紙の本
コンパクトにまとまった良書
2016/05/26 20:46
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投稿者:tomoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
美食のまちとしてにわかに耳にすることが増えたサン・セバスチャン。
スペインのバスク州にある人口18万人の街だ。
日本で同じ規模だと、立川市や日野市くらいの規模だろうか。
著者によると、21世紀の最大産業は自動車産業でもなく航空宇宙産業でもなく、観光業だという。新興国で中間層が育つという予測に基づく考えだ。
歴史などの観光資源がない街が、10年で世界的に有名な食の街になった。
シリコンバレーのITのように、料理を知的産業として位置づけ、街を売り出した。
もちろん、中身の伴った売り出しだから評価されたのだが。
サン・セバスチャンの特徴は、伝統的な料理に加えて、「分子料理」に目をつけたことだろう。化学の実験のように食材を扱い、メニューを創造する。
さらに、料理人同士で技術や知識を共有しあう。
「この店でしか食べられない」というのが飲食店のウリの一つだというのが常道だと思うが、逆の考え方だ。これによって料理のクオリティがあがり、観光客の数を増やすことにもつながった。
料理を知的にとらえ、観光資源にするとはこういうこと。
その具体例をわかりやすく見せてくれている。
サン・セバスチャンはじめ、バスクもスペインも一度は旅行したい場所だ。
訪れるときには、この本も持っていきたいと思う。
紙の本
街おこしや地方創世に興味ある方は必読の書
2017/02/09 09:04
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投稿者:坂の下の落人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
元ハイパーメディアクリエーター、有名女優の元旦那さんのイメージがいまだ強く、何を生業にされているのかわからない高城氏の著書。
若干胡散臭いイメージを持ちながら読んでみましたが、内容はとても示唆に富み、著者の鋭い洞察力を感じる内容でした。
スペインのバスク地方にあるサン・セバスチャンという街がいかにして世界的な美食の街になり得たかを事細かにリポート、考察しています。
日本で食で街おこしというと、B級グルメしか思い浮かびませんが、そんな横並びの発想とはまったく異なる、より進化した世界がバスクにはあるんだと教えてくれます。
街おこしなど地域復興事業に携わる関係者はもちろん、ガイドとしても十分楽しめます。
個人的には、ぜひサン・セバスチャンを訪れ、ピンチョスやタパスをつまみにチャコリで乾杯したい気分になりました。
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表題通り、サン・セバスチャンがなぜ美食の街として、成功したのか。
バスク地方含め、スペインの風土の歴史、日本の観光戦略への提言と多岐にわたることが分かり易く書かれている本書。
巻末のサン・セバスチャンガイドではなく、もっと本文が欲しっかったのが本音だが、高城ファンには間違いなく納得できる1冊
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バルセロナに居をもつ高城氏による
彼らしい「通な」知識。
スペイン・バスク地方にある小さな街サン・セバスチャン。
これといった観光の目玉も無いこの街は、美食の街としてここ10年でめざましい成果を上げた。
官民一体となった徹底的な地域戦略が、世界から観光客を集める街をつくった。
我が国でも横並びのB級グルメに頼った村おこしではなく、地域の特性を活かした徹底した戦略を行えば、観光大国になることは可能だ。
日本の得意とするホスピタリティの文化を新しい観光産業と結びつければ、世界中から人が集まる国になるだろう。
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料理がテーマだが、観光産業のあり方を考えさせられた。
料理は新しいことが必須だとは思わないが、情報を公開・共有して向上を目指すところには、共感する。
サン・セバスチャンに行ってみたい。
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世界を股にかけるクリエイター・高城剛さんが今もっともハマっている、スペイン北部のバスク地方におけるグルメによる地域振興について書かれた本。日本においては、B級グルメだったりゆるキャラだったり、他の地域において成功した事例をパクって展開するケースが多く見られるが、そんなレベルとは一味違ったカテゴリを創造し続ける活力が、人口18万人の小さな地域には感じられる。
スペインの複雑な歴史とバスク地方の置かれた政治的な状況が、ピンチをチャンスに変えるという奇跡的な流れに繋がっていった。そのための要件として、中央政府は地域に対して大きな権限を委譲し、地方自治による大胆な特徴づくりが功を奏して、バスク地方の豊かな食材を活かした創作料理の数々が天才シェフたちによって編み出されていった。
当然、日本においても共通する課題であり、むしろ四季折々の旬に彩られた日本の地域こそが、これら美食による地域活性化を仕掛けられる場所だと言えよう。景気が悪い、若者がいないなんて言っている場合ではない。できることから始めよう。
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高城さんというと沢尻の夫?としてメディアで言われることが多く、多くの人が誤解していると思う。この本も、本来のカレの持ち味を活かしている。
分子料理などで有名なスペインバスク地方のサン・セバスチャンの魅力を紹介。単なる、観光地案内ではなく、なぜ、こんなに食で有名になったのか、歴史的、民族的、マーケティング的に解説。
それだけではなく、これからの日本の観光産業の行く末を憂い、提言を行っている。
料理界の徒弟性が、料理自体の進歩をゆっくりなものにして、持続的なイノベーションしかできないのに、サンセバスチャンでは、新しい料理法をシェアし、レストランにR&D部門も設け、開発に専念することにより、破壊的なイノベーションを興していると考えることもでき、ビジネス/マーケティングを考える上でも参考になる。
サン・セバスチャンを知りたい旅行好きばかりでなく、飲食業、観光業に関係している人にお勧め。バスク料理を食べたくなった。
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■文化・料理・観光
1.ヌエバ・コッシーナ:新しい職。料理のオープンソース化。
2.バルセロナの観光戦略でもっとも大切なことは、「市民と観光客が一体になる」ことだと感じました。
3.バルセロナのストリート・パフォーマンスレベルが高く、街を盛り上げている。
4.化学は単純な原理を教えてくれます。
そして、この原理は食品の分野にも適応できます。
すなわち料理をつくるうえでのさまざまな作業の意味を教えてくれるのです。
5.パス名産のワイン「チャコリ」:バスク地方で作られる白ワインで、味は若く、フレッシュで、フルーティでわずかながらの酸味があり、バルなどでのピンチョスや魚介類の料理とも相性が良いワインです。
6.お金で手に入らないものを持っているのが「上流」。車が趣味は下品な話。
7.もし、間違っていたらどうしよう、と考えている間は、常に後手にまわり、成功は遠のくばかりです。
間違っていようがなにしようが、自分たちが信じる「いま」に自信を持つこと、これが大切だと思います。
8.世界を知る。
その上で己を知る。身の丈を知る。
古いモノを守り、あたらしいモノを融合させ「いま」を考える。
そして、オープンな姿勢で、多くの者とシェアしてゆく。
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昨年、サンセバスチャンの、本書にも紹介されているレストランに行ってきました。よい体験でした。
バスクの歴史的背景は知っていたけれど、分子料理だとか、ここに紹介されていることはまったく知りませんでした。
そこに行かなければ得られないものがある、ということを、丁寧に、大切にした結果が、サンセバスチャンの今、ということのようです。
サンセバスチャンというよりスペインに話が散らばってしまっている感はありますが、日本の「失われた」とされている時間に、スペインが何を得たかがわかります。
タイトルがいかにも、だし、著者は結構いつも斜め下な感じの人で、期待していなかったのですが、意外や意外、まずまず面白い本でした。
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ダメ。
子供の夏休みの自由研究レベルの本。
調べたことをつらつらと書いてみました的な。
文章の構成、論理展開がデタラメなので読んでいて辛い。
「日本が学ぶべき戦略とは」がテーマだがまともな提言がされているわけではない。(問題提起はされているが)
サン・セバスティアンのグルメガイドとしてなら使えるかもね。
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これ読んだらサンセバスチャンに行ってみたくなる。
そして行ってみた。
街の雰囲気、バルが最高だった。
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想像していたよりもずっと、日本が、そして日本の都市が学べる内容が盛り込まれていた。観光産業の市場規模にも驚かされたけど、日本の後発ぶりには焦るばかりに思えた。観光にもオープンイノベーションを、そして戦略的なマーケティングが急務なのかも。
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観光を考える出会いになる1冊。
日本力、観光力を考えて今日この日から行動しようと思う。
世界を生で見ている、だからここはすごいと
断言できる自信には圧巻。
以下レバレッジメモ
スペインはなぜ観光で大成功を収めているのか?
21世紀における最大の産業は何か
21世紀における最大の産業は観光産業です。自動車産業でも航空宇宙産業でもありません。雇用の面でも売上の点でも、観光産業に匹敵する産業は見当たりません。UNWTO(世界観光機関)によると、1993年の時点ですでにその規模は自動車産業を抜いています。さらに今後BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)等の国々で新たに誕生しつつある中間所得層が続々と海外旅行に出かける事が予測され、現在8億人の国際交流人口が2020年には倍の16億円に増加すると言われています。また、ボーイング社の長期予測によると20年後には3万5千基の民間商業気が世界の空を飛び回ることになるそうです。現在は1万9千期なので、エアラインの供給は航空機の大型化を考えると、飛行場などの航空関連インフラが整備されることを条件に、増加する国際交流人口にやった対応できそうな状況なのです。しかし、目的地の観光インフラがこの膨大な旅行者数を受け入れられるかどうかが、今後の観光産業の唯一の懸念材料となると言われています。逆に考えれば、しっかり問題点を解決することができれば観光勝ち組都市となることができるわけです。
外国人観光客が、国の人口を超えたスペイン
世界有数の観光先進国となったスペイン。訪れる外国人の数は、フランス、アメリカについで世界第3位です。2001年時点の統計で、スペインを訪れた観光客4800万人は国の人口4000万人をはるかに超えており、現在も伸びています。国際観光収支世界第1位であり、観光GDPをみると、スペインは日本の50倍も観光産業が発達しているのです。一方2010年4月にアメリカウォールストリートジャーナルが発表した数字によれば、日本を含むアジア太平洋地域トップの観光産業国は、GDPの14%を占めるカンボジアです。2位は9.5%のマレーシアと香港。4位以下は、タイシンガポール、ラオス、ニュージーランド、フィリピン、インドネシア、韓国と続きますが日本はわずか0.3%にしかありません。この数字は日本が21世紀最大の産業である観光産業にいかに本気で取り組んでいないかのあかしであり、また、外交を含む国際コミュニケーションが下手であることの表れであると感じます。客観的に見ても観光資源が多い日本は宝の持ち腐れ状態にあることは間違いありません。世界のどうぞよろしくお願いいたしますの観光の専門家と話しても、日本の現状を勿体ないやなぜ?と口をそろえます。なぜスペインがこれほどまでに世界的な観光地になれたのでしょうか?観光産業の発展には様々な要素がありますが、まずは治安、気候、観光資源、交通手段、宿泊、飲食施設、値段の安さ、そして外国語への対応などが挙げられます。そして、スペインはこれらのほぼすべてを備えています。正確に言えば、努力して補い顧客ニーズにこたえています。
後手に回る日本の観光政策
日本も世界に冠たる治安の良さ、美しい敷き、豊かな歴史と遺産、新幹線等の交通手段、多様な宿泊施設、ヘルシーな日本食と、外国人観光客にとって魅力的な要素がいっぱいそろっています。問題は残りの2つ、物価の高さとPRなどのコミュニケーションを含む国際感覚を持った外国語への対応の不足です。まず、観光産業界の国際感覚の違いの代表的なものとして、ホテル料金の値段設定が挙げられます。海外では一般にホテルは1部屋イクラの料金なのに、日本では1人いくらとして計算されることが多く、海外からの旅行者にとっては大きな不満となっているようです。また、言語の面でも大変に遅れていると思います。スペインの観光バスのガイドは大概3か国以上を話します。母国語の他に英語、フランス語、ドイツ語などで、バルセロナに住む多くの人も、言質の言葉である過多乱後、スペイン語、英語、さらにもう1か国話す人が多くいます。観光客用のツアーバス内では小名氏説明をたとえば3言語に分けてするバスガイドや、また著名な観光地では言語別グループに分けて案内するところもあります。バルセロナに限らず大都市の市内観光バスには、座席にイヤホンがついていて10か国語前後の言語で説明が効けるのが一般的です、これに比べると日本は英語での対応さえも十分ではないように思えます。そして円高については、これは観光産業界だけで考える問題ではないと思いますが、今後円安になった時の国家としてのリスクヘッジを観光産業に求めるべきであると個人的に思っています。
サン・セバスチャンの成功から日本が学ぶべきこと
街の成長に必要なのは、個人のパッション
サン・セバスチャンは21世紀初頭における小都市での産業クラスターの成功例であり、観光産業の成功都市であるのは間違いありません。特に食文化による観光戦略の成功は世界中の小都市がモデルにできないかと、専門家たちがこの町を研究していますが、日本ではまだまだ名前が知られていない小都市です。世界中を回って、面白いと思った題材を書いている僕が、この町で1冊書こうと思うほどですから、他にはない何かがあるのは確かです。では、その他の街にない何かとはなんなのでしょうか。それは第一にこの地の人達のパッションだと思います。何かに熱中する熱い心が何よりも大切なことだと、多くのシェフや教育者と話していると改めて実感します。経験や知識なんて、重要じゃありません。そんなものはやりながら覚えればいいんだと皆話すのです。そしてそのパッションとは一時的なものでは仕方がありません。いつまでも継続するパッションを持ち続けられるか。ここも大切だと、アルサックやイリサールなど決して若いとは言えない料理人たちと話しても感じます。そう彼らには今もパッションがあふれているからです。ただ一方でパッションだけではどうしようもありません。2つ目に大切なことは世界の中での自分たちを知ることです。地元の魚や食材がおいしいと思っている人はどこにでもいます。しかし世界の端から端まで見渡して、自分たちの可能性を客観的に理解している人はどれくらいいるでしょうか。来尾が何よりも大切なポイントです。若きサンセバスチャンのシェフたちは世界中を旅して再びサンセバスチャンに戻りました。
多くの日本人にとって長い間世界とはアメリカ��指す言葉だったと思います。しかし実際は違います、だからまずは本当の世界を知る事が、観光戦略を立案するうえで、最も大切なことだと僕は考えています。そして、日本はアジアにあります。ですので、アジアの近しい国々を知ることが、観光戦略を立案する上で地理的にも大切なことなのです。世界の中の日本を知ること、アジアの中の日本を知ること、ここに日本の観光戦略の表層ではない本質的な解決策があると思います。
その世界すぉしる顕著な例のひとつに階級社会があります日本には理解しずらいと思いますが、海外からの観光客にはいろいろな階級の人達がいてそれに合った旅のスタイルを利提案できないといけないと理解することにつながります。たとえば世界の富裕層が泊まるホテルは日本円にして最低10万円というホテルは少なくありません。日本にはいったい何件あるのでしょうか。最低資産500億円の人たち向けの旅行先はかつて中産階級国家だった日本ではほとんど見当たらないのです。同時に必要なのはこの富裕層をケアするアテンダントでしょう。この人材もほとんど今の日本にはいません。いわば高級日本観光サービスのプロフェッショナルです。そのてん韓国済州島は確実に時代に合った観光戦略を作っているように見えます。また階級とは必ずしもお金を持っている人たちを指しません。上流階級=富裕層ではないのです。かつてぼくはロンドンで仕事をしていた時に人前で自動車の所有が趣味だとは絶対に言うなと教えを受けたことがあります。自動車を趣味にすることはお金を払えばだれにでもできることです。一方クラシック音楽や美術、歴史や文学はそれなりの知識や教養がなければ話すことはできません。ものやそれにまつわる情報はお金で瞬時に入手できても知識や教養は一朝一夕ではにゅうしゅできません。そのため車が趣味のような下品な話をしたらクリエイティブ能力とセンスを疑われるというものでした。ですので、富裕層というターゲット設定も長い目で見たらそのような所得も知識もある人をターゲットにしていかないといけません。外国人の観光目的は歴史と伝統文化に触れたい、現代文化(音楽、アニメ、ファッション)、料理を楽しみたいがトップ3です。いま世界的な観光戦略はサンセバスチャンに限らずある特化したあるジャンルでメディアに格付けされることを狙っています。それはレストランだけではなくホテルも地域もすべてです。
世界を知る
そのうえで己を知る。身の丈を知る。
古いものを守り、新しいものを融合させ今を考える
そして、オープンな姿勢で、多くのものとシェアしていく
この次の時代のヒントを、世界一の美食の街と言われるバスク地方サンセバスチャンの食事やここで働く多くの人とふれあって何より僕は感じます。
あとがき
昨今の日本は閉塞していると言われています。その問題から脱却するためにはどうしたらいいのだろうか、とよく尋ねられますが閉塞の逆はオープン化に間違いないと僕は思っています。個人や組織が蓄積してきた解放されるべき情報を閉ざしている間は密までたっても閉塞感に溢れ新陳代謝は行われずに根幹から末端に至るまですべて停滞化し、やがては腐っていってしまう。これが日本においてあらゆる場面で見られる現状なのでしょう。��は、なぜオープン化しないか、もしくはできないのでしょうか?それは、あらゆる物事をオープン化する事によって、既得権益や社会フレームが大きく変わってしまうからでしょう。もしオープン化したら大動乱になるかもしれない。それだったらゆっくりと朽ちたが方がよいと、既存フレームに寄り添う人たちは考えるのでしょう。これは権威とアカデミスムにおぼれたフランス料理の行方と同じなのです。現在スペイン料理が世界をあっ関していると言えます。それは料理業界に長く根付いていた指定制度や既得権益を打破することから始まりました。皆で教えあい、可能性を追求し、情報や技術をシェアし、地元を愛しながら、世界を回って探し出したフレーバーを織り込む柔軟さを持ち何より食べることや作ることの楽しさを追求することだと思います。どれも、今の時代には当たり前のことです。けれども、この当たり前のことが料理業界では長年出来なかった理想とされていました。スペイン料理が世界をあっ関している真の理由は、ただ単純に、どこまでも理想を追求したことです。そしてこれは誰もが気づけばすぐに始められることなのです。さて、小難しい話はどうでもよいと正直思います。ぜひ一度サンセバスチャンに食べに行って街を感じてほしいのです。
もしかしたら、なんだ、これくらいだったらわが町にも可能性があるじゃないか、と感じられる方も多いかもしれません。それほど、日本の小都市は山川溢れる自然が素晴らしい場所が多くあります。このいまは小さいけど、やがて大きくなる可能性の集合が、日本の次世代の可能瀬だと、世界を回って僕は思います。
日々、世界を回れば回るほど、僕は日本の眠れる可能性を感じます。その可能性が大きく花開くのを誰よりも楽しみにしています。
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高城剛氏の本は初めて。「ハイパーメディアクリエーター」「沢尻エリカの夫」という刷り込みがあるのでこのタイトルでなければ手に取ることはなかったでしょう。
20年前に訪れたサンセバスチャンは静かな港町でした。確かにメシの旨さは出色でしたがまさかこんな展開になっているとは。人口18万人の街でミシュラン3つ星が3軒。人口当たりの星の数はダントツの世界一。
事業再生・地域再生に通じるポイントが一杯です。
教育が力になる。(本格的な料理大学を設立)
あるものを活かす。(雨の多い気候を地の野菜の美味しさにつなげた)
街全体でコンセプトを共有した。(ベースはあくまで伝統料理。加える変革は、同じ材料で違う形のもの、同じ形だが材料が違うもの、というルールを設定)
レシピを公開する。(情報を共有することで広がりができる)
地方自治の究極の形、と思えます。「ゆるキャラとB級グルメでは地方は救えない」のは真実です。インバウンドを全く念頭に置いていないからでしょう。
面白く読めました。
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以前、フレンチのお料理教室で、バスク地方の郷土料理を作る回があり(バスク地方はスペインとフランスを跨ぐ自治州)この地方はちょっと興味のある地域でした。
そうしたらこのたび夫の友人が、著者侮るなかれ、とオススメしてくれたのが、このバスク地方を舞台をした本です。
著者は、エリカ様の元夫(だっけ?)高城剛さん。
若い女優を妻にして満足している、更にハイパーメディアクリエーターという胡散臭い肩書を持つ彼を連日ワイドショーで見かけたときは完全に引いてました。
が、読んでみたら意外に文章は簡潔明瞭、クセがなくて分かりやすいし読みやすい、それに見解もいい。見直してしまいました。。
スペイン北部のバスク自治州の小さな街サン・セバスチャンは、ミシュラン☆レストランがいくつもあるという美食の街として有名で、世界中から観光客が大勢やってくる場所だそうです。
著者はこの小さな街がなぜ観光産業で成功したのか食分野での成功の秘訣を解きながら、日本での観光産業の問題点をクローズアップしています。
と同時に、観光案内本としてもイケるような楽しさ、そして料理に関する記述も多く、料理好きな私はいろいろな面で楽しめました。あーその料理習って作ったよ!とか、
ピンチョスは華やかで前から好きだったけど、進化系のピンチョスハンバーガーの、想像外のかわいらしさに感心したりしてね。
(著者はそっちの意図じゃないと思うけど・笑)この本を読んでスペイン料理を作りたくなりました☆