悪意」という傑作がありますが、それもある人物の手記を巧みに用いていました。
この小説は件の女性の「夫」と思われる人物が、女性から聞き及んだ事柄を独白する形で進むのですが、
これはまさしく一人称で語られるべきものであり、それなのにその「私」が語る第三者の描写が秀逸で、
どれが一体自分が感情移入して、どういった立場から現実と向き合っているのかがわからない。
推協賞の選評で伊坂幸太郎さんが、
”まさに小説本来の喜びに満ちた作品でした。「語り方」に工夫を凝らし、
文章の豊かさを原動力として読者を引き込んでいきます。”
と述べているように、抑制のきいた文章といえばいいのか、
リーダビリティがものすごく高い上に、「そうそう」と同意させられるような、
表現は悪いですが「詐欺師」の語り口なのです。
そして主人公の女性の身の上話がどこに行きつくのだ、着地点が見えないと思っていると物語の終盤、今度は私である「夫」の物語が幕を明けます。
そこからの表現は嘘偽りのない事実であり、こちらの「身の上話」にも圧倒されながら読み進めていくとラストにいたって著者の狙いがようやくわかるという構成です。
少ない登場人物を複雑な関係におき、ここまでの長編に仕上げることはかなり難しいと思います。