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- カテゴリ:一般
- 発売日:2012/08/31
- 出版社: 新潮社
- サイズ:20cm/310p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-10-331708-1
紙の本
正岡子規
「写生」という手法を発見、俳句と短歌に革命をもたらし、国民的文芸にまで高めた正岡子規。幼いときの火事体験から、最晩年の過酷な闘病生活まで、その生涯を精緻に描く本格的評伝。...
正岡子規
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商品説明
「写生」という手法を発見、俳句と短歌に革命をもたらし、国民的文芸にまで高めた正岡子規。幼いときの火事体験から、最晩年の過酷な闘病生活まで、その生涯を精緻に描く本格的評伝。『新潮』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
長生きしていたら。
2020/07/01 15:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゼルコバ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつも、早世した作家が長生きしていたら、いったい世の中はどう影響を受けたかと、つくづく思ってしまう。
短い人生だから輝いたのか、死を目の前にしていたからこそ、大きな作品を残していったのか、キーンさんの思いは果てしない。
紙の本
非常に冷静な語り口が印象的
2012/10/08 15:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
俳句と和歌の革新者である子規を論じた書物は、その大半が熱烈な賛辞と圧倒的な高評価で埋め尽くされているのが通例だが、最近本邦に帰化して新・日本人となられたキーン翁のこのたびの評伝は、けっして贔屓の引き倒しの悪弊に陥らず、非常に冷静な語り口で終始していて、例えば子規に師事しながら「その人格冷血」などと指弾した若尾瀾水の悪口を紹介しているところなどが、かえって新鮮だ。
しかし脊椎カリエスのためにかのモーツアルトと同じく弱冠三五歳にして泉下の人となったこの偉大な文学者は、「詩歌」と「俳句」と「短歌」という日本語を創成しただけでなく、翁が結論付けておられるようにわが国の短詩形文学の「本質を変えた」のだった。今日私たちが「俳句や短歌で現代の世界に生きる経験を語る」ことができるのは、ひとえにこの早世した天才のおかげなのである。
古今集や新古今、芭蕉をおとしめた功罪は相半ばするとはいえ、万葉集を再評価し、実朝、蕪村を「発見」した功績は、子規の実作がそれらの影響を殆んど受けていないとはいえ、他の誰もがなしえなかった日本文学史への貢献であった。
また子規が童貞ではなかったこと、漱石と共に大学予備門で学んでいた当時の英語の実力を侮るべきではないこと、彼が生涯で九〇篇の個性的な新体詩を作ったこと、西洋音楽のレコードを蓄音機で聴いた子規が、(みずからヴァイオリンを弾き、ワーグナーを愛した彼より一九歳若い石川啄木には及ばないとしても)、想像力を駆使して三つの歌を創作したなど、博学のキーン翁ならではのエピソードも鏤められていて読み応えがある。