紙の本
著者を裏切った組織と支える人たちがあって出来た本
2012/02/06 23:21
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:甲斐小泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
村木厚生労働者局長が障害者団体向けの郵便割引制度悪用に絡み逮捕のニュースを見て、こんな賢そうな人がそんな犯罪を犯したの?と思いましたが、その後、村木さんは無罪となり、一転して村木さんを捜査した大阪地検の特捜部長と副部長が逮捕されました。
この時には、村木さんに感じた以上の違和感がありました。と言うのは、検察=鬼、怖いと言うイメージを抱いていた割に(その手のドラマは余り見ないので、祖母が近所に越して来られた元検事さんを、元の職業柄から怖いと思っていたらいい人だった、と繰り返し言っていたのが大きいです)、元特捜部長の大坪さんは、普通のその辺にいそうな、怖いよりは善良そうなオジサンに見えたからでした(アクションスターのジェット・リーが「海洋天堂」で演じた、近所でお目にかかれそうな雰囲気のお父さんみたいです)。
いやいや、悪人は悪人って顔してたらばダメなんだよ、経済ヤクザなんて、見た目にはすごい紳士に見えるじゃん!と思い直しましたが、その後のバッシングを見て、少しばかりマスコミの松本サリン事件の時の反応を思い出したりもしました。
しばらく事件の事を忘れていた時に、大坪元特捜部長が勾留されていた時に体験した事、思ったことがつづられているこの本を見つけました。
第一印象は、余りにも特捜部長と言う事にこだわっていて、差別的表現ゆえ使いたくないのですが、他にうまい言い回しが無いので言いますが、女々しいと思いました。
何で特捜部長の自分がこんな目にと繰り返しておられるのですが、ある時点から、著者はかつて自分が塀の中に追い込んだ被疑者の身と我が身を重ね合わせるようになります。
主に経済事件など、いわゆる凶悪犯よりはお金持ちやインテリさんを追い込む事が多かったから、なおさら、取り調べ官の言動一つでいかに屈辱を味わったり、逆に救われた気持ちになれるかを体感します。
著者によると、フロッピー改ざん事件絡みの逮捕は検察組織のトカゲの尻尾切りで、本体を傷付けない為に著者と部下の副部長に全ての罪を被せたと言う事になります。
取り調べる側として、被疑者を自白に追い込むノウハウを熟知している著者ですら、危うく認めますと言いたくなる捜査の様子を読むと、一般人ならば、例え自分がやっていない事でも、拘禁を逃れる為なら認めてしまうかもと思わされました。著者はそこまでは意図していないと思いますが、精神的な拷問に近い強引な取り調べによる冤罪はままあるだろうと思わざるを得ません。
一読して女々しいと思われても仕方ない取り繕わない文章の書き方や、著者を信じ、支えようとする家族や司法修習生仲間や先輩、後輩などの言動に関する記述を読むと、確かにこの人はちょっとした取っ掛かりから貶められたのかも?と思われて来ます。
著者の二男と近い年齢の我が子ならば、父親がこのような苦境に陥っても、決してこんな言葉を掛けて力づけたりしないだろうと思うと(私も著者の奥様のように頻々と面会などしないでしょうし)、忙しく仕事をしても、恐らくは仕事に逃げず、肝心な時には家族にしっかり対していたのだろうと思います。
また、若干自慢臭はありますが、かつて自らが獄に追い詰めた人たちからの言葉も、著者が厳しさの中にも温情をもって当たったからだろうと思わされます。
読後の感想と言うか直感はやはり、この人は仕事熱心なオジサンで、悪党じゃないよ!でした。
実は最初に村木さん逮捕の報道を見た時に、女性の出世の足を引っ張りたい何者かが裏にいるのかしら?と言うインスピレーションが働いたのですが、この著者の場合は、あくまでも私の勝手な推量ですが、もしや検察組織内の学閥によってターゲットにされたのかも?と思ってしまいました。
誇りを持って働き、信頼していた組織に裏切られたと言う著者は、ここまで書いた以上、例え無罪を勝ち得たとしても元のサヤには戻らないでしょう。今後は強引な捜査による冤罪などが起こらないように、善良な庶民の味方になって欲しいと思います。
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村木事件でフロッピーディスクを改ざんした検察官の上司にあたる人の逮捕前〜保釈までの手記。
読み始めはただの検察批判本だと思い、読むのやめようとおもったが、拘置所生活で拘禁症状に立ち向かう場面からすごく興味深くなった。人がどのようにして精神的な起伏がうまれるのかとても理解できる。
検察組織の構造がおおまかにつかめた。
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権力を握っていた人が、権力によって地獄に落とされる。
それを天意だと感謝しながらも、獄中で慟哭し、
魂を鎮めるため般若心経を写経する。
懸命に尽くしてきたはずの組織に、いとも簡単に掃いて捨てられる。やはり信じられるのは自分だけ?!
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著者の容疑の真偽は分からないが、フロッピー改竄の実行行為者ではないようだし、やや無理筋ではないかという気がしていたので、本件に関する記述は得心がいった。
他方、最高検による調査、マスコミ攻勢、逮捕、勾留の体験記としては、元特捜部長の手になるものにしては精彩を欠くものと言わざるを得ない。検察官から容疑者へという劇的な立場の変化には同情もするが、全体的に情緒的で、泣き言ばかりの印象を受ける。同じような拘置所の体験記である、佐藤優の「国家の罠」の方がずっと冷静で分析的かつ理知的だ。
その点、著者が検事として取り調べた事件の回顧録的な部分は、より客観的であり、この部分が本書のハイライトといえる。
著者は、検察当局の人身御供にされたという立場だが、プロフィールによれば、三井環大阪高検公安部長の事件では調べる側にいたらしい。この件について何も言及がないことに不可解さが残る。
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重い内容だろうと身構えつつ読み始めたが、どんどんのめり込んでしまった。
村木事件で犯人隠匿容疑で逮捕された、元大阪地検特捜部長の勾留120日間の手記である。
検事として長年被疑者に対峙し、そして今度は逮捕される身となった耐え難い体験による叫びに、つい感情移入してしまった。
しかし、この手の本を読む際には、事実の解釈に関して冷静さを失わないように注意しなければならないことを学んだ。
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大坪弘道『勾留百二十日ー特捜部長はなぜ逮捕されたか』(2011)
を読む。
大阪地検特捜部・証拠改ざん事件はその後どうなっているのか
気になっていたからまさに絶好のタイミングの出版であった。
大坪は元大阪地検特捜部長として
郵便不正事件(村木厚子らを逮捕)を陣頭指揮していた。
2010年9月、村木に無罪判決が下る。
その後部下であった前田元検事による
フロッピーディスクデータが改竄が判明。
犯人隠避容疑で最高検に逮捕。
検察庁を揺るがす大事件であったにも関わらず続報が減り、
事件のその後について情報が不足していた。
逮捕された大坪、佐賀が犯行を否認していることは聞こえてきたが
それ以上の事件の全貌が霧に包まれ見えてこなかった。
本書は大坪が勾留期間中に獄中で書いた手記である。
最高検が大坪、佐賀元副部長にすべての責任を押しつけ
組織防衛を謀った構図がよく見えてくる。
検察官には起訴休職が認められず、
公判請求された瞬間、職を剥奪される。
退職金等の財産受給権も失い、
住宅ローン貸付金の一括返済も求められる。
弁護費用をどうするか。
収入が途絶え残された家族はどうやって暮らせばいいのか。
普通の人間ならこうしたハンディキャップを背負って
巨大組織・最高検と闘うことなど思いも及ばぬだろう。
へこたれてしまって偽の自供をしてもなんの不思議もない。
ところが大坪がこれまでの仕事、人付き合いで培ってきた信用が
彼自身の最大の窮地を救った。
獄中でときにくじけそうになる大坪を
物心ともに支援する人間が次々と現れたのだ。
この書を執筆発表した大坪、
出版を実現した文藝春秋の勇気に感謝する。
日本の出版文化、ジャーナリズムの底力を見る仕事である。
佐藤栄佐久元福島県知事の二冊の著作に続き、
国家と個人の現代的関係を司法の視点で考え直す
絶好の一冊となった。
(文中敬称略)
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著者が、村木事件(郵政不正事件)におけるフロッピー改竄に係ったとされ勾留された際の手記。主張が強く述べられていると思いきや、心情の変化が細かに書かれていて読みやすかった。
私には、まっすぐで正直な人に感じられたけれど・・・
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27年検察権力の中にあり,一昨年一転して逮捕・起訴された著者の弁明の書。組織防衛のためなりふり構わず追及してくる最高検を「許し難い」とするが,共感してくれる読者は少ないだろう。
大阪地検で特捜部長だった著者。指揮を執った郵便不正事件で,部下の主任検事が証拠を捏造していて大問題になり,「無理筋」の容疑で最高検に調べられ,逮捕・起訴された。内部調査から逮捕,起訴と続く痛恨の日々と,法曹を志し検事に任官して活躍した日々,自己の境遇に対する思いを綴る。
精神的に苛酷な拘置所生活や,起訴を受けて懲戒免職となり,法務省の共済で借りていた住宅ローンの一括返済が必要になったり,著者は大変な思いをしているが,知人が金策してくれたりとなかなか恵まれている。もちろん離れていった人も多いが,旧知の弁護士が交代で接見に来てくれたり,普通の被疑者・被告人ではなかなか得られない支援を得ることもできた。湯浅氏いうところの「溜め」というやつか。
トカゲのしっぽ切りで,まあ運が悪かったのだとは思うけど,本人はこれも「天命」と考えているそうだ。でも受け入れるというわけではなく,裏切った検察許すまじとお怒りの様子。自分が反対の立場だったことを考えると,その口が言うかという感じではあるけれど。
自分の過去の検事としての仕事については,今ではいい思い出になってるらしく,被疑者が落ちたときとか,理解しあえたときとか,いろいろ書いているが,美化バイアスがかかってる。
自白はやはり重要だそうで,「自白は強い。自白なくして事件の解明はありえない。」(p.230)というようなことを,検事としての履歴紹介で何度も述べている。もう信念のようなものなのか。
拘置所で村木さんの著書を読んだらしく「指揮官であった私がこの境遇にあって、敗れた戦いの過程を相手の書き物によって振り返らされることは辛い作業であった」と感想を漏らしてる(p.293)。まあ公判中だったし,ほかに何も言えないんだろうがなんだか違和感。「彼女もさぞ辛い思いをされたのだろう」とか一応言ってはいるが。
検事といえば法律の専門家で,さぞ論理的な思考のできる人なのかなとも思ったんだけど,そうでもなかった。この人個人の傾向かわからないけど,なんか宗教がかっていて,やたら「天命」とか「魂」とか出てくるし,拘置所の長い時間を過ごすのに,読書には身が入らないので写経をやるのはまあいいとして,「宇宙霊」まで登場したのにはびびった(p.144)。
「宇宙霊」は,著者が修習以来心酔していたという哲人・中村天風の『運命を拓く』からの引用で出てくるのだが。自己啓発本?内容紹介にはこうある。
「生命(いのち)と宇宙の結び目、心が一切を創る。運も成功も健康も、すべて心の働きだ。心に宇宙の無限の力を取り込み、積極的に生きてみよ。多くの人をよりよい人生に導いた、哲人天風 感動の教え!」
うーむ。
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元大阪地検特捜部長、大坪氏の主張、
読み終わった後、第一審有罪判決が出て、即日控訴された。
「いかに自分は正義のために働いてきており、最高検の不当な逮捕と闘ってきたか…」という大坪氏の主張が続くが、読みながら違和感を感じていた。
この大坪氏の属してきた、検察の体制そのものが問われているのに、何も理解しようとしていないのではないのか?
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判決要旨を読んで良く分からなかったので,読んでみました。獄中記というのはみな同じようなテイストになりますねぇ。当たり前かもしれないけれど。
期待に反して,事件の中身はほとんど出てきませんでしたが,読み物としてなかなか興味深いものがありました。
司法修習とかで,身分を明かさず10日間勾留されるプログラムを必修にすれば,刑事司法はずいぶん変わるのではなかろうか。
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拘置所に120日にわたって勾留された際の日記をもとに、大坪氏自身が書き上げたものです。書いている内容の重さに打ちのめされるとともに「正義とは何か?」「検察とは何か?」と言う事を突きつけられます。
この本はかねてから気になっていました。内容を簡単に申し上げますと『最後の特捜検事」の異名をとり、オウム真理教地下鉄サリン事件の土屋正美を担当したことをはじめとして、数々の有名な事件の指揮をとり続けた筆者が一転、俗に言う『村木事件』で村木厚子さんが無罪を獲得したことをきっかけに『フロッピーディスク改竄』を皮切りとし、今までとは対極の逮捕、そして120日間の勾留生活を受けるという文字通り天から地へまっさかさまへ転がり落ちるという過酷な運命の中で自分の身に降りかかったことや、自分の下を去っていく人間。組織防衛のために組織が人を切ると決めたときの恐怖や理不尽さ。過酷を極める取調べと拘置所の生活で、自分の信念が揺らぎそうになるところもまさに赤裸々に書かれており、『正義とは何か?』『国家とは何か?』『検察とは何なのか?』ということを真正面から突きつけられたような気がして、これはかつて権力を行使していた人間だからこそ、書くことのできた手記だな、と思いながらページをめくっていました。
そんな筆者にも『捨てる神あれば拾う神あり』ではありませんけれど、自分のことを応援してくれる、恩師や、ともに机を並べて切磋琢磨した大学時代の同窓生。司法試験に合格してから知り合った同期の司法修生で現在は弁護士の方などが支援してくれているくだりを見ると、国家権力に立ち向かっていくのに必要なものは、個人の気力はもちろんのこと、最大の支えとなるものはこうした支援者や、言うまでもなく家族の支えがあってこそなのだということを改めて思い知ったしだいでありました。
特に筆者の家族。とりわけ奥様は、どんなことがあっても筆者についていく、という並々ならぬ決意が面会や筆者のところに送られてくる手紙などからうかがえて、それがなんともいじらしく思ってしまいました。中盤あたりで『意外な人物』から手紙が筆者の元に届く場面があって、それはここで何度も著書を紹介させていただいた作家の佐藤優氏からで、佐藤氏は自身の経験から、組織が人を切るときの冷酷さなどを自分の経験から筆者に切々と訴えかける場面があって、かつて、自分を『塀の中』に入れ、『512日泊513日間』もの勾留生活を送らせたいわば『敵』である立場の人間が自分と同じような運命に落ちたときに迷わず手を差し伸べる。その『想い』に強く打たれました。
いわゆる『村木事件』とは一体なんだったのか?これは今でも答えが出ていないと思いますし、筆者は現在も裁判闘争中ですから、この結論が出るのはずいぶんと先のことになるでしょう。ただ僕がいえることは、こういった方が手記を発表することによって、僕のような人間に強い関心を引くことができた、ということと『検察の「正義」とは何なのか?』ということについて、深く考えさせてくれる一助になったと、これだけはいうことはできます。これからも筆者をめぐる運命は過酷であるかと思いますが、どうか、乗り越��ていかれんことを、この場を借りてお祈り申し上げます。
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厚労省の村木局長事件で捜査を指揮した元大阪地検特捜部長。部下の前田検事によるフロッピー改竄という失態の結果、村木氏は無罪になり、逆に著者は犯人隠避容疑で逮捕された。
特捜部長にまでなった人物が検察の組織防衛のため、切られ、逮捕された時の心理や家族、友人の支えなどが中心となっている。
佐藤優の「国家の罠」の方がオレには面白かった。
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2009年大阪地検特捜部は障害者郵便制度悪用事件として厚生労働省の村木厚子局長を逮捕。が、しかしこれは誤認として村木氏は無罪になったが、朝日新聞は事件を担当した前田恒彦検事が証拠改ざんし不当逮捕したと報道。
そのため検察庁は組織の保全のために大坪弘道局長を逮捕、勾留した。組織の非情に対し、絶望に打ちひしがれながら、大坪氏自身の検察官としての仕事を振り返りつつ、現在の検察組織に疑問を呈する渾身の書である。
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村木厚子さんの事件で証拠改竄した前田元検事の上司だった大阪地検特捜部長。その大坪さんが逮捕されてから保釈されるまでの120日間の手記と、大坪さんの思い出の事件数件について。
最高検の事情聴取が相当つらかったらしい。勾留中は、眠くなくても寝なくちゃならないのがつらかったと。
この状況下におかれても、自白が一番という信念は変わらない様子なのはすごい。「自白は強い。自白なくして事件の解明はありえない」とし、さらには、「人質司法はある意味で検察に残された唯一のカード」とまで言い、最高検にこれを使われたからと言って泣き言は言うまい、と決意。虚偽の自白がなされるおそれとか指摘されているけど、大坪氏には、これまで自分の前で自白に転じた被疑者の様子から、”真の自白”であるという”確信”があるのだろう。その”確信”こそが危ないんだと思うけど。
弘中弁護士も引用してたけど、妻に事情聴取するかもと聞いたときに大坪氏は「もし妻に指一本でも触ってみろ。ただではおかないぞ!私が知っているすべての秘密をばらして検察をガタガタにしてやる」と言ったという。「すべての秘密」が何か気になる・・・・
大坪氏には、応援してくれる妻・こどもたち、そして恩師や同期の弁護士がいたことがとてもよかった。
自分の無実と、検察組織の裏切りを訴えつづけた大坪氏。有罪を認定した判決文にも裁判所ホームページからあたってみたら(大阪地裁h24.3.30)、110ページ以上あった。
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この本は、部下の言葉を信じたばかりに大阪拘置所に収監された元特捜部長の手記です。この本を読むと人は多くの方(家族、先輩、後輩)の助けによって生かされるのだということが良く分かりました。
この本の内容で1点、気になる表現があります。それは(村木さんの手記を前にして)「理由が如何にあれ、私が精魂傾け指揮した事件に無罪の審判が下った。私は戦いに敗れたのである。」(292P)、「指揮官であった私がこの境遇にあって、敗れた戦いの過程を相手の書き物によって降り返させられることは辛い作業であった。胸が締めつけられるような無念さを伴うことであった」(293P)との記載についてです。本当に犯罪を犯した方を有罪とするのが検察官の職務であって、悪いことをしていない方(無罪の方)を有罪と出来なかったことが「負け」という表現を使うことに違和感を覚えました。(村木さんは悪いことをしていないのですからそれでよかったのです。悪いことをしている方を有罪に出来なかった場合が検察の負けということではないでしょうか)
この本の筆者である大坪氏は大阪弁護士会に所属し、今後、弁護士として活動をしていくとのことです。どうか人の心の痛みの分かる弁護士となって活躍することを願っています。この本の筆者及び素晴らしい本を出版してくれた出版社に深く感謝いたします。ありがとうございました。