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紙の本
植草甚一コラージュ日記 東京1976 (平凡社ライブラリー)
70年代、若者たちの圧倒的な支持を得た街の文化の旗手・植草甚一が端正なペン文字で綴った、日々の記録。全集「植草甚一スクラップ・ブック」の挟み込みの月報に掲載された手描き日...
植草甚一コラージュ日記 東京1976 (平凡社ライブラリー)
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商品説明
70年代、若者たちの圧倒的な支持を得た街の文化の旗手・植草甚一が端正なペン文字で綴った、日々の記録。全集「植草甚一スクラップ・ブック」の挟み込みの月報に掲載された手描き日記の東京編。〔「植草甚一コラージュ日記 1 東京1976」(2003年刊)の再編集〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
植草 甚一
- 略歴
- 〈植草甚一〉1908〜79年。東京生まれ。早稲田大学建築学科中退。東宝勤務を経て、評論・翻訳・執筆を行う。映画・音楽・ミステリーなど幅広い分野を対象とする。
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紙の本
1976年 東京・・・J・J氏の後ろ姿を追う
2012/09/18 22:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Fukusuke55 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋さんの帰りにコーヒーを飲みながら、買った本を一通りパラパラめくる・・・私のこの習慣は、J・J氏こと植草甚一さんのスタイルに憧れて、真似しているうちにしみついたものです。
今に至る私の読書習慣、本の購買習慣の原点がJ・J氏にあると言っても過言ではありません。
本書のキャッチフレーズ、「ぼくの一日は散歩と読書で暮れていく。」は大学生時代の私にとって、憧れの生き方そのものでした。
懐かしくて、うれしくて。
本書を丸善 日本橋で見つけたとたんに即買いです。
「コラージュ日記」と銘打っている通り、J・Jさんのコラージュがこれでもかというほどにちりばめられた直筆日記。
1976年1月1日から7月31日まで。
68歳のJ・J氏が東京で過ごす日々が、いつもの独特な味わいで綴られています。
清書しながら、何日置きかでペン先を変え、字体を変え・・・まるで、「日記」という形を採ったアート作品です。
J・J氏はとにかくお散歩が好き、本が好き。
毎日毎日、古書、それも洋書や輸入雑誌を中心に、新刊本は言うに及ばず、身の周りの小物、帽子・・・買うわ買うわ。
「本は1週間3冊までにしておこう!」などと言っている自分が、みみっちく見えてくるくらい、豪快な買いっぷり。
さすがのJ・J氏も買いためた本が収納できず、同じマンションに3部屋目を借りることになってしまったくだりには苦笑です。
J・J氏の感性はみずみずしくて、素直で、リラックスしていて、無理をしていなくて。
一般のサラリーマン一家で育った私が、18歳の時、初めて知ったJ・J氏の生き方(注;その時にはすでに他界していました・・・)に、とんでもなく衝撃を受けたことを今でも覚えています。
「お父さんよりも20歳以上も年上のおじさんが、こんなに自由にのびのびと生きているんだ・・・。」
私自身が50歳になった今、本書を読み返してみて、「多感な時期にJ・J氏に出会えたことは、人生の財産だったなぁ。」と強く強く思いました。
それにしても・・・
1976年から36年も経っているのに、本の値段ってほとんど変わってないんですね。
インフレして、デフレして、時代を経ても本の相対的価格感というのが変わらないというのは、すごいことなのか、嘆かわしいことなのか・・・わからないです。
そして、この円高の異常さ。
1976年当時、これから控える3か月のアメリカ生活を考えると、「600万円準備しないと安心できない・・・。」というJ・J氏。
当時は1ドル300円。今から見れば、ざっと1/4の価値。ということは3か月 150万円か・・・。
確かに、あのペースでいろんなものを買いまくっていたら、1日3食ご飯食べて、あちこち移動して・・・普通に生活できるか心配だわなぁ。
J・J氏のステキなコラージュ、カッコいいライフスタイルに加えて、デフレ慣れしてしまった自分と、どう考えても異常な円高を改めて考えさせられた一冊です。
あまりに次元の違うアジェンダだけれど・・・