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しっかりしたコンセプトと実践力
2021/04/26 12:43
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投稿者:y0a - この投稿者のレビュー一覧を見る
気にはなっていたが、個人的にはまだ著書を読んだことがなかった坂爪氏。
面白かったし、ためになった。半日くらいで一気に読んでしまった。
障害者のための性のサービスというと、各自様々に妄想してしまうもんなんだろうけど、著者は社会学を学んだ人として、しっかりコンセプトを考えながら前に進んでいく。いちいち納得しながら読んだ。
ナイチンゲールの話も、なるほどつながってくるのですね(レビューのここだけ読んで誤解せず、疑問に思った方は本書にあたってくださいね)。
あとがきまで読んで、著者の志の高さに感心するほど。
他の本も読んでみます。実践力があるところがスゴイ。
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毛のはえた心臓の作り方
2016/04/23 16:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よいこら - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者のバイタリティ溢れる行動の数々に感嘆したが、その精神力、つまり毛のはえた心臓の作り方が知りたい。やはり上野千鶴子ゼミに入る位だから、もとから違うのか?
ぜひその秘密も自作では明らかにしていただきたい。
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性の介助について、あるいは性の自己決定について。数々の既存の慣習、あるいはタブーにぶつかっていく姿はさながら革命家。まさに尋常ならざる情熱。
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いやはや、まさしく尋常ならざる情熱でした。
友人が「最も尊敬する人のひとり」に挙げた実兄の著書。
友人やマスコミを通して著者の活動については
なんとなく知ってはいましたが、
正直穿った見方をしていたかもしれません。
「障害者の性」
未だどこかタブーのニュアンスがありますが、
著書はこれを介護サービスとする非営利団体を立ち上げます。
その背景、創業に際してのエピソード満載の本書、
単に東大の社会学者が机上の空論をふるっているのではなく
泥臭く行動した実践にもとづく内容で読みやすいです。
ところどころ攻撃的で、少し偏った主張かなぁと
思うところもあったのですが、
その熱さ故かもしれません。
賛否両論なこと間違いなしですが、社会学好きにはぜひ。
本書の冒頭で非常に共感したのが、社会学のあり方。
現在ある〝当たり前〟のものに、疑いの目を向けてみる。
問題解決は、みな存外得意なものです。
肝心なのは、解決すべき問題の設定。
日頃から世界に対して意識を向けていくことが大事だな、と。
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今まで考えたことのなかった新たな視点で語られている。
論理的思考能力
・問題設定そのものを疑う
・外在的批判と内在的批判を区別する
・先行研究を徹底的に調べる
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障害者のための射精介助をNPOとして実現した著者。
新規分野における立ち上げまでの苦労とその必要性を説いている。
現在18都道府県でケアサービスをしているとのことであるが、事業として成立しているかどうかは、不明。
情熱の想いは伝わるが、惹かれるものが湧いてこないというのは、著者が言うセックスに対して、偏見を持っているという証拠ですね
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確かに尋常ではない。著者の性の公共化に関する熱意が、である。
著者は一般社団法人ホワイトハンズの代表である。この組織は、障害者への射精介護などを行っている組織だ。河合香織著「セックスボランティア」を読んだ直後に読んだため、実際に活動されている方の取り組みを知って驚いた。というか、このような活動を知らなかった自分を恥じた。
今の日本では、風俗やAVなどが流通しているにもかかわらず、警察は取り締まらないが、障害者への射精介護という、社会的に意義のある取り組みには前例がないとして真っ向から否定する。だからいまだにNPO法人の認証は得ていないらしい。
警察や行政とのやりあいやネットが炎上してしまったときの対処など、読んでいて痛快であった。そこには悲観的な文言は一切ない。
昔の日本は性が当たり前のものとしてあり、むしろ今の恋愛から結婚につながる習慣のほうが戦後に出てきた流れだというのは驚いた。
この書籍を読んで、一人でも多くの方が性の公共化について当事者として考える機会を得てほしい。
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題名がセンセーショナルだからそこばっかに目がいってしまいがちだけど、とても大事なことが書いてある本だと思いました。
性に関しての知識を身につける機会がほぼ皆無ってのはほんとそうだと思います。
そのために知識が経験の有無に依拠することになって、果てはそれが自分の容姿やなんかとあいまってコンプレックスだったりとか、一見間違った?お金の遣い方をしてしまった人を見てきました。
(ネタになるならばそれはそれでおもしろいのかもしれないけど!)
夜這いって合理的だったんだね。っていう。
NPOのくだりで役所とガチバトルを繰り広げてるのに、結婚相手の「募集要項」を作ってるあたりがちょっと役所ぽくて笑えました。
でもとっても合理的ですよね。さらにそれで成功(いろんな意味で)してるんだからすごい!
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障害者への射精介護をする為の非営利組織ホワイトハンズを設立した坂爪真吾氏の著作である。
障害者の性のゴールを「障害者が、毎日の暮らしの中で、最低限度の性の健康を保ち、最低限度の性の権利を理解・行使するために必要な、社会的サービス・支援制度を整備すること」と定義している。
公に語られる事がなかったであろう障害者の性について真っ正面から向き合い、組織を立ち上げることから話はスタートする。前例のない活動に対して、警察や行政と戦いながら関係者の理解を得ながらなんとか市民権を得ようとしている。
この本が面白いのは、ここで話が終わるのではなく、性を取り巻く問題を障害者に限定するのではなく、「性の公共」を求めて活動範囲を広げようとしているところである。
「性に対するおおらかさ」を求め、【ベーシック・セックス社会】を目指すことにまで話が発展する。決してフリー・セックス社会でなく、セックスに対する正しい理解がある健全な社会を作ろうという発想である。
全てにおいて著者の意見に賛同する訳ではないが、セックスに関連して不必要に不幸になる人達が少しでも減るという願いは共感できる。
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障害者の性の問題を扱うNPOホワイトハンズの活動についての報告が本書の柱となっているが、その射程は性に対する日本社会の問題(筆者の言葉では、「性蒙社会」の問題)にも広がる。日本の近代が性というものをいかに周辺化してきたかを筆者の実践から理解できる良書。
性教育に使って欲しい本の1冊
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僕は性に関する問題を単なるエロでなく、やましいものでなくオープンにした方がいいと思っているので、著者がやっていることに対して共感できる部分もあるんだけど…
本書の中に書いてあるように色々大変だったんだと思うけど、対行政に関する部分は感情に走ってる感じがして。この本に書かれていることに対し行政側に言いたいことがあってもそれを聞くことはできないから(多分そういうことは行政はしないだろうが)、その点がひっかかった
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い・やー、語る語るよ赤裸々に。
大学(最恐の上野千鶴子ゼミ)でした研究を実社会に生かして武器にするところがよかったですね。机上の空論にならない実践(ホストとして働きながらで水商売研究したり、コムスンで夜間の派遣介護業務についてオムツ替えをしたり)がアクティブ!
「性とは、生殖とは」を語るためには、自身のオリジナル婚活法まで語ってしまう尋常ならざる情熱。
もう、ほんとに、一読の価値あり!
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題名から興味本位で立ち読みしたが、色々考えさせられる本だったので購入。
性というテーマで書かれているが、社会の問題点としてあげられている問題の前提自体が間違いではないのかという考え方、新しい事業と行政との苦難など様々な問題について考えさせられる本。
社会学を学んだ著者が現在の社会における性ついて疑問を持ち、最低限度の性の健康と権利とし、射精はできるものの自分で射精を行えない障害者に対して介護する側の衛生面も考慮し射精を手助けするという新しい種類の事業を起してからの行政との戦いが書かれたビジネス書。
後半は、セックスリテラシーの欠如について書かれていた。このあたりは、私はあまり興味深い内容とは思えなかった。セックスリテラシーとは、性について議論する上での教養力のようなもの。決して俗っぽいセックステクニックとかがどうのこうのってものではない。
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数年前にセックスボランティアという本を読んだことがあったので、違う作者が同じネタを書いてるのかと思いきや違いました。
本著者いわく、ボランティアという言葉を使うこと自体が障がい者の性を特異なものとして扱っている印象を与えるのでおかしいとのこと。
性欲は健常者とか障がい者とか関係なく誰にでもあるものってのを前提に、今まさに障がい者の方が感じている困り感だとか不便さを解消できるようなサービスを提供したいってので、会社を起こした人の話。
なるほどね〜。
私的には、性を公に出しちゃいけないものとして扱うこととか子どもの目につかないようにすることに日々違和感を感じていたので、すごく興味深くて共感できる部分も多かったです。
おもしろかった!
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東大卒業後紆余曲折を経てホワイトハンズ設立。ただのエリートを選ばずぶっ飛んだ生き方をする作者は凄い。最近は性介助も増えてきている様子、性風俗との連携や全国展開など今後に注目。