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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2011.12
- 出版社: 洋泉社
- サイズ:18cm/221p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-86248-794-0
紙の本
世界が賞賛した日本の町の秘密 (新書y)
町の構造、交通インフラ、交通手段、景観、そしてそれらと結びついた日本人の習慣にこそ、世界がめざす方向のヒントがある! カルチュアル・ランドスケープ史家が「日本人が気づいて...
世界が賞賛した日本の町の秘密 (新書y)
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商品説明
町の構造、交通インフラ、交通手段、景観、そしてそれらと結びついた日本人の習慣にこそ、世界がめざす方向のヒントがある! カルチュアル・ランドスケープ史家が「日本人が気づいていない」日本の町の素晴らしさを紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
チェスター・リーブス
- 略歴
- 〈チェスター・リーブス〉1945年アメリカ生まれ。ヴァーモント大学歴史学科名誉教授。ニューメキシコ大学歴史保全地域学科非常勤講師。専門はカルチュラル・ランドスケープ史、都市文化史など。
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紙の本
誉められすぎてなんだかこそばゆいけれど、いいところは大事にしよう
2012/04/27 11:34
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんだか名前がご大層過ぎて・・・著者はチェスター・リーブス、カルチュラル・ランドスケープ史が専門とか。カタカナはよくわからない。「自然」と「文化」に育まれた景観やコミュニティや暮らしのことらしい。訳者は『道路整備事業の大罪』を書いた服部圭郎氏。
ママチャリ(スポーツ用ではない。子ども用の座席のあるなしは関係ない。日本ではごく普通のタイプだが、世界的には珍しいらしい)と自転車町内、公共交通の3つは世界にとっても重要な資産だって。誉められすぎてなんだかこそばゆいけれど、友人とも、「自転車と湯たんぽは偉大な発明だよねぇ」と話したことがある。なんたって、便利。毎日お世話になっている。無駄がない。超お得。この本によると「地球に優しい」。温暖化対策でもあるなんて、意識していなかった。CO2を出さないって、当然過ぎるものだから・・・場所もとらない。そういわれれば、なるほどです。
「ママチャリはまた、人間の身体的なサイズというべきヒューマンスケールとコンパクトな生活圏を維持しているという面から、人々の生活に影響を与えています。」アメリカの買物は自動車で・・・自動車の購入、ガソリン、でかいショッピングカートに大量の食品、駐車スペースにでかい冷蔵庫、でかい台所、幅広い道路・信号・右折レーンも整備。「こうして、自動車の利用は、エネルギーを大量消費するコンパクトでない建物、街区、そして都市をつくりだします。それはまた、運動不足、食べ物の大量摂取、より太い腹回りと、医療費の高騰をもたらすことになるのです」。しかし、今の日本もアメリカの後を追っている・・・メタボ検診、スポーツジム通い・・・
自転車町内という呼び方、なるほど、自転車でいける範囲に、買物先、銀行、郵便局、病院、仕事場、公民館、すべて揃っているなぁ。生活圏=自転車町内ねぇ。だから、ウサギ小屋でも快適だったと、著者は言う。だから籠っていてはもったいない。自転車町内を有効に活用しないと。ただ、それも、自転車に乗れるうち。自分の高齢化に伴い、歩ける範囲にある程度揃っていないと、暮らしが成り立たない。もっとコンパクトになって欲しい。
「国によって、モータリゼーションが進展する時期は異なりますが、その結果はほとんど同じです。都市内の街路を自動車のために転用するという事例は、日本の都市を含めて世界中で見られる現象です。都市内の幹線道路は、高価な信号機や標識、立体交差、ガードレールなどさまざまな設備を設置することで、道路における最も広い空間が自動車に提供され、それ以外のものは端に追いやられることになります。自動車こそが王様であり、道路のほとんどの部分を占有することを許されています。そして、我々はこれが正しい状態であると認めるよう洗脳されてしまっているのです。」
自宅近くを通る予定の都道小平338。説明会での都の職員の対応を見ていると、頭固すぎ。住民の意見を聞こうという態度がまったくない。きっと洗脳されちゃっているんだね。道路を造ることがいいことだと思い込んでいて、それを前提にしちゃって、アセスをやっている。順序が逆なんだよねぇ。人間にとってどうなのかという発想に切り替えて欲しい。
「自転車の駐輪場での管理人が重要であるとの同様に、その仕事に献身的で、礼儀正しく、責任感がきわめて高い勤労者たちは、日本の公共交通システムを人の顔が見えるものにし、安全性、予測性、そして使い勝手のよさを提供しているのです」。
著者は、人間に重きを置いている。ママチャリが、スピードがさほど出ないし、周りを見ながら走れるようになっている点に着目している。すれ違う時も日本ではお互いに無言のコミュニケーションで上手に行き交うって。また、戸建の低層住宅地は高層の建物と違って、人の眼があるから、防犯上もいいって。そう、大事なのは、人間なんだ。そこを忘れちゃぁいけないと思う。
この頃、大騒ぎしている地震対策について、下町の木造住宅が槍玉に上がっているけれど、コンクリートの建物には、私は住みたくない。木造が日本の気候にあっていると思う。震災の時には、まずはいのちを守って逃げる。家が焼けちゃったらまた建てればいい。高層のコンクリートは撤去するにもやっかいだよ。そう言えば「コンクリートから人へ」って標語はどこへ行ったんだか。「狭い日本そんなに急いでどこへ行く」っていうのもあったっけ。いい言葉は大事にしたいね。
コマーシャルに、携帯の道案内を見て歩く人だらけというのがある。あれでは行き交うのも難しくなるだろう。実際、自転車で携帯を操作している若者にぶつけられ指を痛めたことがある。目の前の人間を見ていない。著者が褒めてくれた日本の財産、人間を大事にする視点も今の日本ではとても危うい。自転車は車道を走れというが、現実には狭い車道では怖い。歩道を走る際には、小さなベルを早めに鳴らし、道を譲ってくれた人には「ありがとう」「すみません」の挨拶を心がけている。ほんの小さなことでもいい、できることから変えていこう。