投稿元:
レビューを見る
時々荻原さんと奥田英朗さんの区別がつかなくなる。それくらい短編のテイストが似てると思うのだが、荻原さんのほうがちょっと苦味がきつい。
「原発がともす灯の下で」はとてもタイムリーな作品。正面切っての批判ではないのだが、作家ならではのチクチクした皮肉が心地よい。
「俺だよ、俺」はなんともやりきれなく苦い笑いの浮かぶ作品。しかし未だにこの手の詐欺に引っかかる人は後を絶たないので、こういう作品がもっと知られてもいいんじゃないか、なんて思う。
「今日もみんなつながっている」はいちばん痛い作品だった。作家がネット世界のことを書くとどうしてこんなにキツイ内容になるのかなあ。要するにこういうことじゃん、と身も蓋もない現実があからさまに描写されてしまうからだろう。
「出逢いのジャングル」と「歴史がいっぱい」は恋愛がらみの話で、いかにもありそうな感じ。生物学や動物学をかじってしまうと、恋愛しにくいのは確かだ。
表題作の「幸せになる百通りの方法」は、今流行りのライフハックというやつに振り回されている男子の話なんだけど、ハウツーにすがりたくなる心理っていうのは昔からあるものなのだ。その方が楽だし安心できるからなんだけど、ちょっと外れてみたっていいじゃない?というほんわかした読後感だった。
どれもさっくり読めて、ちょっと風刺もあって、お買い得な本でした。
投稿元:
レビューを見る
ちょっと元気がない時、クスッと笑えて読むと幸せになる短編集。
幸せとは、すぐそばにあることに気付くか気付かないかの差である、と気付かせてくれる。
著書の本はご縁がなく、何度となく借りては忙しくてそのまま返していたので、今回短編集を期待せず初めて読んだが、楽しめた。
投稿元:
レビューを見る
節電・オレオレ詐欺・自費出版・婚活・リストラ・歴女・マニュアル本。
昨今の流行り物に翻弄される人々。
ザラリとした後味が残る掌編揃いの中、
ベタながらも「ベンチマン」の展開が心地好かった。
【図書館・初読・2/20読了】
投稿元:
レビューを見る
原発問題とか、おれおれ詐欺、twitterとか婚活、リストラ、歴女と
時代を切り取った世相を現すような短編集。
特に表題作は面白かった。
いわゆるhowto本を信じ込み、自分の生活に反映していく。
それでも現実社会はそんなに甘くないもので
最後には一筋の光が見える。
どことなく、笑え、どことなく救われる物語たちが楽しめる。
投稿元:
レビューを見る
なんて表現したらいいか悩ましい短編集。
姑の話とかリストラされたお父さんの話とか自己啓発本信者のリーマンの話とか。
どれも気合い入れて読まなくていい感じの話でした。
私のにがてな自己啓発っぽいタイトルだったけど、そんな内容じゃなく。
投稿元:
レビューを見る
今の時代を反映する短編集。
最後に収録されている表題作は、笑えた。
こういう主人公みたいな人、いるんだろうなあ。
投稿元:
レビューを見る
+++
このムズカシイ時代を、滑稽だけど懸命に生きる人たち―。短篇の名手が贈るユーモア&ビターテイスト溢れる七つの物語。
+++
表題作のほか、「原発がともす灯の下で」 「俺だよ、俺。」 「今日もみんなつながっている。」 「出逢いのジャングル」 「ベンチマン」 「歴史がいっぱい」
+++
どれもそれぞれ、くすりと笑わされた後にしんみりしてしまうような物語たちである。さまざまな環境、立場の人々が登場するが、読者は多かれ少なかれ我が身に引き比べて読んでしまうのではないだろうか。そんななか、最初の物語のおばあちゃんの逆襲(?)を思わず応援したくなったり、オレオレ詐欺を自然体でやっつける大阪のオバチャンの潜在能力に笑いながらも感嘆したり、生きている人間の底力のようなものを感じさせてくれる一冊でもあった。荻原さん、上手いなぁ。
投稿元:
レビューを見る
やっと読了!やっぱ学校が始まるとなかなか進まないなぁ…
お話は現代社会の問題を皮肉をきかせつつ心がほっこりするように書かれている
ベンチマンがよかったかな。
投稿元:
レビューを見る
短編集はあまり好きではないけど
この一冊はまさに今、って感じで
風刺であったり哀愁であったりとどのエピソードも
平均点以上の秀作ぞろいで
飽きさせず最後まであっという間に読めた。
投稿元:
レビューを見る
現代社会にありがちなあれやこれやを、皮肉を交えてユーモラスに、なおかつ読後に温かいものが残る短編集。
お気に入りは「俺だよ、俺。」。……そりゃあねえ、たしかにその地域には手を出してはいけないと思います。まさしく抱腹絶倒。でも最後に残るのは、笑いだけではないしんみりとほんわかな印象でした。
投稿元:
レビューを見る
『俺だよ、俺。』
オレオレ詐欺の電話をかける、元劇団員たち。
あと一息のところで、墓穴をほって…。
なかなか成功せず、とうとう禁断の(?)大阪に掛けるのですが…
大阪のおばちゃんが、カッコいいです。
『出会いのジャングル』
動物園での婚活・出会いパーティーに参加している女性のお話。
友人に無理やり参加させられ、乗れない陶子は、学生時代に動物行動学を学んできたこともあり、周りの人たちを動物の習性で見てしまいます。
思わず笑いが込み上げてきます。
『ベンチマン』
リストラに遭い、なかなか奥さんに言えず普段通りスーツで家を出る男性の話。
一日を過ごすのに、やっと居心地のいいベンチを見つけますが…。
ちょっとホロッとします。一番好きなストーリーでした。
『幸せになる百通りの方法』
表題作です。
サラリーマンの心得など、ノウハウ本をしっかり読んで毎日をきっちり過ごしていた男性の話。
そんな彼に、ちょっとした出会いがあり…
しょーもないけど、一生懸命さがいじらしいです。
他の作品の登場人物も、みんな不器用な生き方なんだけど愛すべき人々でした。
投稿元:
レビューを見る
やっぱり長編がいいですね~。せっかくのいいお話なのにすぐ終わってしますってもったいない!まぁ、その余韻を楽しめばいいのでしょうけどね^^ 幸せになる~はなんか、私もその手の成功本みたいなんをよく読んでいた時期があったので我が身を見るようで・・・。俺だよ俺~の電話の返答なんかは我が母を見るようで・・・(笑)
投稿元:
レビューを見る
世の中の問題を皮肉った短編集。
笑える話が多かったですが、リストラサラリーマンを主人公にした『ベンチマン』は優しい人がたくさん出てきて、思わず泣いてしまいました。
投稿元:
レビューを見る
安心のクオリティ荻原さん短編集。表題作より「ベンチマン」がよかったな。ありがちな設定ではあるんだけど、泣いてしまった。家族の安心を削りたくない気持ちがいたいほど分かるから。「原発がともす灯の下で」「俺だよ、俺。」「今日もみんなつながっている。」「出逢いのジャングル」「ベンチマン」「歴史がいっぱい」「幸せになる百通りの方法」全7作。どれも小気味のいい、あるいは温かみのある終わり方で、疲れているときになにも考えずに読みたいときなんかに適しているかも。おすすめです。
投稿元:
レビューを見る
オレオレ詐欺、婚活、リストラ、歴女…登場人物は皆
私たちの周りにいそうな人ばかり。
オレオレ詐欺に引っ掛かる親を一蹴するような
大阪のおばちゃんの切り返しやゲームをきっかけに
戦国武将にはまる女性たちに対する気持ちに共感した。
悪いことして捕まったのなら罪を償いなさい。
ビジュアルバンドのような戦国武将がいるか!
ちょっとすっきりした。