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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2012.2
- 出版社: 洋泉社
- サイズ:18cm/222p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-86248-851-0
紙の本
震災復興の先に待ちうけているもの 平成・大正の大震災と政治家の暴走 (新書y)
著者 山岡 淳一郎 (著)
関東大震災が起きた大正末期と、東日本大震災が襲来した現代の政治状況の類似点を指摘。政治家の権力闘争や復興財源問題など、90年の時間を越えて2つの震災復興を対比することで、...
震災復興の先に待ちうけているもの 平成・大正の大震災と政治家の暴走 (新書y)
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商品説明
関東大震災が起きた大正末期と、東日本大震災が襲来した現代の政治状況の類似点を指摘。政治家の権力闘争や復興財源問題など、90年の時間を越えて2つの震災復興を対比することで、現代日本を待ち受ける運命を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
山岡 淳一郎
- 略歴
- 〈山岡淳一郎〉1959年愛媛県生まれ。出版関連会社、ライター集団を経て、ノンフィクション作家へ。「人と時代」を共通テーマに近現代史、建築、医療、政治など分野を超えて執筆。
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紙の本
関東大震災後の日本は、東日本大震災後の日本にとって「いつか来た道」なのか?
2012/03/26 14:43
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書を読みながら、1923年の関東大震災、2011年の東日本大震災という二つの大震災後の政治状況が酷似していることには、ほんとうに驚かされる。ともに短命政権が続いた後の「政治空白」に起きた大震災、そしてその後の政治の迷走ぶり。
「3-11」後の政治状況にあきれ果てているのは、大地震と大津波、そして原発事故の遺族や被災者たちだけではない。直接の被災者になっていない大多数の国民にとっても、政権と政権党が迷走しているだけでなく、この状況のなかでさらに国民一般に不利益になる可能性のあるTPP参加へ前のめりで強行しようとしている政治家のあさましさが目に余るのである。
こういう状況のなか、政治家たちからだけでなく国民からも、「関東大震災後に電光石火のスピードで復興プランをつくった後藤新平のような人がいれば・・・」というセリフをよく耳にしたが、後藤新平や昭和恐慌についての歴史ノンフィクションにも取り組んでいる著者が書いているのを読むと、関東大震災後の政治状況がけっして理想的に進捗したわけではなかったことを知ることになる。
当の後藤新平自身が政争の一翼を担っていたこと、関東大震災後に当時の世界標準であった「金解禁」に前のめりで踏み切った井上準之介蔵相など、権力欲によって動かされ政治家たちの振る舞いには、90年の時を隔てても何の違いもない。著者の記述を読んでいると、2012年現在の政治家が劣化していることは言うまでもないが、90年前の政治家たちもまた、現在とくらべて、とくべつ優れていたわけでもないことを知ることになる。また、大震災における米国による援助外交と実利追求姿勢もまた、関東大震災でも同様であったことを知るのも意味のあることだ。
首都直下型地震も「近い将来」に発生する確率が高いとさえ言われている現在、その被害規模は1923年に発生した関東大震災の比ではないだろう。寺田寅彦がすでに指摘していたように、文明が高度化すればするほど被害は逆に大きくなるからだ。関東大震災後から22年後、「昭和恐慌」を経て戦争に突入していった日本は最終的にクラッシュした。今後の日本が再びクラッシュすることがないことを願うばかりだ。
紙の本
震災復興をさまたげるのはこの著者のようなジャーナリスト !?
2012/03/31 22:42
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
関東大震災と東日本大震災のときの政治状況の比較がこの本の中心テーマになっている. とくに東日本大震災のときの政治家については,ことばをきわめて批判している. しかし,それではそのとき政治家がどうすればよかったのかについてはそれほど明確なことを書いてはいない. それは関東大震災についてもおなじだ.
震災後の政治状況を分析するのは必要なことであり,著者の努力は貴重なものだとおもう. しかし,80 年を経てもなお正解がわからないのに,なぜ正解をみつけられない現代の政治家をこれほどつよく罵倒できるのか,理解できない. 政治家がちからをだすべきときに,そのちからをそいでいるのは,こういうジャーナリストなのではないだろうか.